11・4全国労働者集会の成功へ 結集をお願いします

11・4全国労働者集会の成功へ

組合員の結集をお願いします

 東京・日比谷野外音楽堂で11月5日、動労千葉などの呼びかけで全国労働者総決起集会&改憲阻止!1万人大行進が開催されます。
 11月4~6日に米トランプ大統領が来日し、首脳会談を行うと報じられています。対北朝鮮の戦争会談です。米国や韓国、ドイツなど世界中の労組代表が来日し、共に「開戦反対!北朝鮮を攻撃するな!改憲反対」を闘います。
 ちば合同労組は、組合としてこの集会に賛同し、参加します。組合員全員の参加をお願いします。

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労働学校へご参加を

テーマ 韓国・民主労総の闘い
日時 10月21日(土)13時~ 
講師 金元重(千葉商科大学教授)
 ちば合同労組は団体受講しています。ぜひご参加ください。次回講座は、民主労総のゼネストが韓国における社会変革の展望をきりひらいていることを提起します。

実践的に考える職場と労働法 大焦点「働き方改革」一括8法案

実践的に考える職場と労働法

「生産性向上」で労働法・雇用政策を大転換

 「働き方改革」一括8法案

 解散・総選挙情勢ですが、改憲と並ぶ大焦点が「働き方改革」一括8法案です。安倍首相は「成長戦略」の残された突破口として「働き方改革」を位置づけています。
 「働き方改革」法案は、3月28日に決定された「働き方改革実行計画」に基づいて法案化されています。日本経済再生に向けた「一億総活躍(労異動力の総動員)」として多様で柔軟な働き方を選択できるようにするとして戦後雇用政策の大転換を打ち出し、さらには生産性向上を究極の目的として掲げています。

8時間労働の抹殺

 「残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)」は、07年の第1次安倍政権が提出を断念したホワイトカラーエグゼンプションです。米国ではホワイトカラー労働者の労働法適用を除外する制度で、狭義には労働時間規制の適用除外ですが、それにとどまらない重大性があります。ですので「残業代ゼロ」は正確な批判ではない面もあります。
 法案には「労働基準法第4章で定める労働時間、休憩、休日、深夜の割増賃金に関する規程は、対象労働者については適用しないものとする」と明示されています。労働基準法の労働時間の規定が丸ごと適用除外になることは本当に大変な問題です。
 適用除外の対象業務は、法案には〈業務に従事した時間と成果との関連性が高くないと厚生労働省令で定める業務〉としか書いてありません。
 また裁量労働制とも違って使用者は労働者に業務命令・指示ができるので「朝までにこの仕事を仕上げろ」と指示ができ、深夜割増も残業代も必要なくなります。
 具体的な適用要件は、平均給与額の3倍を上回る水準と規定されているだけです。経団連はかつて年収400万円以上は残業代ゼロが望ましいと主張しました。
 これとセットで「残業時間の罰則付き上限規制」が法案化されています。〝残業規制〟とはまったく逆で、36協定制度をさらに無意味化し、過労死ライン80時間を超える百時間の残業を合法化するものです。労災保険での過労死の認定基準は80時間です。「百時間未満」が法律に明記されれば、過労死・過労自殺について企業は「法律の範囲内で責任はない」と主張できます。

裁量労働制の拡大

 企画業務型裁量労働制の対象の大幅な拡大も盛り込まれています。企画業務型裁量労働制の対象に「事業運営に関する実施管理業務」と「課題解決型提案営業」を新たに加えます。管理職と営業職の大半が対象になりえます。
 過労自殺が起きた電通では3分の1の社員が対象になるとも言われ、悪用されている「名ばかり管理職」「定額固定残業制」は軒並み合法化され、企業の裁判リスクはほぼなくなるとも指摘されています。

個人請負化を推進

 新たに急浮上したのが雇用対策法の大幅な変更です。雇用対策法の目的に「多様な事情に応じた就業」「労働生産性の向上」を盛り込み、国の施策として「多様な就業形態の普及」を位置づけます。これは戦後の雇用政策の大転換です。
 雇用対策法は、雇用政策の基本法として位置づけられる法律で、憲法の勤労権に基づき国の責務による雇用保障や失業対策を定めた法律です。 法案では、雇用対策法の名称を「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用安定及び職業生活の充実等に関する法律」と変更し、働き方改革の理念を体現する基本法として位置づけています。
 経産省の「『雇用関係によらない働き方』に関する研究会報告書」は、「兼業・副業」「フリーランサー」のような「時間や場所、雇用契約にとらわれない柔軟な働き方」が必要だとして、労働者の個人請負化を打ち出しています。
 「労働力をシェアする」との宣伝文句で〈クラウドソーシング〉が話題です。ネットで労働者と業務発注者をマッチングし、働き手と企業の両方から手数料を得るという事業です。企業と働き手の業務契約は個人請負契約。労働基準法も最低賃金法も適用されない究極の雇用破壊です。
 雇用対策法をこうした方向に転換し、社会保障制度や教育訓練システム、税制なども含めて抜本的に変えるべきと主張しているのです。

