連載・職場と労働法

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休業支援金の個人申請について/職場と労働法

実践的に考える職場と労働法 休業支援金の個人申請について 第6波で長期休業せざるを得ないケースが増加  新型コロナウイルス感染症の第6波の特徴の一つとして、保育園や小学校に通う子どもの感染者数が増加していることがあります。その影響で休校・休園も激増し、あるいは実際に子どもが感染した場合の世話などで最短で5日程度、実際には10日~2週間超の長期休業が必要になる場合も多い。  複数の子どもがい...
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会計年度任用職員/毎年雇止め根本矛盾持つ非正規制度

実践的に考える職場と労働法 会計年度任用職員について 毎年雇止めの根本的矛盾を持つ非正規制度  2020年4月から会計年度任用職員制度が導入されました。年度末を前に各地で雇止めを通告され、地域ユニオンへの相談も増えています。  全国の自治体労働者数は、90年代半ばをピークに市町村合併や民営化などで減少し続け、さらに正規から非正規への置き換えが著しく進行しています。総務省調査では会計年度任用...
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年次有給休暇の取得について

実践的に考える職場と労働法 出勤率8割の要件は世界的にはほぼ例がない 年次有給休暇の取得について  使用者は、労働者の雇入れ日から起算して6か月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し又は分割した10労働日以上の有給休暇を与える義務があります(労働基準法39条1項)。これを「年次有給休暇」と言います。 時季指定権・変更権  具体的な取得時季については、労働者が...
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近年、焦点化する最低賃金制度

実践的に考える職場と労働法 近年、焦点化する最低賃金制度 当面、全国一律1500円への引き上げを  都道府県別の最低賃金が10月1日から引き上げられました。千葉県は953円。全国平均で28円となり過去最大幅、時給平均930円となりました。全都道府県で時給800円を超えました。とはいえ平均時給930円で2千時間働いても年収200万円に満たない状況です。 最低賃金制度とは  「最低賃金制度」...
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職場と労働法/不利益変更に同意しない、合理性を与えない

実践的に考える職場と労働法 不利益変更に同意しない、合理性を与えない 就業規則による不利益変更  今回は、就業規則の変更による労働条件の不利益変更の問題を考えます。  コロナ問題の発生から1年以上が経過し、労働条件の不利益変更、特に賃金制度の改悪や手当や退職金の改廃に関連して就業規則の変更が提案されるケースが増えています。もちろんコロナで経営が苦しくなったから当然に就業規則の改悪(不利益変...
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労働委員会と不当労働行為救済制度

実践的に考える職場と労働法 労働委員会と不当労働行為救済制度 不当労働行為救済制度の「使用者」概念は広い  労働組合法は、労働組合や労働者に対する使用者の一定の行為を「不当労働行為」として禁止しています(7条)。さらに、禁止の違反について労働委員会による救済手続を定めています。「不当労働行為救済制度」です。  不当労働行為救済制度は、憲法28条における団結権などを保障するために、労働組合法...
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業務起因の感染は労災保険給付の対象です

実践的に考える職場と労働法 業務起因の感染は当然に労災保険給付の対象 業務上の新型コロナ感染について  新型コロナの感染者数は、集計されているだけでも1日2万人を超える過去最大規模で今後も予断を許さない状況です。業務上の感染について労災保険の相談を受けることが多くなりました。結論から言うと、業務に起因して新型コロナに感染した場合は、労災保険給付の対象となります。  対象となるのは、 ◎感...
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裁量労働制適用拡大の動きに警戒を

裁量労働制適用拡大の動きに警戒を  厚生労働省は6月25日、「裁量労働制実態調査」の結果を公表。さらに「これからの労働時間制度に関する検討会」を新設して裁量労働制やその他の労働時間制度の在り方について検討する方針を示しました。  18年1月、裁量労働制の適用対象の大幅な拡大を目指す安倍首相が「一般労働者より(裁量制の人の労働時間が)短いというデータもある」と国会で答弁。しかし、根拠とした厚労省...
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実践的に考える職場と労働法 争議行為と賃金について

