連載・介護労働の現場から〈働き方編13〉

仲間づくり(3)フットワーク

▲茹でガエル

 国から事業所に払われる介護報酬はどんどん削られて、経営側は経費のコストを下げている。
 いきなり人員を解雇したりはないが、離職した人員の補充をしないとか、パートの増員で補う。ボーナスや手当減給、業務体制の見直し。光熱費、物品などの経費削減…。
 労働者がモチベーションを下げないように、少しずつコストをカットしている。いわゆる茹でガエルの法則で労働者は少しずつ労働強化やブラック化に慣れてしまう。カエルじゃあるまいし、そのたびに労働者は漠然と気づいているが、その不満は声にならない。
 でも、もう労働者はかなり茹で上がっているのだ。これ以上、どんな小さな労働強化にも黙っていてはいけない。

▲軽いフットワーク

 業務の小さな見直し、ちょっとした労働強化や定期以外の異動が、伝わってきたとしよう。黙って受け入れる前に「どうしてそれを行うのか?」「それで、どのようなメリットがあるのか?」「そのメリットは労働者の利益より優先するものか?」を経営側や担当者に聞いてみよう。
 人手不足だからと労働者側がなんでも受け入れてしまえば、納得したことにされてしまうのは自明の理。労働者サイドで考えても理解できないことは、どんなに小さなことでもすぐに訊きにいく。
 一日でも早く、一人でも二人でもいい。そして、上司との小さな交渉は、すぐにメールやSNSなどで発信する。そのフットワークの軽さは必要だ。自分たちだけで事実確認してる間に仲間が茹で上がって死んじゃったら取返しがつかない。また、決定事項でなく、誤報や噂だけの時もある。
 柔軟な行動力は、労働者本位の交渉力につながるだけでなく、労働者が自分の労働について問題意識を持つきっかけになる。介護労働者の自己犠牲的体質を方向転換しなければ、労働環境は良くならない。

▲上司と対等に話す

 介護労働者は、仕事のことで、職場の誰と本音で話せるだろうか? 後輩、同僚、リーダー、主任、部長、施設長…。主任あたりまでは、ふだん接触があるのだから、気軽に本音を話せるようになりたい。
 求人広告などで「風通しのいい職場」とあっても、ウソだろというのが多い。風通しは、自分がドアを開けなければ、よくならない。勇気が必要なら勇気を持とう。嫌な情報もそれが逃避できない現実なのだ。悪く思われたくない、損をしたくないとネガティブに考えず、当たって砕けろと楽観的な突破力を身につける。
 上司とヒラの労働者は、役割が違うだけで、人間としては対等だ。対等なやりとりをすればいいと思う。命令だから従わなければならないのではなく、仕事としてどうなのかで判断することによって、働きやすくなる。他人より自分自身の承認を優先して働く。
 (あらかん)

ちば合同労組ニュース 第85号 2017年8月1日発行より