介護労働の現場から

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連載・介護労働の現場から 〈26〉 相談窓口

連載・介護労働の現場から 〈26〉 相談窓口 会社都合で解雇できないとなると雇用関係の助成金なのだろう。 介護事業は、国から介護保険サービス指定業者として許可を受けている。 私が会社都合で退職して何らかの是正勧告とかを受けると、絶対まずい、そういう危機感を社長がもっている。労組をつくり解雇撤回闘争をやった挙句、施設をつぶすという選択肢もあるなと、ちらっとアタマをかすめた。 でも、そん...
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連載・介護労働の現場から〈25〉 自己都合/会社都合

連載・介護労働の現場から 〈25〉 自己都合/会社都合 社長は、顧問の社労士と相談する、と私の要求を持ち帰った。職場に行くと和田さんが近寄ってきた。 「どうして辞めるの? ケガが治るまでレク担当やれば? 他の仕事はみんな引き受けるから」 「辞めるとは言ってないよ。ケガしたから管理者がクビだって言ってるだけ。社長は管理者がクビだという者を雇い続けられないんだって」 力石が来た。「あらま...
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介護労働の現場から〈24〉 辞めると言ってない

連載・介護労働の現場から 〈24〉 辞めると言ってない あと、2日でクビ? 「言ってること分かっているの?」。私は思わず聞き返した。 管理者はうろたえた様子で「あらかんさんの代わりに本社からは応援にきてくれない。早く次の人、募集しなきゃ。それには、あらかんさんがいては募集できない」。 「休職規則はないの?」 ふたりで就業規則をめくってみたが、休職に対する項目はない。 これまで8か...
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連載・介護労働の現場から〈23〉 解雇通告

連載・介護労働の現場から〈23〉 解雇通告 介護の仕事は、緊張とストレスの毎日だ。 私は休日にはリフレッシュのため山へトレッキングに出かけた。以前は同行者と早目に調整し余裕のある日程が取れたのだが、介護の仕事に就いてからは、先のシフトの予定が立たないし、同行者の土日休みや連休に合わせて、いわゆる「弾丸登山」。 目一杯働いた日の夜に車で地元(千葉県には山がない。日帰りでも行くとしたら、近...
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4月介護保険の改定-介護労働者も変わろう

4月から介護保険の改定-介護労働者も4月から変わろう どんな改正か 今回の介護保険改正――中身は複雑できりがないが、主な改正点をごく簡単に。 ①軽度は施設から在宅へ 介護認定が要支援1~2は介護保険ではなく市町村サービスに。特養には要介護3以上の重度の人しか入れない。 ②利用料が2倍に 介護を受けた場合の利用料1割自己負担が2割に。対象は、年間所得160万円以上、年金なら280万円以上...
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介護かわら版 長く働き続けられる賃金を

介護かわら版 ちば介護労働者ユニオン【発行】 2015年3月3日 加算金1.2万円を求めよう 長く働き続けられる賃金を 4月から介護報酬が2・27%の引き下げになります。ニュースでは介護処遇処遇改善加算により平均1・2万円の賃上げが実現されると宣伝されています。 これは誤解も多いのですが、介護報酬2・27%引き下げとは別に国から加算金が支給されるわけではありません。介護報酬4・48%...
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介護労働の現場から〈22〉変動シフトという支配

介護労働の現場から〈22〉 2014年03月01日 変動シフトという支配 介護職場は「変動シフト制」が圧倒的だ。 「シフト制」とは、あらかじめ労働者から希望の休みを聞いておき(月2日までが多い)、雇用者が労働日を指定する制度。 「変動」とは、毎日の労働時間が決まっていないで、1日10時間働く日もあれば、6時間しか働かない日もあり、とにかく1か月の中で週40時間を達成すればいいという制度。...
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介護労働の現場から〈21〉役割分担

介護労働の現場から〈21〉 2014年02月01日 役割分担 現場の労働条件が労働者本位で改善されていき、みんなに連帯意識が生まれ、笑顔で励ましあいながら仕事に取り組むと、あれほどつらかった仕事が、楽になってきたような気がした。 職場の雰囲気がいいので、本社のフランチャイズ担当が加入志願者を連れてよく見学にくるようになった。社長も評価してくれて、みんなを居酒屋でおごってくれたりした。 そ...
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介護労働の現場から〈20〉独り労組

