連載・介護労働の現場から〈働き方編9〉

サービス残業しない方法

 介護業界は、休憩取れない、残業代が支払われないという労基法違反が横行している。
 人手不足のため、目いっぱいの過重労働でも時間内に仕事がこなせない。「しかたない」「利用者のために」と改善をあきらめている労働者こそが、サービス残業を横行させている根本原因。
 辞めて転職しても、介護業界はどこもサービス残業のオンパレード、そもそも国の人員配置基準が少なすぎるから、転職は解決にならない。地に足をつけて、いまの勤務先でやれることを戦略的にシミレューションしてみよう
*問題を表面化する
 帰る時刻になっても、黙って仕事を続けるのはやめよう。「今日も帰れない」と言ってみる。利用者に聞こえても構わない。利用者にも理解してもらう必要がある。そして決して退勤時刻にタイムカードだけ押して、戻って残業しないこと。

*残業制限ルール
 残業代の支払いについて、会社によっては、残業申請を制限するルールがある場合がある。
 〈利用者のケア以外の、申し送り、記録などの事務仕事、イベント準備などは残業として認めない〉〈掃除やかたづけ作業などは労働時間外にやること〉〈職員会議、利用者家族との面談にかかった時間は労働時間としてはカウントしない〉
 ふざけるなと言いたい。記録、イベント、かたづけ、会議、面談は、介護職の立派な業務、労働として認めないという屁理屈は勝手にほざいてろという類のものだ。むろん、これらの制限ルールは明らかな労基法違反だから、就業規則には載せていない。従うことはない。
*残業を認めないのは誰なのか
 時間外手当の申請の方法を確認しよう。申請用紙はあるのか、誰に提出し、誰が承認するのか? 一般的には残業の事実とその事由を把握できる現場の管理職によって残業手当の有無が決定される。そこでシャットアウトされれば事業所全体の問題。「しかたないでしょ」という仲良しの職員は説得しよう。会社が刑事罰もある法律違反行為を犯しているのにあきらめることはない。
:労基署対策
 労基法違反だから仲間と労働基準監督署に訴えよう。でも、労基署は泣きついてもなかなか動いてくれない。法律に基づいてしか動けない行政機関だから、こちらも準備がいる。労働時間を毎日きちんと記録する。残業未払いの証拠となる給料明細書。これらの証拠の揃え方は専門家のアドバイスを受けるといい。
 介護事業所にとって労基署から是正勧告を受けるというのは、打撃が大きい。信用を失うばかりか、罰金刑になれば、都道府県は事業所の指定取り消しをすることまでできる。だから慎重にね。労基署行くことは会社に秘密にしておこう。いきなりガツンとやって労働者の力を見せつけてやろう。このタイミングで労働組合結成もありかな?(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第81号 2017年4月1日発行より