千葉 最低賃金1026円に

制度・政策

千葉 最低賃金1026円に

大幅引き上げ求め審議会にちば合同労組が異議を申立

 千葉地方最低賃金審議会が8月、千葉県の最低賃金を42円引き上げる時給1026円の答申を行った。中央審議会が示した目安41円を1円超える42円は前例がないようだ。タクシー業界団体(使用者側)は「企業の支払い能力を超える」との異議申し立てもしたようだ。
 各都道府県で39〜47円の引き上げとなり、全国の平均時給は22年度より43円高い1004円となり、初めて1000円台を突破した。ちば合同労組は、千葉最賃審議会に対して全国一律かつ大幅な引き上げを求め、少なくとも時給1500円以上とすることなどを申し立てしました。
 海外と比較しても日本の最低賃金は極めて低調で、この間の物価上昇への対応や労働環境の改善などの前提として、最低賃金の大幅な引き上げが絶対的に必要です。
 千葉県は、東京都(1113円)と比較して87円も低い状況です。労働者の生計費に大きな差があるわけでもなく、地域別の設定は、格差を生み出し、低い地域の固定化、全体としての最低賃金の抑制の悪効果をもたらすものとして、地域別の設定について反対を表明しました。
 最低賃金法の制定は1959年ですが、直後から高度経済成長が始まったこともあり、社会的に大きな焦点になったのは実は最近のことです。生活保護受給額との比較からも日本の最低賃金の水準は低く、労働者の生計費の算定の不透明も指摘される状況です。
 最低賃金制度について、労働組合として大いに注目し、理論化や運動化も必要だと思います。継続的な検討と取り組みを行いたい。

 ちば合同労組ニュース 第158号 2023年09月1日発行より