組合のつくり方

労働組合の結成

労働組合の結成は、使用者の承認を得る必要もなければ、どこかの役所に届け出る必要もありません。とはいえ、労働組合の結成を歓迎する経営者はまず存在しません。そこで労働組合の結成にあたっては慎重で、できるだけ十分な準備が必要です。
労働組合結成の流れは、次のようになります。

(1)有志による結成準備会

職場の中で信頼しあえる仲間で組合結成準備会をつくる。準備会メンバーで①労働組合や労働法についての学習、②職場の労働条件や会社の実情について情報収集、③役割分担を決めます。
職場の労働条件の実態や労働者の意識・人間関係を把握し、さらに世間一般や法律ではどうなっているかを調べます。労働組合結成の基礎的資料になり、団体交渉における重要な資料にもなります。面談やアンケートなども活用します。

(2)加入呼びかけ、組合規約案作成、結成大会の準備

仲間が増えたら大会の日時場所などを決め、結成大会を準備します。加入見込み者に呼びかけ、組合加入の組織化を行います。組合規約の案の作成や要求などの具体的な調査・検討・集約を進めます。
準備会で、最も重要な任務は組合加入の呼びかけです。可能な限り多くの人が組合に加入するのが望ましいですが、結成前は表だって呼びかけができない難しさもあります。準備会で慎重に検討し、準備会メンバーの共通の認識や知識などを持って活動していくことが大切です。
結成大会の直前(公然化と同時)に結成趣意書を職場の全労働者に配布して、組合加入を促すこともあります。この場合は、使用者側に結成の動きを察知される可能性が大きいため、十分に注意して行動することが大切です。

(3)結成大会と公然化

職場全体に労働組合の結成を明らかにすると同時に、使用者側に対しては、それまでの「使用者VS個々の労働者」という個別的な労使関係ではなく、「使用者VS労働組合」という集団的な労使関係になったことを宣言します。
2人以上の労働者が参加すれば労働組合として結成できますが、労働組合としての力量を持つために、時には長い時間をかけて準備会活動を進めることもあります。
結成大会は、結成に至る経過の報告、結成宣言・組合規約の採択、運動方針の決定、役員選挙などを行います。

(4)結成通告・要求提出・申し入れ行動など

組合結成のあと、直ちに使用者に結成通告するとともに要求書などを提出し、一気に組合活動を軌道に乗せる場合と、組合の力がまだ弱い場合と考えられる場合はしばらく非公然で進め、機会をとらえて公然化する場合があります。結成通知は、通常は、文書で社長あてに行います。
労働条件などについて職場討議を積み重ね、要求をまとめ、職場闘争の考え方や団体交渉の方針を組み立てます。組合員や職場の多くの労働者が最も切実に感 じているテーマや要求を中心に取り上げていくことが大切です。組合員・労働者の誇りや団結、信頼感を強める方向で考えます。

(5)団体交渉

団体交渉は、会社と労働者が対等な立場で労働組合の要求について話し合う場です。使用者は、正当な理由なく団体交渉を拒否することは できません(労働組合法第7条2号)。また、単に交渉に応じるだけでなく、要求を検討し、受け入れられなければその根拠を示すなど、誠実に対応しなければ なりません。

次の例は、団体交渉を拒否する理由とは認められません。

  1. 組合員の名簿や規約などを提出せよ(組合への内部干渉)
  2. 組合の要求が過大である(過大かどうかは団体交渉の中で話し合って解決すべき問題)
  3. 忙しくて交渉する時間がない(拒否の理由にはならない。別の日時を提案するなど誠意ある対応が必要)
  4. 従業員以外の者が交渉に参加している(交渉委員に誰を選ぶかは組合の問題、組合員以外でも組合の依頼を受ければ団体交渉の権限はある)
  5. 組合員や役員は従業員ではなければだめ(組合員の範囲は、組合自身が自主的に決める問題)
  6. 人事権や経営権は団体交渉の対象にならない(労働条件や組合の活動に関わるものは団体交渉の対象)
  7. 出席人数を制限(人数について法律の定めはない。労使で話し合って決める問題)

(6)労働協約・争議行為(ストライキ)・不当労働行為

労使の意見が一致し、これを書面にして双方が署名または記名押印したものが労働協約です。労働協約は、労働契約や就業規則より優先して適用されます。
争議行為(ストライキ)は、憲法第28条で認められた労働組合の正当な活動です。争議行為の目的及び手段・方法が正当であれば、刑事上の処罰も免責され(労働組合法第1条第2項)、また民事上の責任(損害賠償)も免責されます(労働組合法第8条)。
不当労働行為とは、使用者が団結権を侵害する行為であり、労働組合の正当な活動を使用者が不当に侵害することです。正当な理由なく団体交渉を拒否した り、組合活動を行ったことを理由に労働者を解雇したり不利益な扱いをするなどの不当労働行為が行われた時は、労働委員会で救済の申し立てをすることができ ます。不当労働行為があったと認められれば、労働委員会は、使用者に対して、「解雇を撤回しなさい」「組合への介入をしてはならない」などと命令すること ができます。

(7)日常活動

労働組合の活動は職場における日常活動が基本です。執行委員会などの各種会議を定期的に開催し、報告や提案などの議題を整理し、きち んと討議することが大切です。また組合員や職場の声に耳を傾け、職場の声の共有化や組合の活動・方針などを宣伝するためにニュースなどを発行します。
職場の労働者の団結を強化することが団体交渉などの力になります。学習活動やレクレーション活動なども行います。