組合ニュースNo.54(2015/01/01)

広報

ちば合同労組ニュース 第54号

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労働組合が意味を持つ時代

p0054_01_01a 12月の衆院選で、動労千葉の顧問弁護士である鈴木達夫さんが東京・杉並区から立候補し、約1万7千票を獲得しました。
数多くの労働裁判を手がける鈴木弁護士は労働運動の復権を選挙で訴えました。
「この社会を動かしているのは労働者。その労働者が主人公の社会をつくろう」「新たな労働者の党を」
自民党政権は、経団連や業界団体など財界の力を背景にして戦後日本を支配してきました。これに対して社会党・総評ブロックは、労働組合の力をバックに自民党・財界に対抗してきましたが、1980年代の国鉄分割・民営化による労働組合の後退と変質で、そうした労組も野党もいまやほぼ存在しない状況です。
しかし、会社や経営者の力の源はどこにあるのか。それは労働者が働くことにしかありません。会社の利潤は労働者が働く以外に生じない。だから労働者の団結こそが企業や資本家に対抗しうる物質力となるのです。
年金や医療など社会保障制度が次々に破壊され、弱肉強食むき出しの新自由主義が吹き荒れる中で、労働者がもう生きられない時代に来た。
今まで見えなくさせられていた、あるいは見ないようにしてきた「世の中の真実」が誰の目にもはっきり見えるようになり、少しずつだが労働組合の存在が社会の中で注目を集め、見直されるきざしを感じます。
動労千葉は、国鉄分割・民営化に反対して1100人の組合員が2波のストを行い、その後四半世紀、闘いを継続してきました。労働運動の旗を守ってきたことが大きな意味を持つ時代が来ているのではないか。そう感じています。
昨年は、「地方自治体消滅」という報告が話題となりました。千葉県でも今後十数年で財政破綻や人口減で自治体が維持できなくなる市町村が多数予測されています。
労働組合こそが幅広い人びとの「紐帯」「連帯」「団結」の土台になるべき時が来ています。社会保障制度の解体やローカル線廃止、自治体消滅、改憲や戦争など、労働組合の課題は大きいと思います。
ちば合同労働組合は、介護分野での組織化を進めたいと議論しています。2000年に施行された介護保険制度そのものに反対する立場を現場で働く労働者の言葉で明らかにすることが課題です。
2015年を飛躍の年にして行きましょう。

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ハロワは職を得られる仕組みつくれ

長年、派遣で働いてきたA組合員による派遣やブラック企業の実態についての連載です(第2回)。

今日の午前、ハローワークに行った。求人検索用のパソコンは50台近くあるのだが、利用者はわずか4~5人。『タウンワーク』などの民間の求人誌などで求職活動する人が多い。
どうしてなのか。みんなが念頭に浮かぶようなチェーン店などはあまりハローワークの求人には出てこないし、ブラック体質の企業は、いろいろ詮索されたりするのを嫌がってハローワークに出すのは敬遠しがちだ。
ハローワークの求人はいつも同じものがグルグル回っている印象だ。
もう一つは、ハローワークは、専門性を要求する求人が多い。多くの人にはハードルが高い。専門職的な求人は、履歴書などで学歴や職歴を問われる。しかし、当然のことだが、求職者で最初からエキスパートの人は多くない。
ハローワークでは工業高校・専門学校卒を希望する求人が多く、自分のような普通高校を卒業した者はそういう仕事からは排除されてしまう。
それで民間求人誌を頼る人が多くなる。求職者でハロワには行かないという人は多い。結果的には、ハローワークのそういう現状が民間求人誌を経由してブラック企業がのさばる状況を生み出している。
そもそも昔は、ハローワーク以外には職業紹介はできなかったのである。
以前、携帯ショップの求人がハローワークに出ていた。しかし、しだいにブラック化していくと、ハローワークには求人を出さなくなる。代わりに『FromA』などリクルート社系の求人誌で毎週募集するようになる。
どんどん募集して、どんどん労働者は入ってくる。同じくらい大量に辞めていく。いわゆる〈大量入社・大量退職〉のブラック企業の典型である。
前号に書いた光通信グループの営業職だったような人間が携帯ショップの会社をつくってブラック化している。
docomoやAUの経営者たちは、携帯ショップでどんなひどい労働環境が生まれているのかは、知らん顔なのだ。以前、自分がクビになったとき、docomoに問い合わせたが無視されたことがある。
ハローワークが正社員を求めているような人がちゃんと職を得られるような仕組みをちゃんとつくって欲しい。
(次回に続く)

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資本主義の限界を生きぬくため労働組合を労働者の選択肢に

「普通選挙は、3年ないし6年に一度、支配階級のどの成員が人民を代表し、かつ踏みにじるかを決定するものにすぎない」(マルクス)。
「大義なき選挙」と言われた今冬の衆議院解散総選挙では、自民党は300議席ちかい議席を取るも、投票率は50%代と過去最低。5人に1人も自民党には投票してはいない。
労働者大衆は、このマルクスの言うように選挙制度そのものに「NO!」の表明を行った。選挙という資本主義、民主主義制度のシステムそのものが劣化し、崩壊している。
特に若い世代は、資本主義の限界を肌身に感じている。杉並から立候補した動労千葉顧問弁護士の鈴木達夫さんのシンプルでストレートな主張が、1万7千票を集めたことがそれをヴィヴィッドに示す一端と なった。

