派遣の完全解禁- どんな仕事もずっと派遣-労働者は3年ごとに解雇

派遣の完全解禁
どんな仕事もずっと派遣
労働者は3年ごとに解雇
労働者派遣法が通常国会で改悪されそうな雰囲気です。とんでもない大、大改悪です。企業は、労働者を3年ごとに代えれば、どんな仕事にもずっと派遣を使うことができるようになります。工場やオフィスの様子が一変する大変な問題です。
これまで派遣は臨時的・一時的な働き方という〝建前〟がありました。しかし、改悪されれば、「派遣に任せられるのは3年まで」としてきた規制が廃止され、企業が派遣を使う職種や期間が事実上、自由化されることになります。つまり派遣は「臨時的・一時的」ではなくなるということです。
いま求人誌やハローワークでは、請負企業の社員や契約社員、パートが多いですが、今度の派遣法改悪で、求人募集が派遣一色になるかもしれません。
厚生労働省が派遣労働者4千人を対象にした調査でも、派遣を選んだ理由は「正社員で働きたいが見つからなかった」が4割です。派遣の全面解禁で正社員は軒並み派遣に置き換えられ、こうした傾向が急ピッチで加速することは容易に想像できます。


しかも、今度の改悪では、派遣労働者が同じ職場で働けるのは、派遣社員の正社員でない限り最長3年となります。厚生労働省は〈3年に一度「転職」を促すことが働き手の経験や技術向上に役立つ〉と説明しています。
労働者を愚弄するにも程があるというものです。こんな言い草は断じて認めることはできません。3年ごとに転職を迫られる労働者が経験や熟練を積むことがどれほど大変か。厚生労働省の官僚にはまったく想像つかないのだろうか。
いずれにせよ、企業はこの制度で、どんな労働者であっても3年ごとに合法的解雇ができるようになるのです。
ブラック企業は、就職難を悪用して大量の新人を採用して薄給で酷使して食いつぶし、自己都合退職に追い込むのが一つの典型ですが、今回の派遣法改悪は、全企業ブラック化制度です。
派遣会社には、3年働いた人に次の派遣先を紹介する義務を課すと言っていますが、3年未満では努力に、1年未満での交代なら何もする必要もありません。
新聞投書欄に「3年で辞める派遣社員のキャリアアップに時間をかけてくれるだろうか。人はみな年をとっていく。3年で辞めさせられる不安の中で働く派遣社員の身になって考えみてほしい」とありました。
これは本当に大変な問題です。ちば合同労組として社会的に訴えるキャンペーンも必要だと思います。みなさん、組合での議論と行動にぜひ積極的に参加して下さい。