実践的に考える職場と労働法 争議行為と賃金について スト参加でマイナス人事評価は不当労働行為 争議参加者の賃金  ストライキに参加した労働者は、スト期間は労務の提供を停止したのですから、この期間中の賃金請求権はないと考えるのが原則です。  賃金請求権は労務の給付と対価関係にあり、労務の給付が労働者自身の意思によってなされない場合は、反対給付である賃金も支払われないというのが原則です。 ...
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実践的に考える職場と労働法 団体行動権(争議権・組合活動権)

実践的に考える職場と労働法 団体行動権(争議権・組合活動権) 正当な争議行為の刑事免責・民事免責を規定  今回から「団体行動」について考えます。団体行動権は憲法28条(団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利)に規定されています。通常、団体行動権は「争議権」として理解されることが多いですが、日常的な組合活動も含まれます。  ストライキやピケッティング、 ボイコット...
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職場と労働法 労働協約はどのような内容のものか

実践的に考える職場と労働法 労働協約はどのような内容のものか 「覚書」「議事確認書」も労働協約として成立 労働協約の内容  今回は労働協約の内容を考えます。労働組合法は、労働協約の内容について「労働条件その他」と表現しています。①労働条件その他の労働者の待遇などについての諸規定(①は労働組合法上の効力によって協約に反する就業規則や労働契約は無効となり協約の内容に上書きされる...
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へき地医療機関への看護師等の派遣 医療機関以外への日雇派遣が解禁に

へき地医療機関への看護師等の派遣 医療機関以外への日雇派遣が解禁に  今年4月から労働者派遣法の施行令が改定され、へき地の医療機関への看護師等(看護師・准看護師・薬剤師・臨床検査技師・診療放射線技師)の派遣と、社会福祉施設等への看護師の日雇い派遣が解禁された。  これまでも直接雇用への移行を前提とした紹介予定派遣、産休・育休の代替、社会福祉施設や保育園など医療機関ではない施設への派遣...
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菅政権 入管法改悪やデジタル監視法、改憲投票法など次々に国会に

菅政権 入管法改悪やデジタル監視法、改憲投票法など次々に国会に  緊急事態宣言のさなか菅政権は、人権や日常生活にも影響が大きい法律(極めて反動的な!)法案を次々と繰り出している。  5月11日、改憲をめざした国民投票法の改悪が衆院憲法調査会で採決が強行され、今国会(6月16日まで)の成立が画策されている。  入管法改悪については、多くの人びとの行動やSNSで批判と支援が広がり、やがて大手...
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実践的に考える職場と労働法 労働協約の意義と機能

実践的に考える職場と労働法 労働協約の意義と機能 組合委員長と社長のサインで有効な協約に  労働協約は、労働組合法の規定では「労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する規定であって、書面に作成され、両当事者が署名または記名押印したもの」とされています。様式はけっこう重要です。ハンコがなくても組合委員長と社長のサインがあれば労働協約として有効となります。  様式が...
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使用者には直接会って誠実に協議する義務がある

実践的に考える職場と労働法 使用者の誠実交渉義務について 使用者には直接会って誠実に協議する義務がある  使用者には、労働者の代表者と誠実に交渉にあたる義務があります。使用者は、たんに労働組合の要求や主張を聴くだけでなく、それらの要求や主張に対しその具体性や追求の程度に応じた回答や主張をなし、必要によっては論拠を示したり、必要な資料を提示したりする義務があります。  さらに使用...
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職場と労働法/団体交渉の対象事項

実践的に考える職場と労働法 団体交渉の対象事項 労働条件その他の待遇、労使関係の運営事項が対象  団体交渉の対象事項については、企業として処理可能なことで使用者が任意に応じる限りは、どんなことでも構いません。その上で労働組合法によって使用者に義務付けられている事項(義務的団交事項)は次のようなものです。  ところで義務的団交事項について使用者は「経営権」の主張をしばしば行いますが、...