千葉県最低賃金審議会
〝今すぐ時給1500円に〟
白井書記長が審議会で意見陳述
千葉労働局内で7月29日、千葉地方最低賃金審議会が行われました。数日前に中央最低賃金審議会で全国一律50円の引き上げを目安とすることが決まり、これに基づいて各都道府県の最低賃金審議会で審議が始まっています。
この日、労働組合の意見陳述の場が設けられ、ちば合同労働組合からは白井書記長が意見陳述を行いました。
ちば合同労組はエッセンシャルワーカーが多く、非正規労働者の待遇改善などにも取り組んできたと組合紹介。
「物価上昇の影響は特に光熱費や食料品などで大きく、最低賃金に近い水準で働く者により困難が生じている」と訴えました。他方、企業はコスト増加を上回る値上げで収益を拡大させる一方、労働者の賃金には反映されていない状況も指摘し、物価上昇を上回る最低賃金の引き上げが急務だと訴えました。
昨年、岸田首相が30年代半ばまでに最低賃金1500円を目標とすることを表明しました。しかし、約30年、日本の労働者の賃金水準は長期に抑圧されてきました。この間に英米では賃金が約1・5倍になっています。「岸田首相が〝賃上げ〟を言うのであれば、過去30年を取り戻す賃上げ政策として最低賃金1500円はすぐ実施すべき措置」と訴えました。
そのためにも軍事予算の倍増政策を直ちに中止し、最低賃金引き上げや社会保障のために予算を振り向けるよう最低賃金審議会として表明することを求めました。
また日本の最賃は地域別制度で都道府県格差も大きく、地方から都市への若者の移動を引き起こし、過疎化や地域衰退をもたらしています。
最低賃金の指標とされる労働者の生計費において(都市圏で高額となる)家賃も重要ですが、地方社会では自動車が必需品で維持費もかかります。都市も地方も生計費にさほど差はありません。全国一律額を求めました。
特に、東京と千葉の最低賃金額は乖離が大きく(87円)、全国一律制度に移行するまでは東京都の最低賃金額と同額とすることを求めました。
最低賃金の低さは、貧困や格差、教育やキャリア形成など労働者本人、家族や次世代も含めた社会問題を生み出しています。最低賃金問題は鋭い社会的焦点です。最低賃金審議会の役割は大きく、活発な議論や世論関係を図るアナウンスを最後に求めました。