自治体丸ごと民営化へ向かう柏市(2)

まだ何もきまっていない。闘いはこれからだ

 前号で今年3月に策定された「柏市公共施設等総合管理計画(基本方針編)」は公立保育所と小中学校の統廃合と民営化を突破口にして、すべての施設の統廃合と民営化の検討と「総量の縮減」を目指していることをあきらかにしました。
 その方法が「トップランナー方式」(民間委託の度合いに応じて地方交付税の額を決めるもの)であり、柏では本庁職場の窓口などの業務委託が加速しています。「選択と集中」の名目で極限的な人減らしであり、職場の共同性や安全の破壊にさらされていきます。
 市当局は公立保育園を具体的にどうしていくのか、今年度中には決められない状態のようです。つまり、労働現場から反対の声がどんどん上がればこの計画を中止に追い込むことは可能だということです。
 特に「3年契約」の給食調理員や保育士の雇いどめを許してはなりません。労働者が立ち上がれば「保育所不足」と闘う保護者や地域の労働者も共に立ち上がるはずです。。

医療・福祉分野で先行

 2000年に始まった介護保険制度と、その後に始まった「地域包括ケアシステム」は、医療・福祉を巨大な「シルバー産業市場」にしていく攻撃です。政府は14年6月に地域医療・介護総合確保推進法を制定して、在宅医療・介護を促すことで医療費削減の攻撃が始まっています。
 柏市では国が主導する形で東大、UR(都市機構)、柏市が一体で「柏プロジェクト」という名称で在宅医療と介護(および介護予防)の「多職種連携」の取り組みがなされています。医師会を中心に社会福祉法人、ボランティア団体まで含めて膨大な層の人びとが携わっていますが、ここで働いている労働者の待遇や労働条件はどうなっているのか?
 力を入れている施策のうち、高齢者の「生きがい就労開発」について、賃金労働と「有償ボランティア」の中間的な「プチ就労」的なものと位置づけられていますが、働く人に低賃金と労働災害の適用の可否、労働基準法や労働三権はきちんと保証されるのか?
 背景には、年金支給を65歳からに引き上げて、高齢者に低賃金で働けということであり、ひいては労働者全体の非正規雇用を促進していくことがあります。これらが国の「一億総活躍社会」の具体策や介護予防として位置づけられていることに危機感を持ちます。
 ほかには「介護予防リハビリ事業者の開業(リハビリ特区)」(従来は病院や診療所、老健施設しか訪問リハビリはできなかった)と「サービス高齢者住宅(サ高住)」の建設と入居は、そこで働く労働者と利用者への高額な費用や処遇の内容は問題にならないのか?
 在宅医療をどう進めていくかは切実な問題ですが、本来は国が責任を持って行うものであり、従事する労働者も大きくは公務員かそれに準ずる労働条件の整備が必要です。

労働現場に団結と闘いを

 介護保険が始まるまで訪問ヘルパーは「準公務員」の待遇でした。しかしその後、全国の福祉施設では事故、慢性的な人手不足、長時間労働…。何かあれば「労働者の責任」にされ、〝自分のことで精一杯〟〝「横のつながりの欠如〟〝上役への「告げ口」や「足の引っ張り合い」〟……民間の労働者の質が良くないのでは断じてなく、営利優先の民営化が根本原因なのです。
 公務員の現場も共通するものがあるのではないか? 福祉政策の担当者や専門職は、一人ひとり違う相談内容と向き合い、その地域にどんな人が住んでいるのか地域全体を把握することで自分の業務に自信と誇りを持っている。しかし現実には、それ以外の議会や視察への対策、終わりのない統計や資料作り…全国で公務員の過労死やメンタルヘルスが社会的な問題になっている。
 お金では測れない仕事をしていることを同僚と会話・議論することは、自分たちの自身に高めていくことにつながると思います。

職場が一変する重大攻撃

 前号で取り上げた保育や学校の統廃合と一体で医療・福祉の民営化はすでに進行しています。柏市公共施設等総合管理計画は、国の動向と一体で職場が一変する重大攻撃です。これに対抗しうる労働組合をつくりたいと思います。学習会や懇談会を積み重ね、仕事内容や仕事への気持ちを含めて一から把握し、議論から始めたい。
 簡単ではないかもしれませんが、まずはこのニュースを手にした皆さんの率直な意見や感想をいただければと思います。

トップランナー方式による民間委託

16年度に対象にされた業務 17年度に追加される業務
学校用務員事務、道路維持補修・清掃、本庁舎清掃、本庁舎夜間警備、案内・受付、電話交換、公用車運転、一般ゴミ収集、学校給食調理と運搬、体育館管理、競技場管理、プール管理、公園管理、庶務業務、情報システムの運用 青少年教育施設管理
公立大学運営

 

 

 

ちば合同労組ニュース 第84号 2017年7月1日発行より