根津公子さん 船橋で講演 9/24

いま世界で教育労働運動が熱い!

根津公子さん 船橋で講演

ストライキの国メキシコ

テレビで衝撃的な映像を目にした。世界中の辺境を旅するバラエティ番組「こんなところに日本人」。訪問先は中南米の国メキシコ。
レポーターが空港に着いた途端、ストライキが勃発。幹線道路が封鎖され、トラブル続きで目的地にたどり着けない。オアハカという町では死者も出る武力衝突も。茫然とするレポーターにメキシコ人たちは「よくあることだよ」と陽気に声をかける。
ストライキの主役は教師。教師たちが町の入口の幹線道路にピケット(検問所)をつくり、許可がないと町に入れない。レポーターも次第に「教師たちは大勢で炊き出しやっていてピクニックみたいで楽しそう」と変化。教師たちは公教育や先住民族の教育を守るために闘っているのだ。
メキシコの教師たちの闘いが米大陸の労働運動のルーツの一つも言われる。動労千葉とも交流があるUTLA(ロサンゼルス統一教組)のアーリーン・イノウエさんらが作成した『組織化の秘訣』(※)にこの精神が受け継がれています。ぜひ一読を。

先生たちが忙しすぎる

日本の教師たちはどうか。
「脱ゆとり」が加速する学校で追い詰められる教師。苦情対応・プリント・集金・書類作成……。多すぎる校務が「本業」を圧迫し、「授業に専念できない」の悲鳴。
「世界一忙しい」と言われる日本の教師。OECDの調査によると、教師の平均勤務時間が1週間で38・3時間。日本は1・4倍の53・9時間と最長。中・高校では「ブラック部活」と揶揄される、休日や夏休みも部活でサービス残業が強いられる。
指導内容にも政治が介入している。昨年の安保法制定とセットで自民党は「政治的中立を侵す教師の密告」を促すサイトを設立、教育現場に圧力を加えている。「学校から戦争は始まる」と言われるが、安倍首相は教師たちの反撃を何より怖いはず。

根津さんが船橋で講演

9月24日、教育現場で近年で最も闘った教師が船橋に来ます。東京都教育委員会の憎しみを一身に受け、クビをかけて闘った根津公子さん。
根津さんは、石原元都知事による「日の丸・君が代」強制に不起立を貫き、停職6か月の処分を受けました。
「次は解雇か」と言われる中でもあきらめずに闘いを継続。今年5月、最高裁判所が「停職処分は無効」の勝利判決を出し、根津さんの不起立闘争は勝利しました。
改憲・戦争や労働法制改悪の危機が叫ばれるなか、根津さんの勝利はとても勇気づけられます。メキシコのように明るく誇り高い教師・根津公子さんのお話を聞きに来て下さい。(組合員K)

(※)『組織化の秘訣』……少数派の組合活動家集団が現場労働者を組織し、多数派を形成。労使協調の執行部から労働組合を奪い返した闘いの教訓をまとめた手引き書。

ちば合同労組ニュース 第74号(2016年9月1日発行)より