連載・介護労働の現場から〈働き方編11〉

仲間づくり (1)立ち位置

▲お局さま
 介護職の離職理由の№1は、職場の人間関係である(最近は、施設の理念や運営に疑問という理由と拮抗している傾向にある)。
 働く前には、職場風土や人間関係はほとんど分からず、もう運命みたいなものだ。しかし、介護の現場には独特な特徴がある。
 まず、女性が多い。施設介護で女性の割合が75%、それも40歳以上が過半数。夜勤などきつい仕事を安い給料で、頑張っている中年女性というイメージ。
 はっきり言ってけっこう気の強い人が多い。「一回で覚えて!」「前に言ったよね!」と新人を鍛え、仕事に慣れてくると、いくらでも仕事を押しつけてくる。利用者の情報は教えず、わざと新人が失敗するように仕向けたりもする。
 オープン後経過している施設では、それが独特の施設内社会を形成し、「お局さま」(あるいは、その取り巻きグループ)という仕切り屋がマイ(アワ)ルールを押しつけてくる。ミーティングで決まったことなど平然と無視するし、施設長の忠告などどこ吹く風。最悪、こういう施設でどう働けばいいのか? 辞めちゃうほうが早いけど、あえて働き続けるなら、自分の立ち位置を決める必要がある。

▲おひとりさま
 なぜ働くか? 生活費を稼ぐだけの目的なら介護職は割に合わない。他の職種のほうが条件がいい。介護という仕事に貢献し、専門職として充実した日々を送るため。
 それが、いわばコンセプトだが、介護はチームワークなので一匹オオカミでは仕事ができない。まず、お局対策。お局さまは、頼られるのが大好き。かといって無理に媚びることはない。お局のプライドを壊さない程度に共感する。さりげなく「なるほど」と持ち上げておく。
 そして、お局だけでなく他の職員に対してもあいさつや笑顔をたやさない。仕事は100%確実にやる。できれば先輩に対してプラス10%のフォローをする。
 プライベートなことは、聞かれたことだけ控えめに答え、噂話や悪口に対しては、乗らないで、聞くだけにする。牙は隠しておく。団結の第一歩は、弱いもの同士、対立しないというのが鉄則。
 このような立ち位置は、他の職員には「ちょっと天然だけど、愛想は悪くないし、仕事ちゃんとできるから、まあいいか」と思えるかもしれない。適度な「おひとりさま」を保ちつつ次に備えるのだ。
 お局さまは、みんなで決めたことも守らないのだから、実は「裸の王様」。そのような施設内のヒエラルキーに、ほとんどの人は飽き飽きしている。利用者の情報は共有化し、仕事は平等に分担するという方向に変えていけばいいのだ。シフト制だから、お局さまがいない日は週の半分近くはある。その時にお局ルールではない方法に少しずつ変えていく。
 次回は、いよいよ仲間づくりについて。
(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第83号 2017年6月1日発行より