「生産性」の行き着く果て

連帯を掲げた労働組合の旗を

 安倍政権は「働き方改革」で全面的な雇用破壊を進めている。「日本から非正規という言葉をなくす」の安倍の言葉とは裏腹に非正規労働者が過去最多の2100万人に達した(総務省調査)。5年前より179万人増加し、非正規率は4割から5割へ向かって加速している。働く女性も過去最多の7割(厚生省調査)。その多くが出産離職や介護離職をしている。野田総務相でさえ「(女性活躍の)実態は人手不足の補充要員」と認めざるを得ない。

加入資格なし6割

 非正規労働者の大半は労働組合と縁がない。非正規労働者がいる事業所で「非正規に組合加入資格がある」と答える労働組合は、パートタイム(35・2%)、有期契約(37・0%)、派遣(7・4%)、嘱託(38・4%)。いずれの雇用形態でも非正規労働者には「加入資格なし」と答えている労働組合は6割以上(厚労省調査)。

無期転換権行使1/4

 いわゆる「5年ルール」も同じ状況だ。今年4月1日以降、450万人が無期転換できる状況がつくられた。しかし連合の調査によれば、無期転換権を行使した労働者は4人に1人。4分の3の労働者は、権利行使していない。
 無期転換の権利はあるが、「自分に申込権があるかないか分からない」と回答した労働者が半数近い。法は施行されてもほぼ機能していない。
 そもそも無期転換の内容を知らない労働者は68%に及ぶ。それを認知する方法がマスコミからが5割、勤務先の説明が4割。4月以降は報道もなく知る機会は少ない。
 9月末には、もう一つの「2018年問題」と言われる派遣労働者の大量解雇が狙われている。

外国人労働者の急増

 労働力人口の急減少が深刻化している。人手不足倒産も起きている。この1年間で日本の人口は約37万人減少、他方で外国人は約17万人の過去最大の増加だ。
 高齢化が進み人口減少局面に入った日本で外国人が労働力を補う構図だ。東京都では20歳代の外国人は約75万人。都の20歳代は10人に1人が外国人。日本は英国やカナダを超える「移民大国」なのだ。

〝移民制度〟の導入

 この現状に対応して安倍政権は6月15日、骨太方針で新たな移民制度を発表した。これまで建前は「外国人労働力は受け入れない」だったが、外国人労働力を受け入れる抜本的転換を発表したのだ。
 新たな在留資格や入国管理庁を創設し、外国人労働者を大々的に受け入れる。東京五輪に向けた大転換だ。
 現在、日本で働く外国人労働者は128万人。その大半が「無法地帯」に置かれる。外国人技能実習生のいる事業所で法令違反は7割に及ぶ。都内のコンビニは外国人労働者で回している。介護や農業、あらゆる業種に拡大している。今や外国人労働者の存在なくしては日本社会が回らない。労働運動の世界に巨大なインパクトを与えていることは間違いない。

 「LGBTは生産性がない」発言が猛反発をつくり出している。人間の個性や人格を「生産性」で決める――この本質は、安倍の「働き方改革」に貫かれている。この暴言は、LGBTだけではなく、結婚して子どもも産み育てる展望も失っている膨大な非正規労働者にこそ向けられているのではないだろうか。(K)

ちば合同労組ニュース 第97号 2018年08月1日発行より