介護労働者からの報告

〈介護労働者からの報告〉

「石の上にも3年」労働者の問題は組合的団結の中でしか進まない

介護職を続けてきて見えてきたものは多い。一言で言って現在の日本の高齢化社会で起きている現実は新自由主義が破綻した姿である。孤独死、老老介護、高齢者「漂流社会」という言葉まで生まれている現在……青年労働者の苛酷な現実とメダルの表裏の関係でもある。
ゴウゴウたる批判にさらされて誕生した介護保険制度は12年たって批判が全く正しかった事を日々証明している。これは保険に名を借りた増税だったという事だ。月に1万5000円の年金生活者からも天引きで数千円の介護保険料をむしり取る──これは形を変えた殺人に等しい! 毎月14万円収入がある人も保険料は全く同額なのだ。悪名高い逆進性の権化のような制度である。
核心的には介護保険制度には、日本の福祉のあり方を一変させた「措置」から「契約」へという大転換がある。私は施設で働く介護労働者として様々な形態の老人ホームを見てきたが、たった一カ所(1960年代設立の公立老人ホーム)で部分的に措置が行なわれているのを経験した。行き倒れた身寄りの無い人、公園で寝起きしていたホームレスの人などを強制的に公費で施設に入所させて生活全般の世話をする。生活保護の方も多かった。だが21世紀の現在、自立が困難な単身の高齢者を自宅から追い払い(自宅は処分する)施設を転々と「漂流」させているのは他でもなく行政である(NHKが特集していた)。
日本の敗戦直後、労働者は戦後革命期の高揚の中で福祉3法とも6法とも言われる福祉法を闘ってもぎり取ってきた。真っ先に勝ち取ったのが1946年の生活保護法である。6法の一つは老人福祉法であるが、2000年の介護保険法の施行により、措置を精神とする老人福祉法は介護保険制度にその座を譲って契約を優先する事になった。1951年の社会福祉法も、介護保険法施行の2000年に同時に抜本的に改悪された。
高齢者が生きづらい現実は、老人施設の中でも全く同様だ。それはとりもなおさず、施設で働く介護労働者の労働現場に反映される。低賃金、強労働、非正規職化……等々。動労千葉組合員が外注先と労働基本権、標準労働時間をめぐって激突している最前線からははるか手前で右往左往している自分自身ではあるが、いよいよ分会結成を目指して大きな一歩を踏み出したい。

あらゆる労働者の問題は労働組合的団結の中でしか一歩も進まないと確信しています。(T組合員)