船橋・習志野・八千代・鎌ケ谷市で構成する四市複合事務組合が、密室での審議のうちに、社会福祉法人・千歳会に移譲する計画が発表されました。(9月13日付「東京新聞」)分限免職も含めた民営化ありきの方針は認められないと、組合の方々は訴えています。これは千葉県の公的介護・福祉における重大な労働問題です。私たちも、公的福祉を守るためにともに闘います!
船橋など4市組合運営の特養 移譲先の民間法人選定 労組反発「公設公営の良さ検討せず」
船橋、習志野、八千代、鎌ケ谷市で構成する「四市複合事務組合」は12日、運営する千葉県内唯一の公設公営の特別養護老人ホーム「三山(みやま)園」(船橋市三山)の移譲先として、社会福祉法人千歳会(千葉市稲毛区)を選定したとホームページで公表した。来年4月から新法人での運営を目指している。民間法人への移譲計画を巡っては、園の労働組合が反発している。
事務組合は、三山園の赤字の常態化や施設の老朽化などのため「あり方検討審議会」を設置。2023年4月の答申で「公設公営施設で開設された当初の役割は達成された」として、社会福祉法人への移譲を打ち出した。同年11月策定の「今後のあり方に関する基本方針」でも、現サービスや希望する利用者、職員の継続方針を盛った。有識者や4市の部長らでつくる委員会が移譲先法人の選定を進め、3法人から応募があったものの、うち2法人が辞退し、千歳会に決まったという。
一方、園労組は「公設公営の良さを検討せず、民営化ありきで進んできた」などと反発。公務員である職員が移譲先法人へ移らない場合、解雇に当たる「分限免職」が示されたことにも反対している。
労組は事務組合に申し入れ書を提出するなどして「民営化反対」を訴えてきた。移譲先法人の選定に、白井徹哉書記長は「組合員からは『私たちの意見が全く反映されておらず、落胆している』『分限免職は納得がいかない』などの声が出ている」と話す。
三山園は1972年に開設され、介護が必要な高齢者向け100床、ショートステイ20床、認知症対応型デイサービス(定員12人)を備えている。特養ホームは自治体が設立する例が多かったが、介護保険制度の導入などで全国的に民間事業者が次々と参入。県内に524施設(昨年11月時点)ある特養ホームで、公設公営は現在、三山園のみとなっている。