労働映画

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映画紹介『生きるLIVING』

映画紹介『生きるLIVING』  22年のイギリス映画。1952年の黒澤明『生きる』のリメイク作品。ノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロが脚本を担当した。市役所で働く公務員のロドニーが余命半年を宣告され、自分自身の人生を見つめ直す姿を描く。  リメイク構想はイシグロの提案で、主演のビル・ナイにあてがきして脚本が書かれた。イシグロは「英国紳士というステレオタイプな人物を演じながら、イギリス人だけでな...
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映画紹介『大河への道』

22年5月公開の映画で主演は中井貴一(企画も兼任)。立川志の輔の創作落語『伊能忠敬物語―大河への道』が原作。立川が伊能忠敬記念館(千葉県香取市佐原)を訪れ忠敬が作成した日本地図を見た感動を落語にしたもの。  伊能忠敬は九十九里で生まれ、佐原で酒造業や金融業、運送業を営む伊能家の婿養子となり10代目当主になった人物。49歳で息子に家督を譲り、江戸に移り住んで天文学を学び測量の道に。5年後に測量事業を...
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映画紹介『1秒先の彼女』

2020年公開の台湾映画。郵便局で働くシャオチーは何をしてもワンテンポ(1秒)早い。写真撮影では必ず目を瞑り、時計が鳴るより早く目覚める。他方、バスの運転手のグアタイは何をしてもワンテンポ遅い。  出会いのない毎日に退屈していた彼女は公園でイケメンのダンス講師ウェンセンに声をかけられ、バレンタインデーにデートの約束。当日、珍しく寝坊した彼女は大急ぎで家を出て待ち合わせのイベント会場に向かう。ところ...
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映画紹介『PLAN75』

映画紹介『PLAN75』  近未来の日本が舞台。倍賞千恵子が主演。超高齢化問題の解決策として、75歳以上の高齢者に安楽死の選択肢を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行された…という設定。並のホラー映画より怖い話だった。  夫と死別し一人暮らしの角谷ミチ(倍賞)は78歳。ホテルの客室清掃の仕事をしているが、同僚が仕事中に倒れ、ホテルは「高齢者を働かせるのはひどい」との非難を恐れて、高齢労働者を...
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映画紹介『マッチ工場の少女』

映画紹介『マッチ工場の少女』  今月もフィンランドのアキ・カウリスマキ監督。本作は労働3部作の3作目。  イリスは母と継父と暮らす独身女性。両親は働かず収入はイリスが働くマッチ工場のわずかな収入だけ。しかも食事の世話も彼女が。絵に描いたように味気なく不幸な毎日。  給料日の帰り道、彼女は陳列窓に飾られたドレスを衝動買いする。両親になじられ返品を命じられるが、そのままドレスを着てディスコに行き、一流...
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映画紹介『パラダイスの夕暮れ』

映画紹介『パラダイスの夕暮れ』  フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の「労働者三部作(プロレタリアート・トリロジー)」の一つ。社会の片隅に生きる労働者・庶民こそ映画の主人公であるとの姿勢を貫く。監督がまだ20代の頃の1986年の映画。  主人公ニカンデルは首都ヘルシンキで働くゴミ収集車の運転手。ボルボ製の頑丈そうな清掃車に乗務しゴミを収集する様子が丹念に描き出される。セリフは極端に少なく素っ気な...
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『ここから』上映会 盛況に/関西生コン労組を支援する千葉の会

関西生コン労組を支援する千葉の会 『ここから』上映会 盛況に  千葉市生涯学習センターで9月17日、「許すな弾圧!関西生コン労組を支援する千葉の会」が映画『ここから「関西生コン事件」と私たち」上映会を開催しました。ちば合同労組は準備段階から積極的に関わりました。  21年秋の映画『棘2』の上映会の後、支援運動を継続するために千葉の会が発足し、月1回の会合・学習会を継続してきました。  今回の上映会...
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映画紹介『ここから「関西生コン事件」と私たち』

映画紹介『ここから「関西生コン事件」と私たち』  関西生コン労組に対する未曽有の組合つぶし攻撃の渦中にある組合員たちの姿を描くドキュメンタリー映画。土屋トカチ監督。シングルマザーで子育てしながら生コン運転手になった松尾聖子さん、子どもを保育園に通わせるために就労証明書を会社に要求したことが強要未遂罪に問われ逮捕・勾留された吉田修さんら現場組合員、640日もの長期勾留された湯川委員長などが登場する。...
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映画紹介『電気工事士 Electrician』

