実践的に考える職場と労働法

すべては団結することから始まる

労働3権と労働組合法

 労働組合の結成やその活動を(保護も含めて)規制しているのは労働組合法という法律です。1条は、法律の目的として「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させる」と書いています。
 労働組合法は、労使対等の理念に基づく団体交渉をアシストし、そのための団結や団体行動を擁護するものです。
 憲法28条は「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」とストレートに団結権を擁護していますが、労働組合法は「労働力の集団的な取り引き」のために団結権や団体交渉も認めるという構図になっています。
 もっと単刀直入に団結する権利自体を労働組合法で擁護すべきだと私は思います。
 いずれにせよ団体交渉の助成という法律の目的と枠組みに沿って、労働組合法は、刑事免責(1条2項)や民事免責(8条)を規定し、さらには法人格の付与(11条)や不当労働行為制度(7条・27条)、労働協約の規範的効力(16条)・一般的拘束力(17条・18条)を規定し、積極的な保護を与えています。

団体交渉

 団体交渉に関して労組法1条は「正当な団体交渉については刑法第35条の適用がある」とし、刑事責任は問われません。また団体交渉をしたことや発言を理由にして、「解雇やその他不当な取り扱いをしてはならない」(7条)としています。
 また労組法7条は「使用者は正当な理由がなければ団体交渉を拒否することができない」とし、団交を拒否すれば不当労働行為、法律違反となります。使用者側は

①組合員名簿や規約の提出
②組合の要求が過大である
③忙しくて交渉時間がない
④従業員以外の者の出席
⑤組合員は従業員以外ダメ
⑥要求の中に人事権や経営権など交渉の対象にならない事項がある
⑦出席人数を制限しろ

 ――などを理由に交渉を拒否するケースがありますが、①は組合への内部干渉、②要求過大と交渉するしないは別問題、③別の日時を提案、④誰を交渉員するかは組合の自由、⑤組合員の範囲は組合自治、⑥労働条件に影響があるものは交渉事項、⑦交渉委員の数は組合が決めること……であり、いずれも交渉拒否の理由にはなりません。

労働協約

 労働協約は、労働組合と使用者との間で組合員の賃金、労働時間、休日・休暇などの労働条件や、労働組合と使用者との関係に関する事項について団体交渉で合意に達した事項を①書面にし、②労使双方が署名または記名押印したものをいいます。
 この2つの条件を満たしていれば、「協約」「覚書」「確認書」などの名称やスタイルにかかわらず労働協約としての効力があります。労働協約は、労働契約や就業規則に優先して使用者と労働者との関係を決める効力があります。

争議行為

 労働組合の正当な争議行為は、刑事上の処罰や民事上の責任が免除され(労組法1条2項、8条)、さらに不当労働行為制度で保護されます。
 ストなどの争議行為で業務の運営を阻害しても刑事上の罪にならず、使用者は損害を受けても、組合や組合員に対し損害賠償請求できません。また争議行為の指導・参加を理由に解雇などの不利益な取り扱いはできません。
 スト権は、組合規約に基づき組合員または代議員の直接無記名投票の過半数による決定が必要です。一般にストは開始よりも収拾が難しく、組合内部の意思統一などをしっかり行う必要があります。

不当労働行為

 労組法は、使用者が行ってはならない反組合的行為を不当労働行為として禁止しています(労組法7条1項)。不当労働行為に対しては、団体交渉や争議ではね返し、団結権を回復することがまずは大切です。その一環として労働委員会に救済の申し立てもできます。労組法が禁止する行為は次の通りです。

1. 不利益取り扱い(組合員であること、組合に加入・結成を理由に解雇その他の不利益取り扱い)
2. 黄犬契約(組合に加入しない、脱退を雇用条件にする)
3. 団体交渉の拒否
4. 支配介入(組合の結成や運営に使用者が介入)
5. 経費援助(組合の自主性・独立性を損なう費用援助。交渉時の勤務解除や最小限の事務所提供はOK)
6. 労働委員会の申し立てを理由とした不利益取り扱い
 労働委員会は、不当労働行為かどうかを判定し、救済命令を出します。二審制で都道府県労働委員会と中央労働委員会があります。(S)

ちば合同労組ニュース 第81号 2017年4月1日発行より