介護職場に労働組合を

介護労働の現場から

介護職場に労働組合を!

介護労働実態調査 人手不足の職場をどう変えるか

 介護労働安定センターが18 年10月に実施した「事業所における介護労働実態調査」(PDF)によると離職率や賃金は少し改善されたが、深刻な人手不足や非正規雇用、低賃金構造は変わっていない。介護職場の改善に向けて労働組合の組織化は大きなテーマだ。

◎60歳以上は2割超

 調査によると、65歳以上の介護労働者の割合は12・1%で全体の1割を超え、60歳以上では21・6%と全体の2割を超えている。

◎外国人労働者

 外国人労働者が働く介護施設は全体の2・6%で少数にとどまる。調査は、外国人労働者と一緒に働くことは「職場に活気が出る」「利用者が喜ぶ」と報告している。

◎採用率と離職率

 離職率については、採用率が18・7%(前年17・8%)、離職率は15・4%(16・2%)で、採用率・離職率はやや改善している。

◎人手不足

 事業所側回答では67・2%が人手不足を訴え、「採用が困難」が89・1%、「同業他社との人材獲得競争が厳しい」が56・2%となっている。
 労働者側回答では、労働条件の悩みや不満のトップが「人手が足りない」54・2%。次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」が39・1%、「有給休暇が取りにくい」が31・5%と続く。

◎賃金・一時金

 正規職員の所定内賃金は平均で23万4873円(前年23万1161円)で3712円の増加。一時金(賞与)の支給状況は正規職員への支給が69・6%、非正規職員への支給が40・4%となっている。

離職率の高さ

 超高齢化社会への突入もあって介護職場の人手不足は深刻だ。非正規雇用・低賃金・夜勤・労災(腰痛等)などの諸問題の改善が急務だ。
1介護施設は2000年の介護保険の施行以降に急増し、もともと家庭内で女性が担ってきた「無償労働」という側面・性格が強化される形で非正規雇用・低賃金が継続している。
2介護保険が、サービス提供者の急拡大を図るため株式会社などの民間事業者の参入を認め(市場開放)、建設や警備会社など他業種から介護ビジネスへの参入が多い。
3介護財政と介護提供体制(財政も施設も労働者も足りない)の破綻的危機。
 ――などの諸条件・原因が結合して、低賃金と過酷な労働実態、人手不足などの深刻な悪循環に陥っている。
 とはいえ離職率の高さは低賃金と人手不足だけが原因ではない。直接には人間関係の悪化や思った働き方ができないことが大きな原因となっている。介護労働は他の労働と比べて営利企業の論理がなじみにくく、労働者の内面に葛藤が生じる。
 感情労働的な要素も含めた仕事の大変さ、高度な専門性が必要にもかかわらず「単純労働」と位置付けられ、介護労働の大変さや専門性が否定されている。
 介護職場の困難な現状には理由や原因はある。ちゃんと対象化して反撃し、状況を変えることは可能だ。労働組合を作って介護労働者の発言力を取り戻し、当たり前の権利を行使し、労使対等を実現し、一歩ずつ職場を変えよう。

ちば合同労組ニュース 第115号 2020年02月1日発行より