雇用の徹底破壊

 「多様で柔軟な働き方」の文脈で、地域・職務・時間限定社員を導入するために「同一労働同一賃金」が強調されています。
 「個人請負も含めた多様な働き方を用意するから働ける時にはそれなりに働け。同じ労働時間や同じ内容なら同じ賃金を払う。能力や成果に違いあれば賃金に反映させる」というのです。「非正規雇用の待遇改善」「同一労働同一賃金」の名のもとに雇用を徹底的に破壊しようとしているのです。
 「働き方改革」法案は、ひとことで言えば、雇用と賃金、労働条件を徹底的に破壊しながら、「労働力の一億総動員」「生産性向上」を至上命題として、戦後労働法制と雇用政策の大転換を狙うものです。
ちば合同労組ニュース 第87号 2017年10月1日発行より

連載・介護労働の現場から〈働き方編15〉労働組合という選択肢(2)

連載・介護労働の現場から〈働き方編15〉

労働組合という選択肢(2) よし、やってみよう

介護労働こそ労働組合

 これまで、介護現場への入職から仲間づくりまでの働き方を書いてきた。これまでの段階で、思っていることを言う→本音で行動する→小さな交渉を重ねる→信頼のおける仲間がかなりの数揃ってきた等の条件をクリアできていたなら、いつでも労働組合を結成することができるはずだ。
 介護労働者にこそ労働組合がふさわしいと思う。労働集約型の介護は、現業職の労働者がほとんどの業態を支えている。現業職がいなければ一日もまわらない。労働者が組合をつくるのは、鬼に金棒持たせたようなもの。
 それに、ほとんどヒラ社員で構成され、出世階段がある仕事ではない。待遇改善、賃金向上を望むなら、出世より組合活動というわけだ。

労組結成

 労働組合を結成するかどうかは、仲間でよく話し合うといいと思う。2人いれば結成できるが、時期と実力を見極めて慎重にやったほうがいい。すでに、利害が対立する経営側と議論できる体制になっており、経営側に影響力をもつ潜在的な力をもっている。
 その上で、これ以上労働条件の改善を労働組合ぬきでやるには無理で、結成メンバーだけでは限界となる時期。経営側と労働者側双方に存在感が高まっていれば、労働者が組合に入るハードルはぐっと低くなる。
 つぎに、労組は任意加入、自主的に団結して自主的に運営する。あたり前だが、幹部にゆだねて代わりにやってもらう組織ではない。新組合員全員に、どんどん役割を振ろう。苦労すると、団結力が強まる。
 組合の役割は闘うだけでない。ぬるま湯の社会福祉法人や新規参入の株式会社などは、現場についてアイデアも費用対効果の考えすらもない。こうやったら利用者が集まるとか、こんな条件ならいい人材がくるとか、労働組合ならそんな提案もできる。そういうアイデアの実現が可能になる労働組合は楽しい。

こんな職場は労組より告発

 労働環境が過酷すぎて新人がすぐ辞めるような現場は、労働者全体が無秩序崩壊状態になっていることが多い。監査や外部調査をウソで固め、虐待、身体拘束や感染症が蔓延していても、壊れた労働者はほとんど罪悪感もない。
 そんな職場の労組は、労働者のモラル欠如とも向き合うことになり、孤立する。労組より行政当局に違法を告発するのが先だ。今日、事業所への行政処分は日常茶飯事。その大半が労働者の告発によるもの。告発後に経営側の対応をみてから、労組結成で打開できるかどうか見極めたほうがいい。

労働組合の社会的役割

 介護の労働組合は、対経営者だけでなく、外に向かって介護労働者の業務や生活実態を発信する役割があると思う。どうしたら、働きがいのある仕事になるか? を提案し、主体的に「働く環境」を切り拓いていく。今は、ほとんどゼロと言っていいほど、現場の労働者からの声や提案が国の政策に届いていない。
 この国の介護を変えていくのは、介護労働者の働き方次第。自らの労働と向き合い、仲間とつながり、地域で専門家としてネットワークの一員となる。従来の要求型、抵抗型、イデオロギー依存型労働組合を超えた介護の職能共同体としての労組が必要な時期だと思う。(了)

