連載・介護労働の現場から 〈26〉 相談窓口

介護労働の現場から

連載・介護労働の現場から 〈26〉

相談窓口

会社都合で解雇できないとなると雇用関係の助成金なのだろう。
介護事業は、国から介護保険サービス指定業者として許可を受けている。

私が会社都合で退職して何らかの是正勧告とかを受けると、絶対まずい、そういう危機感を社長がもっている。労組をつくり解雇撤回闘争をやった挙句、施設をつぶすという選択肢もあるなと、ちらっとアタマをかすめた。
でも、そんな弱みをぽろっと言ってしまう甘ちゃん社長にそれほど憎しみはない。これまで、直訴すれば、数々の労働条件を飲んでくれた。労務整備が不備なままフランチャイズを始めてしまったのだ。働いている労働者がどんな気持ちなのかも教えてあげなきゃと思った。

「ケガで仕事ができないから即クビ、管理者は自分のことしか考えていない。私の立場からいえば、ケガしてるだけでもつらいのに、働けないから給料入らない、病院代はかかる…、三重苦ですよ」
「それに、自己都合で退職届を書いたとしても、その本当の理由がケガだと、その退職届は無効です。解雇理由がケガや病気というのはありえません」
法的に無効かどうかわからなかったが、人権の立場から判断すれば、無効だ。
社長との話し合いは平行線に終わり、家に帰って労働基準監督署とか、県の労働相談窓口に電話相談をした。どちらも混み合っていて長く待たされた挙句、答えは「それは退職勧奨にすぎないので辞めなきゃいいんです」だけだ。
もう辞めたいから、会社都合にする方法や法的根拠を教えてくれと言ったのに、専門家は紋切り型の返事しかしない。

辞めないで、このままケガのまま出社しても、会社休んでも、代わりの人が働いていて、管理者に追い返される。追い返されたら、施設に向かってハンドマイクで解雇撤回運動…、いや、自宅近くでそんなことやって、近所中に知れ渡りウワサの種になる。
リスクを考えたら、時間とカネの無駄だ。社労士、弁護士とか労組とかの連中も合理的な解決にはならないと思った。
n0060_03_01a 生活防衛上の損得からいえば、退職日までは有給支給と傷病手当金が給料の代わりになる。退職日からすぐ雇用保険が支給されれば困ることがない。
相談するのは労組なんかではなくハローワークだと思った。受給適用課に行った。窓口はお笑い芸人風だったが、すぐこちらの立場を理解してくれて、「ケガしてクビにするなんてひどい会社だ。ケガ退職は〈特定理由退職〉と言って、雇用保険の待機期間はありません。会社都合と同じ扱いです」ときっぱり。いいね、労基署より頼りになる。
「でも、受給するためには雇用期間が足りません。」
そんなはずはない。
(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第60号 (2015年7月1日発行)より