復帰46年の沖縄 琉球新報労組の組合員記者が講演
〈見て 聞いて 感じる〉が必要
「復帰」46年目の5月、沖縄現地に行ってきました。
今回、一番印象に残ったのは、青年労働者集会での琉球新報労組記者の方の講演です。辺野古や高江の基地建設の現場の最前線で取材し、機動隊に一時拘束された経験もあるという若手記者です。
現場にこそ真実
冒頭、「沖縄でご自身の目と耳で聞いたこと、感じたことを本土で広めて欲しい」と強調します。
いま、沖縄で事故・事故や基地反対集会があると、すぐさまネットでウソや誹謗中傷の情報が拡散されるそうだ。
「基地で金をもらっている」「辺野古のゲート前の座り込みはほとんどが県外」など、ほとんどが現地を知らない本土からの書き込みだ。
ヘリの部品が落下した小学校や幼稚園に対しても、心ない嫌がらせがある。
「現場にこそ真実がある」――現場と乖離した事実が歪められてすごいスピードで伝えられていることに、焦りといら立ちの様子をにじませていました。
改憲・戦争の実態
国家の総力をあげた「金と暴力」で、ヘリパッド基地建設が強行された沖縄県北部の高江。
高江を中心に沖縄の北部全体がオスプレイの基地となり、5年間で騒音が12倍になったり、ヘリが墜落したり、静かな暮らしが一変した。
辺野古でも今夏には土砂が投入される。宮古島や石垣島などの離島も自衛隊ミサイル基地が建設されている。
基地による被害はこれから本格的に始まる。まさに一つの「戦争」だ。
「改憲」と一言で言っても、戦争の実態は沖縄にある。戦争は憲法条文を変えれば起きるわけではない。戦争が近づいているからこそ「見て、聞いて、感じる」が必要だと痛感する。
闘いの最前線
最後に、講演を次の言葉で締めくくりました。
「私たちは琉球新報の記者として、普通に生きる人の幸せな暮らしを奪うのを許してはならない。だからそれを奪うものとは闘わないといけない。それが私たちの記者としての信念」
「われわれ琉球新報労組は強い。労働者が会社にモノを言えなくて、どうして国や権力にモノを言えるのか?」(交流会での言葉)
「沖縄地元2紙をつぶせ」という国家をあげた圧力のなかで、沖縄の民衆とともに毅然と立ち向かう報道労働者の姿にとても感動した。
(組合員K)
ちば合同労組ニュース 第95号 2017年06月1日発行より