不当な雇い止めの撤回を求め京成バスでストライキを決行
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ちば合同労組は、2月6日早朝5時から京成バスにおいて指名ストを行いました。今回のストの直接の目的は、すべての嘱託社員を正社員にすること、そして不当な雇い止めを中止することです。
今回、何よりも訴えたかったことは、全国のバス運転手、バス関連労働者の過酷な労働実態を改善することです。ストを告知して以降、全国からものすごい数の応援の声が寄せられました。
京成グループのバス会社の運転手から聞いた話ですが、早朝4時から勤務し、明くる日の深夜1時まで働くこともあるそうです。路線バス、観光バス、どのバス会社も運転手不足の中で過酷な労働条件で早朝から深夜まで過労・睡眠不足でハンドルを握っています。しかも、過酷な勤務に見合わない低賃金の待遇で働いています。
厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)では、勤務間インターバルは継続8時間以上となっています。京成バスでもダイヤ上は8時間プラス数分となっています。
しかし実際には、バス運転手は、運転後にも、給油や車内清掃、落とし物の対応など様々な付随業務があります。だから実際にはインターバルが8時間を割り込むこともあるのです。その間に帰宅し食事や入浴を済ませ、翌日の出勤までに何時間の睡眠が確保できるのか? 広く社会に問題提起しなければならないと痛感しています。
バス運転手の健康問題は、同時に、バスの安全と利用者の生命の問題です。死者15人を出した16年1月の軽井沢スキーバス転落事故、死者7人の12年4月の関越自動車道高速バス事故など、近年、深刻な事故が頻発しています。京成バスでも年間400件もの事故が起きています。事故やミスを運転手の責任にしても、事故は減りません。
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京成バスは、労働条件の改善によって運転手不足を解消するのではなく、元社長が提唱する「運転士道塾」でのりきろうとしています。武士道精神にならって「運転士に誇りとプロ意識を持たせる」というのです。こんな精神論で睡眠不足や過労がなくなるはずはありません。
千葉県では、ほとんどの路線バスを京成バスグループが独占していますが、京成電鉄グループは、1995年にフラワーバスを作って以降、地域ごとに分社化を進め、その後、バス部門そのものを京成電鉄から分離しています。
赤字路線や不採算路線は子会社に回して、グループ会社間で競争させるため、グループバス会社の運転手の労働条件はさらに過酷な状況に陥っています。今回のストライキを通して私たちは、分社化による雇用破壊を俎上に載せ、京成バスグループの運転手の労働条件の改善を訴えたいと考えたのです。
もし京成バスの全路線が止まるストライキが決行されれば、確実に全国のバス労働者の職場環境が改善される転機になったと思います。
県民の多くが通勤や通学で京成バスを利用しています。「バス運転手の健康とバスの安全を守るためのストライキは必要だ」と多くの人が思っているのです。
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多くの労働者にとって、自分の職場を変える選択肢として労働組合が見えていないのが現実です。
今回のストも「一寸の虫にも五分の魂」のささやかな闘いですが、それでも私たちは、バス運転手の健康と路線バスの安全を守るために闘います。組合員の皆さん、雇い止めを撤回させるために全力を尽くして共に闘おう。
ちば合同労組ニュース 第104号 2019年03月1日発行より