【あとがき】

 長い連載でしたが、その一か所でも、「よし、やってみよう」という行動のヒントになれば幸いです。
 最後に、私の5年余りの介護職生活、関わった多くの介護労働者が高齢者を支えるために、悩み、葛藤しながら議論し、辞めないでともに行動してくれたことを忘れない。介護はいい仕事です。
(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第87号 2017年10月1日発行より

改憲、労働法制改悪反対9・30千葉集会

改憲、労働法制改悪反対9・30千葉集会

〝職場から戦争反対を〟

 千葉市民会館で9月30日、ちば合同労組や動労千葉などの呼びかけで「改憲と労働法制改悪に反対する9・30千葉集会」が行われました。この間の地域集会として最大規模の140人が集まりました。
 諸町委員長が主催者あいさつ。戦争と改憲への信任を迫る安倍政権の総選挙情勢に立ち向かおうと訴えました。
 ゲストスピーカーは「日の丸・君が代」不起立を闘った東京都の元教員の根津公子さん。「戦争と関係のない職場はない。とりわけ学校職場は戦争と直結している。だからこそ戦争反対の仕事ができる」と語ってくれました。
 「職場から戦争協力拒否を」と題し4労組が登壇。
 動労千葉が11・5労働者集会の結集をアピール。船橋の病院労組が賃下げや勤務日数の増加などの労働条件の大改悪との闘いを報告。ユニオン習志野は組合結成の経緯と労働委員会闘争の報告を行いました。介護職場分会は、労働者や利用者の権利破壊と戦争は一体の問題と訴えました
 三里塚芝山連合空港反対同盟や内房線と地域を守る会、高校生や大学生、市民団体などの発言を受け、11・5日比谷野音集会への結集を確認しました。

ちば合同労組ニュース 第87号 2017年10月1日発行より

ユニオン習志野 労働委員会 市が露骨な不当労働行為

ユニオン習志野 労働委員会で証人尋問

市が露骨な不当労働行為意思示す

 千葉県労働委員会で9月27日、ユニオン習志野の証人尋問が行われました。争点は習志野市が既存組合には事務所を提供し、ユニオン習志野には拒絶していることです。
 菊池委員長ら2人の組合員が証言。既存組合の金銭的腐敗や市当局との癒着に疑問を抱き、さらには給食の受取調理員の大量雇止めや清掃労働者の死亡事故などについて既存組合が取り組まない状況の中で新たな組合を結成した経過を証言、原則的に現場の課題を闘う新組合に対し、市が不当労働行為意思を持ち、新組合を差別的に取り扱っている実態を暴きました。
 市側の弁護士は、前回までの主張が軒並み論破される中で、突如として障害者解雇撤回の闘いの中で発生した不当逮捕事件を持ち出し、警察に弾圧されるような組合には事務所は貸せないとばかりの主張を展開しました。
 これこそまさしく市が不当労働行為意思を持っている証拠です。証人や約20人の傍聴者は厳しく断罪しました。次回は10月12日午前10時(傍聴券の配布がありますので9時半集合でお願いします)。
ちば合同労組ニュース 第87号 2017年10月1日発行より

映画紹介『わが谷は緑なりき』

映画紹介『わが谷は緑なりき』

 『駅馬車』『荒野の決闘』のジョン・フォード監督。舞台は1870年代の英国ウェールズの炭坑町。名作です。
 故郷の谷を去ることとなった主人公ヒューが少年時代を回想。モーガン家の男たちは末っ子ヒューを除きみな炭坑夫。父と5人の兄はその日の稼ぎを母に渡し、姉アンハードが用意したお湯で身体を洗い、食事につくのが日課だった。アンハードは長男の結婚式で、新たに赴任してきたグリュフィード牧師と出会う。
 数日後、会社の賃金カットに反対して息子たちは組合結成を決意する。だが父の反対にあい家を出る。やがてストライキとなり父は仲間から非難を浴びる。集会で反論した母は帰り道、真冬の川へ落ち、助けようとしたヒューが重度の凍傷に。絶望するヒューの力となったのが牧師だった。姉と牧師は互いに惹かれてゆく。だがアンハードに炭坑主の息子との縁談話が持ち上がりグリュフィードは身を引く。
 やがてヒューは隣町の学校に。貧しい炭坑夫の息子とからかわれケンカに。谷の人びとは憤慨しヒューにボクシングを教える。ガキ大将からも一目置かれ、首席で学校を卒業。
 ストライキは終わったが炭坑の仕事は激減。兄たちは新天地を求めて谷を去る。長男が事故死し、ヒューは進学をあきらめて炭坑で働き始める。姉は結婚生活が破綻し谷へ帰ってくるが牧師との心ない噂を立てられる。牧師は谷を去ることに。その時、炭坑から落盤事故を知らせる警笛が鳴り響く…
 そして冒頭シーン。「今はボタ山となったこの谷も、かつて人の心は清く美しい緑の谷だった」。『天空の城ラピュタ』のモチーフの一つとされる映画です。

