韓国 公共部門で無期限ゼネスト
成果主義と就業規則万能化に反対
(写真 公共運輸労組は9月27 日、15 の傘下組織6万2000 人が一斉に無期限全面ストライキに入った。鉄道労組2万人、健康保険公団1万1000 人、ソウル大病院2000 人、ガス労組3000 人、ソウル地下鉄6200 人、ソウル都市鉄道5700 人、釜山地下鉄3700 人など。鉄道と地下鉄が同時にストに入るのは12 年ぶり)
韓国では、パク政権による韓国版「働き方改革」ともいうべき動きに対し、約70万人の組合員を擁する労働組合の全国組織である民主労総(全国民主労働組合総連盟)がゼネストに入っています。
9月27日、公共運輸労組の無期限スト突入を皮切りに9月末から10月、各産別で次々とストが実施されます。
雇用と賃金制度に成果主義を導入し、しかもそれを就業規則の一方的変更によって労働者の同意なしに強行できるように画策しているのです。
ゼネストに対してパク政権は「国家安全保障の危機」「社会不安を扇動するストは違法」として弾圧に躍起ですが、従来は労資協調路線だった韓国労総(約80万人)をも動かし大闘争に発展しています。
闘いの中心部隊は公共運輸労組に所属する全国鉄道労組です。鉄道労組は2013年末に民営化と外注化に反対して23日間の大ストライキを闘いました。このストライキで民営化を支持する世論が一変し、ストライキへの共感を集めました。今回は、それを超える大きな闘争を構えています。
同じく公共運輸労組所属の医療保険労組は「公共医療をダメにする成果年俸制」の反対を掲げてのストです。
成果年俸制が導入されれば、原則的で良心的な治療をすれば金儲けができない低成果者と評価されます。質の悪い医療器具を使い、過剰な検査をすることが成果になります。病院では患者の治療のために共同で仕事をすることが当然必要です。しかし成果給は、同僚間の協力を妨げ職員を競争に追いやるものです。
病院の民営化政策そのものです。韓国の医療労働者は「病気の患者を対象に金もうけ競争をするのは嫌です。お金のない患者も安心して治療を受けられる真の公共病院を望みます」と訴えています。
11・6全国労働者集会には、韓国・民主労総の代表団約30人が来日・参加します。日韓の労働者が直面する課題は驚くほど一緒です。11・6集会で民主労総と連帯・交流しよう。そして現場からの闘いをつくることが何よりも国際連帯です。
ちば合同労組ニュース 第75号(2016年10月1日発行)より