官製ワーキングプアの現状

官製ワーキングプアの現状

官製ワーキングプアの現状  ~山本弁護士の学習会に参加して~

自治体職場の状況について何回かレポートしたいと思います。組合の3倍化に向かって自治体職場の非正規職の労働者や委託されている民間会社の現状をぜひ知ってほしいと思います。

この最近、自治体現場では職場環境の悪化がものすごく進んでいます。大阪市の橋下市長による「分限免職」(民間でいう整理解雇のことです)の攻撃や、3・11大震災の被災地である仙台市役所のアンケートでは「職員の9割がストレス自覚、5割超に抑うつの疑い」(2012年4月5日付の河北新報)という結果が出ています。鳴り物入りの「復興特区」の中で、「悲しむ暇もない」ほどの業務の多忙によるものです。朝日新聞でも公務員のメンタルヘルスが連続で取り上げられています。
その背景には、約360万人といわれる地方公務員のうち、約3割70万人が非正規の公務員で、それ以外の民間委託の労働者をふくめれば膨大な公共サービスで働く労働者が存在していることになります。「官製ワーキングプア」と呼ばれている仲間たちは「法の谷間」に置かれ、万が一の時は、どの法律によって雇い止めされたのかを確認することから始めないといけないのです。まずは、このことを知ってほしいと思います。

東京で2月21日、非正規公務員についての学習会が行われました。ちば合同労組もお世話になっている山本志都弁護士が自治体職場の現状を2つとりあげて話をしました。
一つは、埼玉県M町で、女性の臨時職員が実名での「セクハラ投書」を理由に雇い止めになった事件です。労働審判で解雇撤回したのちに「和解」となりました。
もう一つが「武蔵野市臨時職員解雇事件」。保険のレセプト処理の労働者が1年ごとの契約更新で21年目に更新されずに雇い止めされたケースです。公務員の人事は「任用」といって、江戸時代の「おぼし召し」のような扱いになっていて(エーッ!)、労基法上の「解雇権濫用法理」が適用されないのです。

判決では、「再任用の義務付け請求」は却下されたものの、期待権侵害は認定して、損害賠償が支払われました(一部勝訴)。
山本弁護士は、ネックは「期間満了通知」で、いくらこちらに正当性があっても、最後は「解雇ではない」でおしきられてしまうとのこと。正規職や非正規職を横断するつながりと、労働組合が決定的に重要であることを訴えられました。

「非正規職撤廃」の重要性

全国の自治体労働者を組織している自治労の中央本部は、民間委託反対の闘いが大きく後退していく中で、非正規や公共サービスの組織化に力を入れ始めています。また、連合から独立系まであらゆる地域ユニオンが、公共サービスの労働者の組織化にのりだしていて、この産別は「戦国時代」とも言えると思います。

しかし、多くの場合、「非正規の労働条件の改善」にとどまり、民営化や外注化、非正規雇用化の根本に迫るものにはなかなかなっていません。
また、雇い止めが発生する根本である「競争入札制度」の撤廃は、自治体における外注化や非正規雇用化との闘いとして、合同労組としても重要な分野であることを訴えたいと思います。

次回は、「五輪解雇撤回闘争」「動物愛護指導員雇い止め撤回」の、ちば合同労組が取り組んだ、柏市役所での2つの争議から考えてみたいと思います。(質問や、意見を募集します)(W)