ちば合同労組ニュース 第87号 2017年10月1日発行より

おわび-労組ニュース 2017年9月号掲載遅れました

ちば合同労組ニュース 第86号 (2017年9月1日発行)のサイト掲載が一カ月遅れとなり、本日アップいたしました。

組合員の皆様と、ご支援の方々にお詫び申し上げます。

申し訳ございませんでした。

ちば合同労組のサイトを、今後もよろしくお願いします。

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9・30集会 千葉市民会館 改憲・労働法制改悪反対

改憲・労働法制改悪反対!

9・30集会 午後6時から千葉市民会館

 9月30日午後6時から千葉市民会館小ホールでちば合同労組などの呼びかけで「改憲・労働法制改悪反対9・30千葉集会」を開催します。職場の仲間や家族・友人を誘ってぜひご参加ください。
 集会には、ゲストスピーカーとして根津公子さんをお招きします。東京都元教員で「日の丸・君が代」不起立を闘ったことによる停職処分撤回裁判で昨年、最高裁勝訴が確定しました。
 集会発言のメインは「職場から戦争協力拒否の闘いを」と題していくつかの産別・職種の労働者からの発言を準備したいと思います。
 動労千葉は03年のイラク開戦時の春闘で戦争反対を掲げてストライキを行い600本の列車を止め、有事法制に対しては「戦争協力拒否宣言」を発して闘いました。当時、陸海空港湾20労組の闘いが有事法制反対の闘いを牽引しました。こうした闘いこそが戦争や改憲を止める力です。
 そのほか医療・教育・自治体・郵政などの闘いの現場からの発言をお願いしたいと考えています。
 さらには戦争経験者や高校生・大学生などの戦争反対の思いを訴えてもらいたいと考えています。また婦人民主クラブ全国協議会やとめよう戦争への道!百万人署名運動など女性団体・市民団体とも改憲反対の取り組みを進めていきたいと考えています。
 安倍首相は「2020年に新憲法施行」を公言し、先日はJアラートで鉄道が止まり、学校が休校になり、市役所が対応に追われるなどしました。安倍政権は、戦争や改憲に反対する人びとの意識を、危機や排外主義をあおって覆そうとしています。
 今こそ原点に帰って「戦争反対」「教え子を二度を戦場に送らない」「戦争と改憲、徴兵は命をかけて阻むべし」を訴えよう!

ちば合同労組ニュース 第86号 2017年9月1日発行より

ユニオン習 志 野 9・27労働委委員会 組合差別するな!

習志野市は組合差別するな!

ユニオン習 志 野 9・27労働委委員会

 ユニオン習志野の労働委員会は9月27日、ユニオン側の証人尋問が行われます。ぜひ多くの方のご参加をお願いします。日時は9月27日(水)午後1時半から、場所は千葉県庁南庁舎7階です。10分ほど前までには来て下さい。
 争点は、習志野市が既存の組合には市庁舎において組合事務所の使用を許可しながら、ユニオン習志野には使用を認めないことです。さらには市当局は掲示板の使用や郵便物の取り次ぎも拒否しているのです。
 これまで数回にわたり論点整理が行われてきましたが、いよいよ証拠調べに入ります。まずユニオン側から菊池委員長らの証言が行われます。ユニオンは宮本市の尋問も必要であることを主張していますが、宮本市長については、ユニオン側・習志野市側のそれぞれの証人尋問後に判断することになっています。
(9月27日(水)午後1時30分/労働委員会:千葉市中央区市場町1番1号県庁南庁舎7階)

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労働学校へご参加を

テーマ 資本主義とはどういう社会か
日時 9月16日(土)13時~
講師 鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)