映画紹介『電気工事士 Electrician』  2020年の英映画。素人の俳優を使い低予算で5年かけて撮影された。ロンドンの倉庫会社や建設現場で働く電気工事士マークの孤独な日常を描く。  毎朝起きて出勤し、黙々と仕事をこなし、粗末な食事をとって帰宅して寝る姿が淡々と描かれる。彼は徹底的に無口、同僚に飲みに誘われても交わらない。対照的に同僚たちの下らない会話がやたら多い。本当に下衆な内容で、マーク...
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映画紹介『彼女たちの革命前夜』

映画紹介『彼女たちの革命前夜』  2019年の英国映画。半世紀前の1970年のミス・ワールド世界大会の会場で女性解放を訴えるために抗議行動を行った女性たちを描く。  離婚し、娘や母親と暮らすサリーは、再び学問の道を志しロンドン大学の入学試験の面接に。面接官は男性ばかりで権威主義。入学後、ゼミでは発言を遮られ、女性労働者の視点で論文を書きたいと言うと「普遍性が必要だ」と変更を求める教授。そんな中で女...
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映画紹介『キネマの神様』

映画紹介『キネマの神様』  原田マハの長編小説を山田洋次監督が映画化し、2021年8月に公開された。当初は志村けんと菅田将暉が主演の予定だったが、志村のコロナ感染による辞退とその後の急死、政府による緊急事態宣言を受けて撮影が中断された。  その後、沢田研二を代役に撮影が再開された。おそらく脚本は志村けんで当て書きされたまま撮影され、セリフや仕草も沢田が志村を演じる感じになっている。東村山音頭を歌う...
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映画紹介『事件記者』

NHKのテレビドラマ(1958年~66年)の映画化第1弾。警視庁詰めの新聞記者が所属する「警視庁桜田クラブ」を舞台に特ダネを狙う事件記者を描く。「事件記者」の単語はこのテレビドラマで定着したらしい。  警視庁の記者クラブには各社から腕利きの記者が派遣されている。映画は2人の新人記者の配属シーンから始まる。その日、品川駅で新宿のヤクザの親分が撃たれる。新宿と六本木の縄張り争いか!? だが重傷を負った...
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映画紹介『怒りの葡萄』

映画紹介『怒りの葡萄』  スタインベックの小説を映画化。舞台は世界大恐慌後の30年代末の米国。大規模な資本集約型農業が拡大し、米中西部で深刻化したダストボウル(開墾で発生した砂嵐)で耕作が不可能となり流民化する農民が続出、社会問題となっていた。本作は、さらなる機械化を進める資本家と土地を追われカリフォルニアに移っていった貧農たちとの闘争を材料に故郷オクラホマ州を追われたジョード一家を描く。  トム...
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映画紹介『家族を想うとき』

映画紹介『家族を想うとき』  前から見たかった映画だが数多いケン・ローチ作品の中で観ていて一番ツライ気持ちに。名匠ケン・ローチが引退表明を撤回して撮った映画がこれほどツライ内容にならざるを得ない。これが新自由主義とグローバリズム経済の世界の現実なのか。もちろん希望を紡ぐ場面も随所にあるのですが…。  英国の東北部の工業都市ニューカッスルに住むある家族を描く。主人公リッキーは、マイホーム購入の夢を叶...
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映画紹介『ベトナムの風に吹かれて』

映画紹介『ベトナムの風に吹かれて』  松坂慶子主演の日本とベトナムの合作映画(2015年)。ベトナムで働く日本語教師が80歳を過ぎた認知症の母親と共にベトナムでの生活を綴ったエッセイ『ベトナムの風にふかれて』が原作。実話とのこと。  ベトナムの首都ハノイで日本語教師として働く佐生みさお(松坂慶子)のもとに父の訃報が届く。故郷の新潟で目の当たりにしたのは認知症のため夫の死さえ理解していない母(草村礼...
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映画紹介『海すずめ』

映画紹介『海すずめ』  2016年公開の愛媛県宇和島が舞台の「ご当地映画」。  主人公の赤松雀(武田梨奈)は宇和島市立図書館で自転車課で働いている。自転車で図書を市民に配達する仕事だ。主人公の雀が図書館自転車課という仕事を通じて故郷とその歴史を知り、成長していく姿を描く。  雀は夢だった小説家として華々しくデビューしたが2作目が書けず故郷に戻って挫折感を持った中途半端な日々を過ごしている。地元は宇...