連載・介護労働の現場から〈最新スペシャルレポート⑤〉

短期退職者への報復

◎辞めよう

 入社して本社研修後、施設に配属され、5日目でもう耐えきれなくなった。お年寄りをモノ扱いし、介護してやっていると上から目線で接し、弱みにつけこみ、食い物にする。そんなのは、介護ではない。
 高い時給の正体は、(人手不足による)放置とぼったくり。
犯罪ではないか。こんな施設も存在するのだと思った。派遣職員たちは正社員への異動を勧められたのを断わり、月末で全員辞めるという。私も辞めよう。休日一日考えて、決意を固めた。
◎やり直し
 休日に電話で施設長に退職の旨を伝えると、その日に呼び出された。エリアマネジャーと施設長の二人で応接室で1時間半ほど説得されたが、論破し振り切るのはさほど難しくなく、翌日退職届を提出した。
 それから退職まで周りの雰囲気なんかほとんど無視し、自分がいいと思う介護を貫いた。早く新しい職場でやり直して精神的ダメージを回復したかったので就活も始め、届いた健康保険証で、病院の診察を受け、体調も整えた。

◎社会保険を取り消される

 月末に退職し、国民健康保険に切り替えるために健康保険の喪失証明を本社に依頼した。すると人事課の職員が「1か月以内に退社した場合は、社会保険関係は非加入になるので、元の国民健康保険を使ったことにしてもらってください」。
 それじゃあの健康保険証はなんなのかと訊ねると「あの健康保険証は加入を取り消します」という。使った後に? 所定勤務時間などの条件を満たし、たとえ一日でも勤務すれば、社会保険に加入できるはず。
 「その一か月ルールは、国の法律に反する」と言ったが、「会社のルールです」と言い張るので年金事務所に訴える。会社は、年金事務所からの問い合わせに対し、年金事務所は会社のルールに介入しないでほしい旨を言ったそうだ。
 話にならない。社会保険加入の取り消しをして会社になんの得があるのだろうか。会社負担の健康保険料や厚生年金料の節約? なんて会社だ。
 私は、すでに以前の国民健康保険は喪失しており、会社の健康保険は加入資格取り消しで無保険状態になった。さらに使った医療費は保険適用ではなくなるので、7割の追加徴収を求められる。会社の担当者は「10割払えばいいんです」。市の国保課は「年金事務所から社会保険加入取消決定書をもらってくるまでは、国民健康保険証は発行できない」。そうか!社会保険取り消しは短期退職者に対する嫌がらせ、報復が目的なのか。
 年金事務所が、会社の社会保険事務を委託されている社労士を突き止めた。社労士は「(筆者が)採用されず、勤務実態もないというのが会社からの加入取り消しの理由」と答えたそうだ。私は採用もされず、勤務実績もない?
 今度は、私が報復する番だ。泣き寝入りするキャラではない。
(続く)

ちば合同労組ニュース 第92号 2018年03月1日発行より