労働組合の復権を! 25春闘を闘おう

フジテレビ問題
タレントの性加害事件がフジテレビの組織的・構造的な犯罪・隠蔽として社会問題となっている。経営刷新を求めフジテレビ労働組合がストライキも辞さない構えだ。
フジテレビには約1100人の社員がいるが、もともとの組合員は約80人。「組合に入ると閑職に追いやられる」と多くの社員が労働組合に消極的だった。今回の件で500人以上に増えた。
フジテレビは産経新聞と並びメディア保守派の代表格として政府・自民党と結託・癒着してきた。一連の問題は、そもそも労組が役割を果たしていなかったとも指摘できる。だが23年8月の西武池袋本店ストが一つの転機なのか、フジテレビでも労組が機能し始めることで事態が動きつつあるのかもしれない。
労働者が団結し「おかしいことはおかしい」と声を上げる。労組のシンプルな役割が多数の認識になりつつある。
船橋で病院スト
24年の企業倒産件数が15%以上増の1万件。廃業は約1万件の増加(約6万件余)。建設業やサービス業、製造業などで倒産・廃業が増えている。インフレや円高、人手不足や経営者の高齢化などで休廃業が加速する。雇用に大きな影響を及ぼしている。
一般企業だけではなく医療機関や介護事業の倒産・廃業も過去最多のペースだ。
20年初頭に始まったコロナ禍は多くの困難をもたらしたが、他方で巨額の補助金で医療機関の赤字は緩和されていた。しかし補助金が打ち切られ、無利子・無担保で融資された数兆円規模の負債が返済猶予期間の5年が経過し、今年夏頃から返済が始まる。病院倒産情勢は加速している。
そんな中で1月24日、船橋市の船橋二和病院で働く医師や看護師がストライキを決行した。弁護士JPニュースで取り上げられた。
「『今までない危機意識』船橋市の総合病院で医師・看護師がストライキ/労働条件の改善要求、厚労省にも訴え」の記事、ぜひ読んでください。力強く明確・明快な訴えです。
二和病院労組は「全国の病院経営者が労働者の賃金カットや勤務時間延長などによって経営難を解決しようとしている」と危機感を示し、スト決行は「経営者にただ従うのではなく、各地の医療労働者に立ち上がってほしいとの思いで実施した」と訴えています。
社会的な意味での文脈では確かに日本の医療は危機的だ。他方で直近の病院倒産は診療報酬の切り下げやインフレが原因だ。いとも簡単に軍事費を倍増し、半導体工場建設に10兆円規模の資金を投入する政府の動向を見れば、状況は違って見えます。
今回のストライキ、〝現場の労働者が声を上げなければ、病院を倒産寸前に追い込み、経営主義・生産性向上で競争に勝ち残った病院だけを救済すると考えている政府や厚生労働省とは闘えない〟と受け止めました。
労働組合が求められている

労働組合に注目が集まっている。大手小売店ABCマートのパート労働者が労働組合を結成したことが報じられた(東京新聞)。23年に1人で声を上げて春闘を闘い、非正規労働者5千人の基本時給を平均6%引き上げた。仲間を増やし正社員の組合加入も続き自ら執行委員長に就いた。
労働組合の可能性は確実にある。ちば合同労組もこの情勢に立ち向かおう。トランプ政権以降、激動する世界の戦争情勢とも対決して労働組合を復権していこう。
ちば合同労組ニュース 第175号 2025年2月1日発行より