介護労働の現場から〈20〉 2015年01月01日 独り労組 私が腰痛で休んだのは一日だけで労災は医療費に対して支払われた。 排せつや入浴、移乗などの身体介護ができなくなり、料理や掃除、洗濯、レクレーションなどの仕事に専従した。他のスタッフは私の分まできつい身体介護をこなしてくれた。 私が「悪いね」と言うと、「あらかんさんのおかげで、定時に帰れるようになったし、休憩取れるようになったし、...
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介護労働の現場から〈19〉腰痛は労災でしょ

介護労働の現場から〈19〉 2014年12月01日 腰痛は労災でしょ 私に対する医者の診察時間は20分を過ぎて看護師たちがイラついているのがわかった。「何か事件はなかったですか? 腰をいためるような」と医者が言い出した。 私は大柄な井村さんへの介助を思い出した。ベッドから車いすへの移乗、車いすから椅子への移乗などは抱きかかえて持ち上げる。介護用ベッドでない低床型ベッドでのおむつ交換や着替え...
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介護労働の現場から〈18〉とうとう腰痛

介護労働の現場から〈18〉 2014年11月01日 とうとう腰痛 井村さんは入居2カ月過ぎるとガンの痛みが強くなり食が進まなくなった。家族は再三の連絡にも応じず、やっと来所したかと思うと「(痛いのは)寝違えたんでしょ」「こんど寿司食いに行こうか」と能天気。寝違えただけで体全体痛くはならない、ミキサーでムース状にしてやっと数口の病人が寿司なんて喰えるかと言い返したいところをぐっとこらえて説得し...
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介護労働の現場から〈17〉介護とジェンダー

介護労働の現場から〈17〉 2014年09月01日 介護とジェンダー 介護職はその8割近くが女性だ。生計を維持できない低賃金だから女向け? また、介護される側は男性より女性を圧倒的に希望しているからという理由もある。 しかし、私は介護という仕事にジェンダーに基づく偏見を強く感じる。男性介護士には言わないが女性には平気な物言いの数々。 便落としを拭いていると「あんた、エタ(被差別部...
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介護労働の現場から〈16〉ホスピスの召使い

介護労働の現場から〈16〉 2014年09月01日 ホスピスの召使い トイレを使えるようになった宇田川さんは入居して1か月を過ぎて自宅に戻った。宇田川さんの暴力や暴言で何人もの利用者が来なくなったので責任者がやむなく継続使用を断ったからだ。宇田川さんは夫が迎えにくると「家に帰るんや」と大喜び、私は今後の夫との生活を思うと手放しで喜べない気持ちだったが正直ほっとした。 そのあと、稼働率を回復...
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介護労働の現場から〈15-2〉自立できる②

介護労働の現場から〈15-2〉 2014年7月31日 自立できる② Aさんは入所した日、トイレに案内したらスタッフを突き飛ばして逃げ、それ以来トイレに近づかない。自立しているのに排せつはリハビリパンツとパット対応だ。その交換にも抵抗が強く、Aさんの排せつは大課題になっていた。 私はいきなりトイレに入らず、雑巾を持って手前の廊下拭きをAさんとやった。「花が咲いてるよ」「AさんのTシャツも花が...
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介護労働の現場から〈15〉介護施設の1人夜勤を禁止しよう/2人夜勤の夢

介護労働の現場から〈15〉 2014年7月2日 介護施設の1人夜勤を禁止しよう/2人夜勤の夢 すき家では夜間、アルバイト1人で一店舗を切り盛りする「ワンオペレーション」(ワンオペ)があまりにも過酷だと退職が相次ぎ、ストライキの理由にもなっている。でも、介護業界では1人夜勤はごく当たり前の現実がある。 夜勤は16時間連続勤務 介護業界はほとんどが日勤と夜勤の二交代制。日勤8時間、夜勤は午後...
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介護労働の現場から〈14〉自立できる①

介護労働の現場から〈14〉 2014年06月01日 自立できる① 私のひそかな利用者自立大作戦の朝が来た。出勤するとAさんとUさんは、朝食後に興奮を抑制する精神病薬を飲んでいるのでおとなしく席に座っている。 「Aさん、おはようございます」。焦点の定まらない目がこちらを向き、にっこりと「おはよう」。 「Uさん、おはよう」。近寄り手を添えて目を合わせると「おはようさん!」。元気がいい。 ...