ちば合同労組ニュース 第86号 2017年9月1日発行より

実践的に考える職場と労働法 労災事故と労働安全衛生法

実践的に考える職場と労働法

労災事故と労働安全衛生法

使用者責任の追及と労使の不断の闘争が必要

 『労働安全衛生法のはなし』(畠中信夫著)に「安全規則は先人の血で書かれた文字である」という言葉が出てきます。確かにそういう面がある。
 労働災害防止に関する法律の歴史は、多くの場合、労働災害の発生という結果が先にあって、それに対する労働者や遺族の闘い、あるいは世論の圧力で法令などの規制が行われ、事業主による防止策・対応策の義務づけがなされるかたちで進んできた。
 近年でも、1996年12月に長野県と新潟県の県境にある姫川で土石流が発生、下流で砂防工事を行っていた14人が死亡する事故が起きた。この事故後に初めて「土石流による労災防止のためのガイドライン」が制定され、①事業者による作業場所や上流域の地形や過去の土石流の発生状況などの事前の調査、②土石流の発生・把握・警報・避難などの基準の設定、③警報用・避難用設備の設置―などの措置が定められた。
 99年に茨城県東海村で起きた核燃料加工施設での臨界事故では3人の作業員のうち2人が死亡。この事故で「電離放射線障害防止規則」の大きな改定が行われた。

鶴見と三池の事故

 資本主義初期の時代には、「契約の自由」のもとで児童労働や長時間労働、労働者の酷使が行われた。また雇用主に直接的な故意・過失がなければ責任が問われない「過失責任主義」をタテに労働災害や健康破壊の多くが労働者の不注意・自己責任とされ、補償もなされず生活困窮が生じた。日本の状況については『女工哀史』『ああ野麦峠』などが有名だ。
 こうした労働者の状況に対する内外の批判、あるいは労働者の積極的・消極的な抵抗が生じ、明治維新から40数年後の1911年に初めて日本で工場法ができたのである。
 工場法は、15歳未満と女性の深夜業を禁止し、労働時間を12時間に制限した。これは「労働条件」「権利保護」というより工場労働による年少者・女性の体位低下や結核蔓延を防ぐことが主眼だった。
 工場法はその名のとおり工場だけしか適用されませんでしたが、その後、建設業や貨物運送業などに安全衛生法令は拡大されていきました。
 ようやく敗戦後の1947年に労働基準法が制定され、5章には「安全及び衛生」として安全衛生に関する章が設けられ、「労働安全衛生規則」が定められました。
 ここにはじめて戦前のように対象業種や規模が限定されていた状況から、病院や商店、事務所で働く労働者にも、健康診断、安全衛生教育、休業などの規定が適用されるようになりました。それでも独立した労働安全衛生法は72年まで制定されませんでした。
 60年代、高度経済成長のなかで職場環境が激変しました。そんな時代の63年11月9日、同じ日に歴史に残る2つの労働災害が発生しました。
 国鉄東海道線の鶴見駅(横浜市)で死者161人を出した列車の二重衝突事故。福岡県の三井三池炭鉱における死者458人の炭塵爆発事故です。三池では救出された労働者の9割以上839人も一酸化炭素(CO)中毒となり、長期にわたって労働者と家族を苦しめました。戦後最大の労災事故でした。
 三池の事故は、1960年の三池争議からわずか3年で発生しました。三池労組は「闘いなくして安全なし」を掲げ、坑内の安全が確認できないときは入坑を拒否して闘った労働組合でした。
 しかし、組合側の敗北により大規模な合理化が強行され、保安要員が大幅に削減され、争議前には施されていた炭じんの清掃や水まきも無視されていました。炭じん爆発を防ぐ技術は戦前にすでに確立され、戦後一度も事故はなかったのです。適切な対応があれば事故は防げた。危険が認識できていなかったわけでも、事故防止技術がなかったわけでもなかったのです。
 この2つの労災事故で「生産優先」から「人命尊重」の〝一定〟の流れができ、数年後に労働安全衛生法が制定される。この法律には「事業者は、職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」(3条)と明確に規程された。

労働者を守る道

 安全衛生法令の歴史をみると、あらかじめ法律が労働者を守ってきた歴史ではけっしてなく、劣悪な労働環境や、労働者の生命が奪われて初めて制定されたことが分かる。
 確かに「後追い的性格」が否めない領域なのかもしれません。しかし、多くの事故は、後知恵で言えば防げるものが大半だ。つまり職場において常態として存在しているのは「安全」ではなく、「危険・有害の要因」だということです。
 これを使用者・企業の責任として明確化し、労使の対抗関係において不断の闘争がなければ事故を減らし、労働者を守ることはできないことを示していると思います。
 労働組合としては何よりも、職場の仲間の中に「事故と弁当は自分持ち」ではなく労働者が団結して資本と闘うことを通してしか自分と仲間を守ることはできないという認識や気持ちをどう議論していくかが課題だと思います。

ちば合同労組ニュース 第86号 2017年9月1日発行より

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