物流倉庫・運輸

「物流2024年問題」が焦点化

「物流2024年問題」が焦点化 関生のような産業別労組も必要  3月末に対応協議で政府閣僚会議が開催されるなど「物流2024年問題」が焦点化している。直接には24年に「働き方改革関連法」の労働時間規制がトラック運転手にも適用されることを指す。加えてネット通販の拡大などによる荷物の増加、慢性的な人手不足や高齢化で荷物の35%が運べなくなるとの試算もある。  19年から時間外労働の新たな規制が開始し、...
その他

配達員ケガ「指切断しても配達優先」

京都で配達員ケガ「指切断しても配達優先」  京都府舞鶴市の路上で指の一部が発見された事件。その後の捜査で60代の男性配達員が配達中に車のスライドドアに指を挟みケガをしたが、そのまま配達したことが分かった。それ以上の詳細な事情は分からないが、ネットでは「配達を優先してしまう精神状態は分かる」「配達員が指落としてでも病院に行けない理由はそこを埋める人手がいないから。配達が遅れれば大量の時間指定に遅れ客...
その他

ベトナム人元実習生の双子遺棄事件で無罪判決

自宅で死産した双子の遺体を段ボール箱に遺棄したとして死体遺棄罪に問われたベトナム人技能実習生に対し最高裁は3月24日、女性を有罪とした1、2審判決を破棄し、無罪とする判決を出した。  女性は技能実習生として熊本県内の農園で働いていた。収入の多くを故郷の家族に送金していた。来日から約2年後、交際相手との間に子どもができたことに気づく。しかし誰にも相談できなかった。妊娠や出産を理由に実習生が解雇されて...
本の紹介

書籍紹介 「使い捨てられる教師たち」(佐藤明彦著)

非正規教員の実態を暴く  1年ほど前の出版だが問題意識があり、手にした。  1年契約で雇用され正規教員とほぼ同じように働く非正規教員は全国に10万人以上おり、全体の2割に迫る。小学校では学級担任を務め、中高では部活動顧問も。生徒や保護者から見れば正規教員と何も変わらない。  著者は、非正規教員の増加こそが教員不足の最大要因と指摘する。問題の発端は小泉内閣が推進した三位一体改革で、公立学校を支える財...
連載・職場と労働法

雇用契約と労働条件通知書

実践的に考える職場と労働法 雇用契約と労働条件通知書 来年4月から契約時の労働条件明示  企業が労働者を雇う際、「雇用契約」を結ぶ。雇用契約は口頭でも成立しますが、賃金や労働時間、その他の労働条件を事前に明示する必要があります。労働条件のうち特定の事項は、労働基準法15条及び施行規則第5条の規定で明示が義務付けられています。  具体的には下記の13項目となります。 ①労働契約の期間 ②就業場所及び...
その他

非正規春闘など全国でストや行動

春闘の新しい波  今年2~3月は、「労働組合」のワードが物価高騰などで例年なく注目された。  とはいえ新聞には「23春闘―満額回答」の文字が踊るが、実際の賃上げは一部の大企業だけで大半の労働者には恩恵がない。そもそも大手労組の要求自体が物価上昇に見合わない少額の要求だ。  労働組合の中央組織である連合の芳野会長は、自民党や官邸の方ばかり見て、非正規労働者の賃金底上げには関心を持っていない。多くの労...
労働映画

映画紹介『事件記者』

NHKのテレビドラマ(1958年~66年)の映画化第1弾。警視庁詰めの新聞記者が所属する「警視庁桜田クラブ」を舞台に特ダネを狙う事件記者を描く。「事件記者」の単語はこのテレビドラマで定着したらしい。  警視庁の記者クラブには各社から腕利きの記者が派遣されている。映画は2人の新人記者の配属シーンから始まる。その日、品川駅で新宿のヤクザの親分が撃たれる。新宿と六本木の縄張り争いか!? だが重傷を負った...
その他

労働から考えるスシロー事件

いま、回転寿司チェーン店での客によるいわゆる「迷惑行為」が多発し、後が絶えません。その発端となった、湯呑や醤油などをなめまわす高校生の動画がSNSで炎上する事件(「スシロー・ペロペロ事件」)です。彼は社会的批判を浴び、高校を中退。会社から多額の損害賠償請求が予測されています。もちろん、面白がって投稿する若者の行為は間違っています。しかし、この寿司文化を壊したのは、大手外食チェーン会社です。そして、...
組合活動

