佐野サービスエリア、スト 39日目の逆転劇で社長退陣

組合活動

佐野SAスト 39日目の逆転劇で社長退陣

 8月14日から続いていた東北道・佐野サービスエリア(SA)のストライキが39日目の逆転劇で全従業員が復帰する見通しとなった。佐野SAは「佐野ラーメン」が人気で全国区となり年間利用者数は約170万人。しかし運営会社の経営危機を発端に売店の店頭から商品がなくなる事態が発生し、不当解雇などにより8月14日から従業員の9割にあたる約50人が労働組合を結成して、ストライキを敢行していた。
 経営者が会社の経費で高級車や家電を購入したり、総支配人が「売り上げが落ちるのはオマエらがなってないからだ」と怒鳴り散らすパワハラの常態化がストライキの背景に。
 運営会社は、「あなたたちの行為はストライキとして認めていない」「(ストライキによる)損害賠償を請求する」と脅迫。さらには関連会社の従業員や日雇いスタッフを集めて、SAに配置して営業を再開。このためストが長期化していた。
 ストライキは憲法28条が認めた労働基本権だ。労働条件を維持改善するために労働者が団結して仕事をしない権利である。たとえストライキで仕事がストップして損害が生じても、会社は、その損害賠償を労働者に請求できない。
 長期化するストライキで疲れもみえる状況だったが全国から激励の声が集まり、9月21日からの3連休には、東北道を管轄するNEXCO東日本本社(東京)前でのデモも計画されていた。この段階で経営側から「岸社長ら現経営陣が退陣し、新たな社長となる。9月22日に戻ってきてほしい』との連絡があったとのこと。

ちば合同労組ニュース 第111号 2019年10月1日発行より