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本の紹介『君の心が戦争を起こす』

十代の頃に読んだ『君の心が戦争を起こす』という本を四半世紀ぶりに図書館で借りてみた。

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著者は羽仁五郎。歴史家で戦争中に逮捕されて敗戦を警視庁の留置場で迎え、治安維持法の廃止で釈放になった人だ。野生動物のドキュメンタリーで有名な映画監督の羽仁進の父親と言った方が通りが良いかも。ちなみに「羽仁進の愛情いっぱい動物記」は素晴らしい絵本です。

冒頭の書き出しはこんな書き出しから始まる。

〈今、世界は、そして日本は、一歩ずつ戦争の方向に向かって進んでいると思われる。誰もがそれを望んでいないので、誰もがそれに手を貸している。そんな不思議な構造の時代になっている〉
〈この本では、戦争が起こる理由、人びとが戦争を望むようにしむけられる仕組み……戦争を起こす犯人の正体と、戦争を防ぐ方法についてなど、ぼくが80年余りの生涯をかけて研究してきたことの成果を書き尽くした〉
初版は1982年でもう30年以上前の本だが2015年のことが書かれている感覚に。心に刺さる。

けっこう内容の濃い本なので目次ぐらいしか紹介できないが「今は平和でハッピーな世の中か」「戦争に向かう君の心の構造」「子どもが子どもでなくなるとき」「もっと軍備をのナンセンス」「戦争の条件はすべてそろった」

n0058_04_02 4月に安倍首相が訪米し、日米防衛協力の指針を改定した。昨年7月の集団的自衛権の閣議決定に基づき、自衛隊の武力行使を前提に日米の軍事同盟を改定したもの。さらに5月中旬には安保関連法案十数本を国会に提出するとのことです。

その柱が武力攻撃事態法の改定です。〝存立事態〟という新たな概念を導入し、国会承認や国連決議もなく全世界に自衛隊を派兵し、米軍以外の軍隊への支援ができるようになる。日本の存立が脅かされる危険があると判断すれば自衛の措置として武力行使が現行憲法のもとでも許容されるという考え方です。

まさしく羽仁が指摘する「イヤだが戦争も仕方ない」の論理です。
戦争に向かう人の心の構造と動きに切り込む『君の心が戦争を起こす」。若い人にお薦めです。(T)

ちば合同労組ニュース 第58号(2015年5月5日発行)より