ZOZOでユニオン立ち上げ

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ちば合同労組ニュース 第119号 2020年06月1日発行.PDF

千人規模の非正規労働者を使い巨額の資産

ZOZOでユニオン立ち上げ

雇い止め撤回を求め団体交渉・最寄り駅でチラシ配り

 ちば合同労組は5月、すでに数人の従業員が組合に加入していること、またA組合員が5月末で雇い止めの撤回を求めて株式会社ZOZOと団体交渉を行い、正式に労使関係ができたことなどを踏まえて、ZOZOユニオン(ZOZO分会)を立ち上げました。
 さっそく新習志野駅や幕張本郷駅で「ZOZOユニオン結成しました!」というチラシを配布しましたが、驚くほどの受け取り率で、問い合わせも多く手ごたえ十分です。「ZOZOは意外とブラック」「契約期間短縮の件は話題になっている」「組合作ってくれてありがとう」などの声が寄せられています。チラシ配りに手伝いで参加したちば合同労組の他の組合員からも「(チラシ配りで)ありがとうと言われた経験はない」との感想を述べています。
 株式会社ZOZOはファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営し、海浜幕張(千葉市)に本社を構え、習志野市茜浜に東京ドーム2個分の巨大倉庫を持ち、昨年秋には隣地に新倉庫をオープン、千人規模の労働者が倉庫業務に従事しています。法人は1998年に設立され、急成長した会社です。
 創業者である前澤前社長は巨額の資産を誇り、自家用ジェット機を乗り回し、有名絵画を数十億円で購入するなど豪奢な生活を送っています。昨年1月、「お年玉」と称して百人に各百万円を配り、さらに「月に行きたい」と発言したことから前澤前社長に批判が続出しました。
 前澤社長は批判をかわすために時給を1300円にアップ、3日で2千人の応募が殺到する事態となりました。近年問題になっている「人手不足問題」は、非正規労働者のあまりに低賃金・劣悪な労働条件が原因であることが社会的に明らかになりました。
 ZOZOの労働条件は、千葉県全体の非正規労働者に影響します。派遣労働者も含めてZOZOで働いたことのある労働者は膨大にいます。

労働者の倉庫作業がZOZO支える

 ZOZOTOWNは、多数のブランドがテナントとして出店するモール型のサイトで、ブランド横断的にネット上で購入できる仕組みが売りです。自分が気に入った複数のブランド洋服を一括で購入でき、「ツケ払い」もでき、若者の支持を得ています。
 これが他のアパレル通販サイトを圧倒するネット上の特徴だとすれば、ZOZOにはもう一つ重大な特徴があります。それは習志野市茜浜やつくば市などに超巨大な物流倉庫を有し、圧倒的な在庫(品揃え)を誇り、直ちに出荷できることです。つまりネット通販として独占的な集客力を持つだけでなく、それに対応してリアル世界では巨大物流倉庫に各ブランドの在庫を大量に受け入れ、各ブランドの
物流業務を一手に引き受けているのです。

 ZOZOTOWNは、通販サイトとしてその革新性・画期性はしばしば注目され、分析等もなされるが、もう一方、「労働の世界」の窓からみれば、数千人の非正規労働者が巨大物流倉庫の中で365日出荷作業させることで巨額の利潤を生みだすというビジネスモデルなのです。
 海浜幕張にあるZOZOTOWN本社の正社員はわずか数百人、残りは数千人規模で契約社員・アルバイト・派遣社員などの非正規労働者が倉庫作業に従事しています。ZOZOの巨額の利益は非正規労働者からの搾取なしには生まれないのだ。

適切な賃金・労働条件を実現しよう

 ちば合同労組はこの数年、京葉線沿線のアマゾンやZOZOなど倉庫業務で働く労働者を対象にチラシ配りや街頭アンケートなどに取り組んできました。アンケートでは「有給休暇が取れない」「夏に熱中症が心配」「派遣先で賃金が違う」「交通費が出ない」「賃金の支払いが不明瞭」などの意見が寄せられていました。
 「労働組合(ユニオン)を知っていますか?」という質問には「知らない」「わからない」という意見が半数を占め、「前の職場では労働組合があったけど何もしてくれなかった」「労働基準監督署とどう違うの?」という声を聞いていました。
 私たちは、あらためて労働組合の存在意義が問われていると感じてきました。私たちはZOZOユニオンをオーソドックスな労働組合(ユニオン)としてつくっていきたいと考えています。「ファッションに関わる仕事がしたい」「洋服が好き」という人も、あるいは生活のため「時給が高い職場を」という人も、いろんな人が適切な賃金、適切な労働条件で、仕事や自らに誇りをもって安心して働くことが状況に変えていきたいと思います。
 ZOZOで働く大半が契約社員やアルバイト、派遣社員なので安定した雇用を目指すことが当面の目標です。
 労働契約法には、5年以上働けば期間の定めのない雇用とする「無期転換権」が規定されています。この権利を行使すれば雇い止めの心配がなくなります。ZOZOで権利行使した人はわずかのようなのでユニオンとして無期転換を積極的にサポートしていきます。
 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ネット通販のZOZOは業務量が拡大しているようですが、それでも6月から一方的に契約期間が3か月に短縮するとのメールが一斉送信されました。契約期間の短縮は重大な労働条件の変更であり、労働者の個別同意等が必要です。メールで一方的に短縮することはきわめて乱暴と言わざるをえません。
 希望者は基本的に正社員化させることが大きな目標にはなりますが、可能な限りの雇用の安定化を目指す観点から、なるべく長い契約期間、少なくとも契約期間は1年以上にはさせたいと思っています。当面、3か月への短縮を撤回させたいです。その他、生活・将来設計も可能な安心できる雇用を目指し、契約期間・賃金・手当その他の待遇改善と目指します。

労働組合として労使対等めざす

 また労働組合(ユニオン)としての大切な目標として、〝労使対等〟を実現したいと考えています。個人対会社ではなかなか意見も言えません。要求を出すことも難しい。ですが労働組合があれば、賃下げなど労働条件の不利益変更に対して、質問状や申入書、団体交渉などもできます。
 「それは約束が違う」「あの時はこうだった」――こんなシンプルな指摘さえ、個人ではなかなか難しいです。しかし労働組合があれば、持続的に、そして働く者の全体のことを考えながら、労働条件の改善を進めていくことができるはずです。また労災事故の問題や職場環境の改善などいろいろ課題はあると思っています。
 現在、団体交渉中である雇い止めの問題や契約期間の短縮はZOZOだけの問題ではなく、全体の労働条件にかかわってきます。ZOZOユニオンにも注目が集まっています。他の産業、他社でも「うちも組合をつくってみよう」という話になると思います。
 一定の人数がZOZOユニオンに加入すれば、会社も勝手なこともしにくくなります。今後、ZOZOで働く皆さんのご意見をまとめながら、ZOZOユニオンとしてさまざまな活動を進めていきたいと思っています。
 ZOZOで働く皆さん、ただいま組合員を募集しています。派遣の方も入れます。こう言う問題に取り組んでほしいなどのアドバイスも大歓迎です。ぜひZOZOユニオンに加入してください。

ちば合同労組ニュース 第119号 2020年06月1日発行より