一方、安倍政権の2年間で格差が急速に広がり、実質賃金は低下し、貧困が蔓延したことが明らかになった。選挙中、過酷な労働現場の実態が報道された。
14年キーワードは「税」。消費増税で労働者だけではなく中小零細の企業にも重くのしかかった年だった。
「生涯派遣」「正社員ゼロ」「残業代ゼロ」…労働力商品化の極限化が進み、非正規雇用がついに2千万人を超えた。総ブラック社会の中でいかに生きるのかが話題となった。

書店で『21世紀の資本』(トマ・ピケティ著)という本が平積みになっている。格差の拡大を膨大なデータで実証し、世界で数十万部の売り上げたピケティ本で、あらためてマルクス『資本論』が脚光を浴びている。
マルクス主義とは、一言で言えば労働者の思想だ。過酷な労働の現実、格差や貧富の拡大は、労働者側の思想や価値観の登場の欲求を生み出している。
だが、資本主義の崩壊の現実性を前に、資本や国家の側は、「戦争」という方向に進む。2015年は、戦争の方向に行くのか、社会変革へ進むのかが問われる年になる。
従来の仕組みが機能しない時代、新たな労働者の価値観を示しつつ闘う方向をつくり出していこう。
孤立と競争ではなく 、連帯と団結をとりもどしていこう。労働組合が労働者の未来を示す選択肢となるように。(組合員K)

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連載・介護労働の現場から 〈20〉

独り労組

私が腰痛で休んだのは一日だけで労災は医療費に対して支払われた。
排せつや入浴、移乗などの身体介護ができなくなり、料理や掃除、洗濯、レクレーションなどの仕事に専従した。他のスタッフは私の分まできつい身体介護をこなしてくれた。
私が「悪いね」と言うと、「あらかんさんのおかげで、定時に帰れるようになったし、休憩取れるようになったし、健康保険や厚生年金はいれたし、感謝しているよ」という。有り難かった。
「労組委員長」というニックネームがついた。みんなが労働条件のことで私に相談してくるからだ。
なぜ、直接、責任者に言わないのか? 経営者に睨まれる、やめさせられるのがこわい…と言う人もいた。だったら、みんなで言えばいいのに。
いままで労働組合には縁がなく、労働者で連帯することより、労働者間で足の引っ張り合いをし、いじめられるという職場を経験してきた人が多かった。
不満なことは会社に言って改善しようとしないで、会社を去る。介護の世界は、数日、数か月でやめてしまう人が多い。
そうして渡り鳥みたいに横断的に職場を転々とする。介護業界は慢性人手不足で、次の職場はすぐに見つかるからだ。
あと、連帯をこばむのは、24時間変動シフト制、組む人が毎日入れ替わりで、しかも超過密勤務。労働者同士、休憩時間や勤務後にグチをこぼす時間も体力もない。新人が入ってもシフトが合わず、何か月も紹介されないうちに退職しちゃったなんて、日常茶飯事。
同じ職場でも、それぞれが別々に契約している個人事業主のようなもので、分断され仲間意識もないので、経営者に思うように支配される。労働時間、社会保険、有給休暇などの当然の権利までも主張しなければ、経営者は無視する。
今時、タイムカードは手書き、毎日、定時時間を記入させ、しかも給与計算をまちがっている。それでもみんなはこわくて「(支給額は)少ないよ」と言えない。
私は、ゼロから一つずつ権利を獲得していった。責任者に言い、それで改善がなければ本社に電話をかけた。よりどころは「労働基準法」。そして、シフトが合ったスタッフには「健康保険入れるよ」「有給取れるよ」と言いふらした。
それで、みんなが恐る恐る「あらかんさんが言ってましたけど…」と責任者に申し出るのだ。言えない人は私が代わりに言う。
なんて、手間のかかる。でも、そうやって職場の労働条件が確立すれば、みんなの表情が明るくなり、仲間意識ができる。スタッフが安定していれば、利用者に質の高い介護を提供することができる。労働組合がないのなら、独り労組でもいいか。(あらかん)

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【編集後記】

p0054_01_04bウクライナやイラクなど世界中で大恐慌と戦争が現実化しています。アベノミクスで景気が回復することはあり得ません。破局が迫っています。安倍政権は、集団的自衛権の閣議決定や秘密保護法の制定を強行しましたが、2015年、安倍政権は改憲と戦争に向かって突進することは明らかです。激動の時代です。労働組合の存在と闘いが本当に問われています。2015年、ちば合同労組も大いに闘いましょう。(委員長)

20代の6割が戦争体験談を聞たことがないとニュースになっていました。それでも4割が祖父母や両親から戦争体験を聞いています。先日亡くなった俳優の菅原文太さんが「政治の役割は、国民を飢えさせないこと、絶対に戦争をしないこと」と言っていたのをテレビで見ました。同感です。安倍首相は総選挙後、憲法改正を目指すと公然と述べています。戦争反対を声に出したい今日この頃です。(S)

安倍政権は来年の通常国会で再度、派遣法改悪案を提出すると思われます。派遣法に関しては2015年10月に「労働契約申込みみなし制度」が始まります。これは、違法であることを知りながら派遣労働者を受け入れていた場合、派遣先の企業が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなす制度です。派遣の制限期間の3年を超えて派遣された労働者を直接雇用させる闘いが予想されます。そういうこともあって、来年通常国会で派遣法の改悪をストップさせる闘いは最重要課題です。ちば合同労組は派遣法改悪反対で来年もがんばります。(T)