戦争とインフレ 世界中で労組結成が加速
軍拡が選挙公約に
参院選が始まりました。ウクライナ戦争で対決色がない異例の選挙になる中で、岸田政権は、防衛費5兆円の増額という巨額予算をつくり、米国から高額の兵器を買うこと、さらに選挙後に「憲法改正」手続きに入ることを公約に掲げています。
しばらく大型国政選挙がない参院選後は「空白の3年間」と言われ、歴史の大転換が予想されます。
最高裁は6月17日、福島原発事故の被災者が損害賠償を求めた集団訴訟に対して「国は責任なし」の判決を出しました。本当にひどい判決です。年金も支払えない国が兵器でどう人の命を守るのか。5兆円あれば医療費や大学などの学費はすぐ無料にできます。
英で最大規模スト
今夏は「物価高騰の夏」とも言われています。ウクライナの穀物輸出がなければ、世界で飢餓や食糧暴動が起きるとも予想されています。ユニクロのフリースの千円値上げなどメイン商品の10~20%値上げが打ち出されています。食糧自給率28%、エネルギー自給率11%の日本では労働者の生活を直撃します。戦争と生活は一つの問題です。
インフレの一方で、労働者の賃金は上がっていません。世界を見ても日本の賃金はかなり低い水準です。賃金は誰かが「上げろ」と言わないかぎり、会社は上げません。
ある調査では、日本の低賃金の状況を日本企業の42%が「妥当」と答えていますが、「最低賃金を1500円に」は今や当たり前の要求です。
世界では賃上げが「時の声」になろうとしています。イギリスの鉄道労組(RMT)の4万人が6月21日、過去30年で最大規模の賃上げストライキを行いました。韓国のトラック労働者もストに立っています。
米国では、アマゾンやスタバに続き、グーグルやアップルなどプラットフォーマー(インターネットなどで市場そのものを提供・支配する超巨大企業)と真っ向から対決する労働組合が結成されています。「人生一度きり」が流行語となり「職場に労働組合を」が合言葉になっています。
日本でもアマゾンの配達ドライバーの労働組合が注目を集めています。ウーバーやコンビニなど個人事業主の「団体交渉に応じろ」という闘いが、これからの運動の基調の一つになる時代に入っています。ちば合同労組も、これまでの枠を超えて活動を拡大していきたいと考えています。
7月16、17日、労働運動の復権をめざす国鉄集会(動労千葉などが呼びかけ)への参加も訴えたい。(副委員長)
====================
労働学校へご参加を
テーマ 労働法制改悪―「働き方改革」との闘い
日時 7月23日(土)13時~講師 山本志都(弁護士)
ちば合同労組は組合として集団受講しています(受講料は組合負担)。JR東日本のあらゆる業務をかけ持ちする「業務融合化」が、いま多くの産業で吹き荒れている。この労働法制改悪攻撃といかに対決するか。
ちば合同労組ニュース 第144号 2022年7月1日発行より