個人病院で春闘賃上げ要求に挑戦

私の職場紹介

ちば合同労組ニュース 第46号より

個人病院で春闘賃上げ要求に挑戦
職場の仲間と賃上げを院長に要求

私の職場は個人病院で労働者が職場には3人しかいません。
一人は20年以上働き続けている非正規雇用の先輩で午前中のみの勤務になっていて、もう1人はある曜日の午後のみで彼女も非正規職です。私だけ正規職でそれぞれ雇用形態も賃金も違っていて、でも仕事はひとつの作業を除いてはみんな同じ仕事をしています。
雇用形態の違いと、さらに賃金の違いによる分断もあり、なおかつ職場内は人手が足りないため、ろくに話をする時間もないくらい忙しい状況でした。
どうにか話す時間を作りたいと苦闘していたのですが、先輩と去年の暮れぐらいからランチを一緒ができるようになり、〈人手を増やすためにアクションを起こそう。そのための話し合いをしていこう〉と話してきました。
お昼休みを一緒に過ごす時間も増え、愚痴を聞きながらも、先輩が職場の現状をどう見ているのか……何をいまやりたいと思っているのか。何に怒っているのか……を少しずつつかめていけました。
病院の都合でいきなり午後も出てくれと言われたり、あるときは数日間、終日出勤してくれと言われることもありました。先輩にも家族がいて、やらなくてはいけないことがあるのにも関わらず、否応なしに出ざるを得ない状況への怒りもありましたが、一番の怒りは、賃金の低さでした。
20年以上も働き続けているのに時給は2000円にもならない。家族を抱えている先輩にとって、一年に一度の昇給はとても重要な、切実な問題なのだということを知った私は、自分も腹を決めて「賃上げ要求をしませんか!?」と提案しました。
私自身、恥ずかしながら賃上げ要求を職場ですることは初めてのことだったので、院長がどう出てくるか分からず不安ではありましたが、この賃金の分断を突破していくためには先輩と一緒にいま賃上げ要求をすることが必要なんだと思い、心を決めました。
1週間話し合い
二人で一週間近くいくら賃上げ要求するかを話し合いました。
お互いにいままでの昇給はどういう形だったのかを話して、ふたりで2000円の賃上げ要求を決めました。ただ、もう一人の先輩の賃上げ要求をしないというのは考えられない。先輩に「彼女にも話をして、3人で賃上げ要求をしませんか?」と話したところ、やろう! と。彼女の要望を聞いたところ「(働きはじめてから)今まで100円の時給アップだけなので500円で!!」と言われたので、彼女の気持ちを尊重して、彼女は時給500円アップ、私たちは2000円にしようと最終的に決め、院長に二人で言いに行きました。
先輩も「2000円あげてください!」と勇気をふりしぼって言い、私も「賃金の差別をするのはやめて下さい。二人は2000円の賃上げを要求します。もう一人は500円の賃上げを要求します」と言いました。
あの時の気持ちとか感情や感覚は忘れられません。労働者が本来持っている力――この力が発揮されたとき、資本は弱っちい存在になる。
まだ分会という形にはなっていませんが、ある方から「分会ができてから闘いが始まるのではなく、闘いが始まったときに分会ができる」と言われたので、焦らず一歩ずつ進んでいきたいと思っています。