非正規教員学習会 〝臨任教員は労働者使い捨て制度だ〟

公務員・教育
臨時的任用教員Sさんの正規教員としての地位確認を求める裁判を支える会で学習会
〝臨任教員は労働者使い捨て制度だ〟
 船橋市内で6月13日、県立高校で臨時的任用教員として勤務していたSさんの正規教員としての地位確認を求める裁判に向けた学習会が、当該のSさんを含めて8人の参加で行われました。Sさんの人となりを知るとともに裁判の焦点や課題を話し合う場となりました。
 議論では、Sさんの任用形態である〈常勤の臨時的任用講師〉について質疑や感想が集中しました。昔は、出産・育児や病気の教員の一時的な代替のイメージで、しばらく続ければ正規教員への登用が開かれていたそうです。
 ところが現在は、担任や部活、職員会議への出席など正規教員とほぼ同じ業務を行っているにも関わらず身分だけ非常勤の扱いなのです。この点についてSさんは「一段低い扱いをして、後になってから不利益な労働条件を伝えてくる」と厳しく弾劾しています。具体的な実態を聞いて参加者は驚きました。
 3月28日に内定⁉
 当初、Sさんの採用に当たって千葉県教育委員会は3月28日になってから連絡をしており、「新学期から働いてほしい。千葉県内へ通える範囲に引っ越すことが採用の条件」と伝えてきました。
 その後、Sさんは忙しい中で住宅ローンを組んで自宅を購入して転居しましたが、一向に身分は非常勤職のままで最後は雇い止めになってしまいました。
 正規教員を計画的に採用しないことで発生する「教員不足」の穴埋めにされているとしか思えません。臨時的任用教員という制度そのものが教員の使い捨てを合法化しているのです。世間では「先生が足りない」と言われているのに国は抜本的な解決をせずに、「いつでもクビを切れる存在」として教員の非正規雇用化を進めているのです。
ちば合同労組ニュース 第168号 2024年07月1日発行より