4月から介護保険の改定-介護労働者も4月から変わろう

どんな改正か

kaigo_kurumaisu-sm今回の介護保険改正――中身は複雑できりがないが、主な改正点をごく簡単に。
①軽度は施設から在宅へ
介護認定が要支援1~2は介護保険ではなく市町村サービスに。特養には要介護3以上の重度の人しか入れない。
②利用料が2倍に
介護を受けた場合の利用料1割自己負担が2割に。対象は、年間所得160万円以上、年金なら280万円以上。
③介護報酬は軒並み削減
事業所に支払われる介護報酬は、特養は6%、小規模デイは9・8%、サ高住訪問10%など大幅削減。
④介護保険料は値上げ
介護保険は市町村単位。保険料負担減のはずが4月から値上げが多い。500円~千円値上げの自治体も。
今回の改正で、ますます施設が足りない、人手が足りない、利用料も介護保険料も値上げ。介護難民激増必死。もう事実上、介護保険制度は崩壊したも同然。「制度あって介護なし」としか思えない内容だ。

介護の現場では

去年の突然の総選挙の影響で、厚労省の改正日程が大幅に遅れ、4月改正の詳細は3月半ばの現在でもまだ未定の部分が多くある。
それでも、早々と施設の建設計画をストップしたり、今の事業の撤退を決めた事業所が今年に入り加速度的に増加している。
職員処遇改善も、ふたを開けてみれば、条件として人員配置率増加などのハードルが高すぎて、申請を見送る事業所が増える見込み。最近の景気回復で賃金微増の他業界に人材が流れてしまい、どこも募集をかけても応募が皆無。 人手不足のため、現場はすでにケアを「こなし介護」といわれる身体介護だけを流れ作業的にやるようになってきており、ケアの質は確実に低下している。質が堕ちると、虐待やネグレクトにつながっていく。
経費面でも食材費を極限にまで減らされて利用者が栄養失調になったり、調理職は、調理用具を買替えてくれないので、自前のフライパンや包丁をもって通勤する。そこまでやらなければ、小規模施設は維持できない。どこまで現場を追い詰めれば済むのか。
誰が介護するのか
結局のところ、とことん介護の仕事が見下されていると思う。「介護の社会化」「医療から介護」……、介護に金を使いたくないばかりに、最後は介護者にすべて押し付けて奴隷のように働いてもらおう、外国人に来てもらおうなんてふざけるな。
現場の労働はますますきつくなる。24時間、随時対応などという仕組みも作った。誰が介護をするのか。
介護は底辺労働、誰でもできるといわれて待遇が悪い。一度働いてみればよくわかるのだが、介護という仕事は医療や看護の下請ではない。
一言でいえば、介護は人間の生きる力を支えたり、取り戻すというすごいことができる仕事だ。現在、170万人の介護労働者たち、この「介護の力」を自分自身できちんと評価してほしい。
そのために、サービス残業、タダの休日出勤、その上有給も取れない……いいかげんにやめようよ。専門職はそんなことはやらない。
利用者の犠牲になることは美しくない。利用者より、まず自分の家族だ。夜勤で幼い子どもをひとりぼっちにしたり、高校生の子どもが進学できないような給料でどうして幸せになれる。
介護という仕事に誇りを持ち、人を増やしてもらい、給料アップさせようよ。現在170万人の介護労働者たち、続けていこうよ、この仕事。資格やキャリアアップ制度で給料増えるなんて嘘っぱちには乗らないで悩みを打ち明ける仲間をつくってみんなでがんばろうよ。
労働組合は必要だ。ストライキも必要だ。まず、一人ひとりが人間宣言すれば、介護は変わる。世の中変わる。四月から変わろう。組合に入って変わろう。(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第57号(2015年4月1日発行)より