千葉最賃審議会31円引上げ答申
〝生きられる賃金を〟
千葉地方最低賃金審議会は8月5日、千葉県の最低賃金を時給で現行の953円から31円引き上げ984円とする答申を出しました(10月1日から適用/下の写真)。
マスコミでは過去最高と報じられ、労働組合の全国組織である連合は「評価する」としていますが、私たちの実感とかけ離れています。この間の急激な物価上昇を考えれば、この賃金水準で生活することは困難です。「焼け石に水」「31円で過去最高?」「何が変わるのか」との声が噴出するのは当然です。
日本では、最低賃金に近い水準で働く労働者がこの10年で倍増しています。非正規労働者の約8割が月収20万円未満で、その多くは自立した生活を営んでいます。正社員でも低賃金の労働者が増えています。最低賃金が生活に直結する世帯が増えています。ウクライナ戦争の影響もあり、食料品やガソリンなど生活必需品が次々と値上げされています。
確かにこの数年、最低賃金は引き上げが続き、2年後には政府目標の1000円に達すると言いますが、海外と比較すればきわめて低水準です。
米国では2015年に始まった「最低賃金15㌦運動」などの労働運動の高揚を背景に、ワシントンDCやロサンゼルスで16㌦(約2110円)、サンフランシスコで17㌦(約2240円)など引き上げが続いています。
ちば合同労組で異議を申し立て
最低賃金をめぐる状況を変えるためにも労働組合の存在感が必要です。ちば合同労組は、千葉地方最低賃金審議会に対し、「最低でも時給1500円に」と答申への異議申し立てを行いました。
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テーマ 資本主義とはどういう社会か
日時 9月17日(土) 講師 鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)
ちば合同労組は組合として集団受講しています(受講料は組合負担)。今回の講義は、マルクス『資本論』研究の集大成として『資本論エッセンス』(時潮社)を出版された鎌倉先生による『資本論』入門です。
ちば合同労組ニュース 第146号 2022年9月1日発行より