大阪万博 建設遅れで残業規制緩和の動き

制度・政策

大阪万博 建設遅れで残業規制緩和の動き

 25年に開催予定の大阪・関西万博のパビリオン建設が停滞している問題をめぐり、博覧会協会が、建設労働者に対して24年から適用される残業時間規制を対象外とすることを政府に要望していることが明らかとなった。
 大阪万博は、日本維新の会の旗振りで大阪府と大阪市が深く関与してきた。万博会場は、かつてゴミが埋め立てられ「負の遺産」とも言われた人口島・夢洲。橋本徹がこの夢洲へのカジノ誘致を目指してきた。「カジノには税金は一切使いません」の公約もあり、税金投入の大義名分が万博なのだ。
 夢洲は軟弱地盤の上にあり、ゴミ埋立地のため大型建築物を作ることも想定していない。地盤沈下や土壌汚染など諸問題が山積みだ。建設業界の人手不足や資材高騰などで建設費用は当初の1・5倍、1850億円も試算されている。
 このため「万博は国家事業だ」と主張し、残業時間規制の適用除外を求め始めた。大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、「労働環境の改善」も謳う。国家的イベントであれば、例外が許されるのかとの怒りと批判は当然だ。

トラック速度制限も緩和!?

他方、物流業界では人手不足の深刻化が懸念され、いわゆる24年問題に対応するため、警察庁は大型トラックの高速道路での最高速度を時速80㌔以上への引き上げを検討を始めたとのニュースも。
 「事故リスクが増大」など多くの疑問と反対の声が出ている。トラックのスピードアップで解決という考えが根本的に間違っている。

 ちば合同労組ニュース 第159号 2023年10月1日発行より