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その他

実践的に考える職場と労働法/社会保障制度の歴史を考える・下

実践的に考える職場と労働法 給付抑制や国庫負担削減を主導した第2臨調 社会保障制度の歴史を考える・下 (前号からの続き)  「昭和」初期になると27年金融恐慌から29年世界大恐慌となり、やがて日本は全面的な戦争に突入していった。この時期に大量の生活困窮者が発生するようになり、本格的な救護法が1929年に制定された。  2・26事件(36年)や盧溝橋事件(37年)などを経て38年、国家総動員法が敷か...
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各地で進む公立病院の統廃合/富山国保病院移管方針は白紙に

各地で進む公立病院の統廃合 富山国保病院移管方針は白紙に  病院全体の赤字化が加速している。全国8156施設の約7割が赤字で、病院全体平均の22年度の損益率は1・2%の黒字だが、コロナ補助金を除くとマイナス6・7%に。23年度はマイナス10・2%の赤字が予想されている。コロナ補助金がなければほとんどの病院は赤字、特に公立病院の経営環境は厳しい。  厚生労働省は19年9月に、市町村などが運営する公立...
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映画紹介『娘は戦場で生まれた』

映画紹介『娘は戦場で生まれた』  シリア内戦で何が起きていたのか。シリア北部の都市アレッポを舞台としたドキュメンタリー映画。  シリアはパレスチナの北側に位置し地中海に面する国。第1次大戦後、秘密協定に基づき英仏ロがオスマン帝国を分割し、シリアやレバノン、ヨルダンなどがフランス勢力圏に。フランスはこの地域の住民の多数派であるスンナ派を抑えるために、アラウィー派やマロン派キリスト教徒などの少数派を重...
本の紹介

書評 『イギリス炭鉱ストライキの群像』(熊沢誠著・旬報社)

書評 『イギリス炭鉱ストライキの群像―新自由主義と闘う労働運動のレジェンド』(熊沢誠著・旬報社) 英ゼネスト準備した炭鉱労働者の闘い  「間違いなく私の最後の著作」――労働問題研究の第一人者である熊沢誠氏の強い思いが込められた一冊だ。  彼が執筆を思い立ったのは、英国で物価高騰の中、数十年ぶりに起きた大ゼネスト、他方で日本では関西生コン労組への弾圧を見ぬふりする日本労働界の姿。同じく80年代に新自...
公務員・教育

柏市・会計年度任用職員が最低賃金以下/抜本的な賃上げ闘争が必要

柏市・会計年度任用職員が最低賃金以下 抜本的な賃上げ闘争が必要  柏市など県内13自治体の非正規公務員である会計年度任用職員の賃金が、今年10月1日から改定された最低賃金(時給1026円)を下回っていることが新聞などで報じられた。12自治体は今年4月にさかのぼって賃金改定するが、柏市は改定を12月1日から適用(時給1060円に引き上げ)するため10、11月分は最低賃金を下回る。  総務省は「最低賃...
制度・政策

社会保障制度の歴史を考える

実践的に考える職場と労働法 社会保障制度の歴史を考える 29年世界恐慌と第2次世界大戦を経て制度化  2回に分けて社会保障の歴史について考えてみたい。現在のような社会保障制度の仕組みができたのは、私たちが思うより歴史が浅い。  近代的な社会保障制度はヨーロッパで始まった。まず最初に資本主義が始まったイギリスで労働者の貧困問題が社会問題化して「救貧法」が作られた。  これは都市のスラム街に集まった浮...
組合活動

大幅賃金をかちとり、24春闘を前進させよう!

労働者の存在と闘いを可視化し、運動を組織に 施設系の利益率はすべてマイナスに  春闘本番に入りました。ちば合同労組も各分会(ユニオン)で団体交渉などが予定されています。また、この時期は36協定などの職場代表選挙が実施されます。職場全体の状況を変革するために積極的に取り組みます。  春闘の課題や問題意識の一つは、医療や福祉、学校や自治体、バスなどの公共交通、倉庫や運輸(物流)、飲食店、空港やホテルな...
その他

映画紹介 『パラダイス・ナウ』

映画紹介『パラダイス・ナウ』  先月に引き続きパレスチナ映画。イスラエル・ナザレ生まれのハニ・アブ・アサド監督による05年の映画。自爆攻撃に向かう2人のパレスチナ人青年を中心に描く。  舞台はヨルダン川西岸地区の町ナブルス。かつてはオリーブオイルを原料とした石鹸の製造で栄えた街だ。第2次インティファーダ(パレスチナ人による反占領抵抗運動)でイスラエルの過酷な軍事弾圧を受け4千人以上の死者を出した。...
組合活動

