無期転換制度,来年4月 400万人以上が対象に

制度・政策

労契法18条 無期転換制度

来年4月1日 400万人以上が対象に

 来年4月から労働契約法のいわゆる「5年ルール」=無期転換が始まります。
 有期雇用労働者1500万人のうち3割が5年以上、同一企業で働いていると言われています。5年ルールが適用されれば、400万人以上が無期転換の対象となると言われています。
 ところがトヨタやホンダなど自動車大手などの大企業が6か月の空白期間を設けて、無期転換を阻止していたことが明らかになりました。
 18年3月31日を前にして、無期転換を回避するための大量の雇い止めが起きようとしています。10年、20年も同じ職場で働いてきた労働者が突然、雇止めを通知されたり、「辞めろ!」というパワハラや自主退職を促すケースが増えているそうです。
 各地の合同労組やユニオンで雇止めをめぐる争議が勃発しています。来年に向けて加速することは必至です。

大学での攻防

 ちば合同労組ニュース9月号でも掲載したように、無期転換問題は、全国で10万人の非常勤職員が働く大学が「焦点」となっています。その後の動きをまとめました。
 東北大学では、5年を越える契約更新ができないように就業規則を変更。無期雇用の正職員への採用試験では、821人中131人が不合格(690人が合格)。合格者は、医療職や教授秘書などが多く、不合格者は、事務職が多いと言われています。事実上の雇止めです。
 東京大学については、この間の団体交渉の結果、5千人の非常勤職員に設けられた6か月間のクーリング期間(「東大ルール」と呼ばれた就業規則の変更)の撤回を表明。しかし、5年以上の雇用を継続するためには試験をパスしなければなりません。来年度の雇止めが依然予想されます。予断は許さない状況です。

具体的な運動を

 もちろん無期転換は、非正規にとって〈雇い止めされる心配は解消される〉という点では一歩前進です。しかし、万事がOKではありません。
 郵政では「アソシエイト社員」という〈雇用は無期だが、待遇はずっと非正規のまま〉 という労働者が8万人も生みだされました。
 働き方改革のモデル職場としてマスコミに取り上げられたクレディ・セゾン社では、非正規2200人に正社員並の能力と仕事量を求めているそうです。職場は正社員も非正規社員も含めた激しい競争に置かれています。
 ちば合同労組は、スローガンだけではなく具体的な運動を展開したいと考えています。動労千葉は、JR千葉鉄道サービス(CTS)において、ストライキを含む闘いによって全員の無条件の無期転換を実現しました。
 私たちの回り、職場や地域、家族で5年を越えて働く仲間がいるはずです。しかし、労働者の「84%が無期転換を知らない」(8・28付日経新聞)状況です。
 他方で無期転換の申し出を真剣に検討・苦悩している労働者もたくさんいます。労働組合の大切さや意義を広く知ってもらい、労働契約法をも最大限駆使し、闘いをつくりだしていきたいと思います。(組合員K)

ちば合同労組ニュース 第88号 2017年12月1日発行より