2023-04

その他

ベトナム人元実習生の双子遺棄事件で無罪判決

自宅で死産した双子の遺体を段ボール箱に遺棄したとして死体遺棄罪に問われたベトナム人技能実習生に対し最高裁は3月24日、女性を有罪とした1、2審判決を破棄し、無罪とする判決を出した。  女性は技能実習生として熊本県内の農園で働いていた。収入の多くを故郷の家族に送金していた。来日から約2年後、交際相手との間に子どもができたことに気づく。しかし誰にも相談できなかった。妊娠や出産を理由に実習生が解雇されて...
本の紹介

書籍紹介 「使い捨てられる教師たち」(佐藤明彦著)

非正規教員の実態を暴く  1年ほど前の出版だが問題意識があり、手にした。  1年契約で雇用され正規教員とほぼ同じように働く非正規教員は全国に10万人以上おり、全体の2割に迫る。小学校では学級担任を務め、中高では部活動顧問も。生徒や保護者から見れば正規教員と何も変わらない。  著者は、非正規教員の増加こそが教員不足の最大要因と指摘する。問題の発端は小泉内閣が推進した三位一体改革で、公立学校を支える財...
連載・職場と労働法

雇用契約と労働条件通知書

実践的に考える職場と労働法 雇用契約と労働条件通知書 来年4月から契約時の労働条件明示  企業が労働者を雇う際、「雇用契約」を結ぶ。雇用契約は口頭でも成立しますが、賃金や労働時間、その他の労働条件を事前に明示する必要があります。労働条件のうち特定の事項は、労働基準法15条及び施行規則第5条の規定で明示が義務付けられています。  具体的には下記の13項目となります。 ①労働契約の期間 ②就業場所及び...
その他

非正規春闘など全国でストや行動

春闘の新しい波  今年2~3月は、「労働組合」のワードが物価高騰などで例年なく注目された。  とはいえ新聞には「23春闘―満額回答」の文字が踊るが、実際の賃上げは一部の大企業だけで大半の労働者には恩恵がない。そもそも大手労組の要求自体が物価上昇に見合わない少額の要求だ。  労働組合の中央組織である連合の芳野会長は、自民党や官邸の方ばかり見て、非正規労働者の賃金底上げには関心を持っていない。多くの労...
労働映画

映画紹介『事件記者』

NHKのテレビドラマ(1958年~66年)の映画化第1弾。警視庁詰めの新聞記者が所属する「警視庁桜田クラブ」を舞台に特ダネを狙う事件記者を描く。「事件記者」の単語はこのテレビドラマで定着したらしい。  警視庁の記者クラブには各社から腕利きの記者が派遣されている。映画は2人の新人記者の配属シーンから始まる。その日、品川駅で新宿のヤクザの親分が撃たれる。新宿と六本木の縄張り争いか!? だが重傷を負った...
その他

労働から考えるスシロー事件

いま、回転寿司チェーン店での客によるいわゆる「迷惑行為」が多発し、後が絶えません。その発端となった、湯呑や醤油などをなめまわす高校生の動画がSNSで炎上する事件(「スシロー・ペロペロ事件」)です。彼は社会的批判を浴び、高校を中退。会社から多額の損害賠償請求が予測されています。もちろん、面白がって投稿する若者の行為は間違っています。しかし、この寿司文化を壊したのは、大手外食チェーン会社です。そして、...