労働組合ここにあり! 2・4春闘集会が成功

労働組合ここにあり! 2・4春闘集会が成功 初めての春闘集会  ちば合同労働組合は2月4日、春闘集会を開催しました(写真)。組合として春闘集会の単独開催は初めての試みでしたが、組合員をはじめ県内から約50人の仲間が集まりました。それぞれから生きた労働運動の具体的な報告が出され、お互いの取り組みを励まし合うような、エネルギーあふれる集会でした。 各職場の取り組み  冒頭に、執行部から今春闘の状況と時...
制度・政策

労災認定に事業者の異議申し立て権/労災制度の根幹破壊する重大問題

実践的に考える職場と労働法 労災認定に事業者の異議申し立て権 労災保険制度の根幹を破壊する重大な問題  一般財団法人「あんしん財団」が職員に対する労災支給処分の取り消しを求めた裁判で東京高裁が同法人の原告適格を認め、審理を東京地裁に差し戻した。  この裁判は、職種変更や遠隔地への異動命令、過大なノルマから精神疾患となった2人の女性労働者の労災認定について、法人が「虚偽に基づく労災認定だ」と主張して...
組合活動

ウクライナ戦争1年 世界で即時停戦の声を

ウクライナ戦争1年 武器輸送に反対し積み込み拒否を闘うイタリアの港湾労働者 これ以上 人を殺すな! 世界で即時停戦の声を 既に8年超の戦争  昨年2月24日のロシア軍によるウクライナ侵攻から1年が経過しました。両軍の死者はすでに20万人超。TVや新聞で特集が組まれ、あらためて戦争の過酷さが世界に発信されました。  印象に残ったのが報道ステーションの現地取材。「戦争はこの1年で始まったことではない。...
労働映画

映画紹介『怒りの葡萄』

映画紹介『怒りの葡萄』  スタインベックの小説を映画化。舞台は世界大恐慌後の30年代末の米国。大規模な資本集約型農業が拡大し、米中西部で深刻化したダストボウル(開墾で発生した砂嵐)で耕作が不可能となり流民化する農民が続出、社会問題となっていた。本作は、さらなる機械化を進める資本家と土地を追われカリフォルニアに移っていった貧農たちとの闘争を材料に故郷オクラホマ州を追われたジョード一家を描く。  トム...
その他

回転寿司 労働から考えるスシロー事件

回転寿司 労働から考えるスシロー事件 低価格武器に10年で市場規模1・6倍に  いま回転寿司チェーン店で客による「迷惑行為」の多発が問題になっています。一連の騒動の発端となったのが、湯呑みや醤油差しなどを舐め回す高校生の動画がSNSで炎上した事件(「スシローペロペロ事件」)です。  当該の高校生は強い社会的批判を浴び、学校も中退に追い込まれ、多額の損害賠償請求も予測される。確かに面白がって投稿した...
物流倉庫・運輸

大幅賃上げ・分断打破の春闘を

大幅賃上げ・分断打破の春闘を 労働者は生きるために団結しよう 40年ぶりにインフレと春闘が社会の焦点に  ちば合同労組では今年、本格的に春闘を取り組むことを決めました。30歳代以下の若い人は〝春闘〟のイメージがないかもしれません。春闘の歴史などを簡単に振り返り、少し考えたいと思います。  百科事典を引くと〈春季賃上げ闘争の略。企業別労働組合の賃金闘争を春季に合わせ、産業別労働組合組織ごとに要求額や...
制度・政策

会計年度任用職員3年雇止め問題 雇い止め中止し、再任用を!

実践的に考える職場と労働法 会計年度任用職員3年雇止め問題 総務省解釈で全国で数十万人が雇止め対象  国や地方自治体で働く非正規公務員の多くが年度末となる3月に雇止めとなる恐れが強まっている。  2020年4月から始まった会計年度任用職員制度について、総務省が任用(雇用)契約の更新を2回までとする方針を示したため、制度スタートから丸3年となる今年3月末を前に職員の公募試験を実施するため、すでに2回...
組合活動

1月労働学校「戦争のない社会は可能か?」

〝労働者の協力なしに戦争はできない〟 世界中で大軍拡と戦争の危機――1月労働学校より  「2023年は新しい戦前になるかもしれない」――これは昨年末のテレビ番組「徹子の部屋」でのタモリさんの言葉です。  岸田政権が勝手に閣議決定した敵基地攻撃能力の保有や防衛予算の倍増でこの国のカタチが一気に変わろうとしています。子育て予算をはじめ社会保障費が削減され、一気に大増税や国債発行など国家予算を崩壊させる...