労働組合を復権し春闘を

労働組合を復権し春闘を 全米自動車労組は25%賃上げ獲得 労働分配率、過去最低  企業が人件費の割合を示す「労働分配率」。財務省が公表した法人企業統計のデータによると、大企業の労働分配率がこの50年で最低水準となっています。  労働分配率は企業の経営状態を測る指標の一つで、企業が生み出した付加価値(役員と従業員の人件費、経常利益、賃借料、税金や利払い費、減価償却費の合計)のうち人件費が占める割合で...
医療・介護

細切れ化など待遇悪化でヘルパー不足に 訪問介護は崩壊寸前

細切れ化など待遇悪化でヘルパー不足に 訪問介護は崩壊寸前   介護職場の人手不足は深刻だが、特に訪問介護事業所では人手不足による休止や廃止、倒産が相次いでいる。リクルートワークス研究所の推計によると、2030年までに介護労働者は21万人が不足し、40年には倍以上の58万人が不足する。  訪問ヘルパーの有効求人倍率は22年度は15・53倍で過去最高の水準に。13年度には3・29倍だったので10年で5...
連載・職場と労働法

実践的に考える職場と労働法/いわゆる「年収の壁」問題

実践的に考える職場と労働法   いわゆる「年収の壁」問題 「106万円」「130万円」で半数が就業調整  いわゆる「年収の壁」が人手不足への対応として話題となっている。  物価高騰が続き、賃上げが喫緊の課題となっている。まったく不十分だが最低賃金も引き上げられた。ところが時給がアップしても「年収の壁」を超えないように労働時間を調整(減らす)労働者は少なくない。  厚生労働省の2021年の調査では、...
その他

パレスチナ ジェノサイドを許すな

パレスチナ ジェノサイドを許すな 封鎖で最悪の状況が続くガザ地区  パレスチナは地中海に面し古代からアフリカとアジアをつなぐ交易の中心地だ。長くオスマン帝国に支配されたが、第1次世界大戦期は英国の委任統治領(植民地)となり、第2次大戦後の1948年にイスラエル建国が一方的に宣言された。  直後の第1次中東戦争でガザ地区はエジプト管理下に。多数の難民が流入してガザ地区の人口は5倍に増えた。67年の第...
その他

映画紹介『ガザの美容室』

映画紹介『ガザの美容室』  以前に途中だった映画だが今回最後まで観た。映画の舞台はパレスチナ・ガザ地区にある美容室。客は女性ばかりで繁盛している。女性だけなのでヒジャブ(髪の毛を覆うスカーフ)は必要なく順番待ちの客たちは世間話に花を咲かせる。  店主はロシアからの移民。アシスタントは恋人との関係に悩む。離婚調停の女性客は逢瀬に向けて支度中。戦争で負傷した兵士を夫に持ち自身も薬物依存症の女性。結婚式...
物流倉庫・運輸

ヤマト・郵政で労働争議が拡大

ヤマト・郵政で労働争議が拡大 ~物流再編に対する労働運動を~  今年6月、ヤマト運輸が、企業のカタログやチラシを配達する業務(クロネコDM便)を日本郵政に業務移管するとして、ヤマトで働く個人請負やパート労働者との契約を来年1月31日付で一斉に切ると発表した。実に3万数千人におよぶ大リストラだ。  これに対し茨城県内のヤマトベースで仕分けで働くパート労働者が労働組合をつくってヤマトに解雇撤回を要求し...
労働映画

『ここから』上映会 盛況に/関西生コン労組を支援する千葉の会

関西生コン労組を支援する千葉の会 『ここから』上映会 盛況に  千葉市生涯学習センターで9月17日、「許すな弾圧!関西生コン労組を支援する千葉の会」が映画『ここから「関西生コン事件」と私たち」上映会を開催しました。ちば合同労組は準備段階から積極的に関わりました。  21年秋の映画『棘2』の上映会の後、支援運動を継続するために千葉の会が発足し、月1回の会合・学習会を継続してきました。  今回の上映会...
組合活動

替え時間は労働時間/イケア、着替え時間の賃金払わず 9月から支給

実践的に考える職場と労働法 替え時間は労働時間 イケア、着替え時間の賃金払わず 9月から支給  家具小売り大手のイケア・ジャパン(千葉県船橋市)が06年の開業以来、制服の着替え時間について労働者に賃金を支払っていなかったことについて、9月1日から着替え時間分の賃金を支払うことになった。毎日新聞が報じた。  00年の最高裁判決(三菱重工業長崎造船所事件)は、労働時間について「労働者が使用者の指揮命令...