港合同・中村委員長の人生列伝–みんなが読んで欲しい本

組合活動

3396日――“さんざん苦労”の経験

港合同・中村委員長の人生列伝

合同労組のみんなが読んで欲しい本

n0059_04_01a 労働者学習センターから『団結こそ命・闘いこそ力/港合同の闘いの歴史と教訓』が発行されました。昨年の労働学校での中村吉政さんの講演録です。薄くてすぐに読めるブックレットです。

教訓に満ちた闘い

中村さんは、毎年11月に日比谷野外音楽堂で開催される労働者集会の呼びかけ3労組の一つである大阪・港合同の委員長です。この本は半世紀にわたる港合同の労働運動の実践の数々が描かれています。

特徴的な点は、港合同の労働者が争議が勃発している工場へ総力で泊まり込みに行き、寝食を共にし 、地域の労働者どうしの団結をつくっていったことです。
その中でも、3396日という超長期の争議(矢賀争議=写真)に勝利した教訓です。“さんざん苦労”したという表現からも、労働運動がすぐに成果があがるような短絡的なものではなく、地道な積み重ねの先に成功があることがしみじみと伝わってきます。
大阪都構想の住民投票で橋下を倒した力も、港合同のような労働者たちの闘いの教訓や蓄積が根っこにあるのだと感じました。若い世代に労働運動を引き継ごうと奮闘される中村さんの話も、新たな人を合同労組に組織するという観点からも学ぶべき点が数多くあります。

労働者が集まる場

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個人的な感想を一つあげれば、組合事務所の維持についてです。中村さんは こう語っています。
「大阪でも合同労組さんの苦労というのは、組合の事務所を持っているというのは限られています。今、大阪でもどこの組合でも、相談があっても組織を残してというようなことをあまり聞きません」
「やはりスペースといのは労働者が団結する場であるし、それが発信の基地となるだろうと思います」
橋下が最初にやった攻撃は、区役所にある組合事務所を徹底的に排除したことだそうです。これで、労働者どうしの交通がなくなり、一気に闘えなくなったのだと。

組合員の団結を守りぬくとは、やはり事務所・拠点を維持し、堅持していくことが基礎です。
ちば合同労組は、DC会館の一角を間借りしていることもあり、自分たちの事務所を維持するという意識が希薄になりがちです 。“労働者にとって場所があるということが、かけがえのない財産である”――この中村さんの言葉に学び、動労千葉と一緒に闘い、地域に開かれた合同労組をつくっていきましょう。

全56㌻。頒価300円。DC会館で扱っています。

ちば合同労組ニュース 第59号(2015年6月1日発行)より