技能実習制度に代わる育成就労制度とは?
家族帯同も転籍も容易ではない
看板掛け変えとの批判も
今年6月の法改定で、外国人労働者の「技能実習制度」に代わり「育成就労制度」が始まる(27年までに施行され完全移行は30年頃)。
技能実習制度は1993年に導入され、「技能実習」の在留資格で外国人労働者を導入した。〝労働者として実践的な技能・技術を習得するため〟との建前になっている。
現実には、低賃金労働力の確保のために制度が利用されてきた。パスポートや携帯電話の取り上げや外出の禁止、強制帰国、最低賃金法違反や長時間労働など不当な取り扱いも多い。
製造現場や建設現場などきつい仕事で労働力が不足し、実習生を低賃金で働かせている。ベトナムや中国、インドネシア、フィリピン、ミャンマー出身の実習生が多い。
ブローカーが暗躍し、大半の技能実習生が多額の借金を抱えてやってくる。百万円以上の借金を返済するためにセクハラやパワハラに耐えながら働かざるを得ないなど深刻な人権侵害が生じている。監理団体もブローカーと結託して不当なマージンを得るケースも後を絶たない。
育成就労制度は、建前を「国際貢献」から「人材確保」と「人材育成」に変えただけで構造的には技能実習制度となんら変わらない。監理団体も監理支援機関になるだけ。
家族と暮らすハードルは依然として高く、8年間も働かないと家族帯同が認められない。転籍も1年を超えなければできない。看板の掛け替えだけとの批判は強い。
地域の労働組合として、よく学び、外国人労働者の問題の取り組みを強化していきます。
ちば合同労組ニュース2024年12月号より