米ミサイル艦入港に対し全港湾がストライキ
米ミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」が3月11日、石垣港に入港・上陸した。沖縄県内の民間港に米軍のミサイル駆逐艦が入港するのは初めて。
全日本港湾労働組合(全港湾)沖縄県地方本部は、労働者の安全確保などを求めて石垣港でストライキを決行した。組合は「われわれの職場が軍事利用されることを懸念している」と訴えた。
石垣島は、県庁所在地の那覇市からは410㌔離れ、他方で台湾とは約250㌔の距離。いわゆる「釣魚群島(尖閣諸島)」は150㌔先に位置する。石垣港は日本最南端の重要港湾にも指定されている。
石垣島にはもともと自衛隊は配備されていなかったが、自衛隊の増強(南西シフト)に伴い、駐屯地が開設され570人が配備された。
今回のストライキは石垣島の物流に大きな影響を与えた。港湾の荷役作業がストップして物流が止まり、市内スーパーでは乳製品などが品薄となった。離島であり港湾労働者のストの影響力は確かに大きく、これをめぐって鋭い議論が展開された。
日本政府は、安保3文書の改定以降、軍事利用目的に空港や港湾などの公共インフラの改修や整備を始めている。石垣港も「特定重要拠点空港・港湾」の候補に上がっている。先取りも含めて米軍や自衛隊が軍事利用を積極的に進めているのは明らか。常態化の懸念が高まっている。
ちば合同労組ニュース 第165号 2024年04月1日発行より