4月から無期転換5年ルール/各所で雇止めと闘争が衝突

4月から無期転換5年ルール

各所で雇止めと闘争が衝突!

動き出した2018年

 3月末には労働契約法18条の5年で無期雇用に転換ルールを逆手にとった雇止め=解雇攻撃が約450万人の有期雇用労働者に襲いかかろうとしています。
 ちば合同労組の新年旗開きでも、「会社で無期転換の案内が配られた」「定年後の無期転換は可能なのか?」など活発な討論になりました。
 年が明け、職場で無期転換問題が話題になり始めています。今の情勢の象徴する、いくつかの例を紹介します。
●都内のある労働組合が土日で「雇い止めホットライン」を開設。2日で労働相談の電話が約100件。ほとんどが解雇や無期逃れの雇い止めだった。
●全国私教連は、私立高校の教員の3月末の雇い止めが少なくとも204件にのぼると報告。実際には、非組合員も多いことから「氷山の一角」とのこと。
●全国の大学で、非常勤講師などの無期転換をめぐって大学側と労働組合の攻防が激化。いくつかの大学は、〈前期・後期〉の半年の空白期間の設置や任用法を悪用した10年期限の措置(10年ルール)など、無期転換逃れを狙っている。
 ――他方で全国で無期転換をかちとったケースも多数報告されています。
●医療機関で働く臨時職員が「次回は更新しない」との不更新条項付き労働契約に泣く泣くサインをしたが労働組合に入って要求し撤回させ無期転換権を守った。
●A大学は、それまでの最大6年雇用を5年に切り下げた。団体交渉の末、今回これを改め、無期転換を認 める方針に方向転換。
●CTS(JR千葉鉄道サービス)の職場では、200人の無期転換をかちとった。JR東日本管轄の清掃事業所でもこれにならっている。
 これらに共通することは、労働組合の会社側との「力関係」で条件をかちとっていることです。労働組合が職場の労働者に働きかけ、団体交渉などの中で会社側に認めさせています。
 「無期になっても、労働条件が非正規のままでは意味がないのでは?」という意見もよくあります。しかし、会社にモノを言ったり、労働運動を展開する立場からすれば、雇い止めの不安を打開することは、かなり大きなことではないでしょうか。

組合として一歩前に

 リーマンショックの時のような情勢に入っているとみて、労働組合が社会に登場し、認知され、力を持つことが今ほど求められている時はないと思います。無期転換逃れの解雇がピークを迎えるのが2月です。
 私たちは、この情勢を攻勢的にとらえ、どんどん街頭にうって出ます。これまで行ったことのないエリアも含めてチラシを配布します。
 今年は異例の寒さですが、チラシの反響は上々です。無期転換を訴える新しいノボリもできました。国会でも「働き方改革」が日々取り上げられ、関心が高まっています。
 一歩前に出ること。これが労働組合運動の再生につながると思います。(K)
ちば合同労組ニュース 第91号 2018年02月1日発行より

編集後記/ちば合同労組ニュース 第91号

編集後記

 春闘の季節が来ました。昨年の春闘では大幅賃上げの成果を得ました。しかし現場は依然として要員不足、過酷な労働実態や安全問題など多くの課題が山積しています。いまだ職場には労働基準法違反がまかり通っています。組合として断固改善を要求し続けます。今春闘の要求書をつくるために仲間の声を集め始めました。(A)

 今年は、診療報酬と介護報酬の同時改定が行われます。団塊世代すべてが後期高齢者(75歳以上)となる2025年問題に〝対応〟する大再編が進み、医療・介護労働者の職場環境も激変します。安倍政権は戦争ができる国をめざし改憲のテンポを速めています。「働き方改革」は戦後労働法制を解体するものです。こういう状況を転換するためにも労働者の手に労働組合と団結、そして闘争を取り戻すことが必要です。春闘ガンバロー(M)

 働き方改革法案を巡る国会論戦が始まっている。安倍首相は施政方針演説で「働き方改革を断行」「戦後の労働基準法制定以来70年ぶりの大改革」と宣言した。確かに戦後労働法制をめぐる最大の攻防である。
ちば合同労組ニュース 第91号 2018年02月1日発行より

無期転換問題ホットライン/連絡会

2018年4月1日から有期労働契約(通算5年)の無期転換が始まります

 同じ企業との間で、有期労働契約が通算で5年を超えてくり返し更新された場合は、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換されます。2013年4月1日からカウントがはじまり、2018年4月1日に権利が発生します。
 権利が発生した労働者が申し込みすると、使用者は申し込み承諾したとみなされます。使用者に拒否権はありません。1年契約の場合、2018年4月1日から2019年3月31日までの間に申し込みをすれば、そのまま承諾とみなされ、無期に転換されるのは、その契約が終了する翌日、つまり2019年4月1日から無期に転換となります。

①みんなで一緒に無期転換を申し込もう
②無期転換の直前の「雇い止め」「試験制度」「クーリング(通算期間リセット)」を許さない
③労働組合で無期転換後の労働条件の改善を

無期転換問題連絡会 

◎ ちば合同労組(雇用形態・職種を問わず誰でも加入できる地域ユニオン)
◎ 動労千葉(JRの労働組合/グループ会社で全員の無期転換を実現)

 

 http://www.mukitenkan.work/

無期転換問題ホットライン: ☎043(225)2207 ✉ union1@outlook.com

「無期転換のチラシみた」「無期転換の申込みがしたい」「労働組合に加入したい」などのお問い合わせはホットラインまで

① 職場と地域の仲間みんなで無期転換を申し込もう

 無期転換の申込権は法律上当然の権利です。通算5年となる労働者が申し込んだ場合、企業は必ず承諾しなければなりません。できれば職場のみんなで一緒に申し込みをしよう。組合に加入して地域の仲間と準備することもできます。「無期転換問題ホットライン」でモデル申込書も準備しています。

② 無期転換前の雇い止め・試験制度

 クーリング(通算期間リセット)は許さない
 無期転換申込権が発生する前の雇い止めや試験制度、クーリング期間を悪用して、無期転換を妨害する企業に対しては、職場で組合を結成したり、地域のユニオンに加入し、団体交
渉を行おう。JR東日本のグループ会社では、全員の無期転換を逃れるための試験制度の導入を労働組合の闘いによって面接だけにとどめ、全員の無期転換を実現しました。

③ 無期転換後は長く安心して働ける職場をつくろう

 無期転換を実現したあとは、65歳まで働ける職場環境・労働条件・賃金を実現しよう。無期転換後は労働組合を結成したり、地域ユニオンに加入して、雇い止めなどが心配でガマンしていた年次有給休暇や残業代など法律上当然の権利を行使できるようにしよう。さらには夏季・年末一時金や退職金の制度化、基本給のアップや各種手当など長く安心して働ける職場環境・労働条件を実現しよう。

④ それぞれの労働組合の取り組みを/スタッフ募集

 既存の労働組合で、ぜひ無条件の無期転換を要求する取り組みを始めて下さい。無期転換制度をテコにすべての労働者の正規雇用化を実現しよう。アウトソーシング(外注化)や派遣への置き換えに反対しよう。無期転換問題連絡会ではさまざまな取り組みの教訓を集めています。ぜひご報告をお寄せください。
 私たちは、非正規雇用をなくすために労働組合の地域的な取り組みを強化したいと考えています。チラシ配りやSNSなど社会的に広く発信もしたいと考えています。団体交渉や組合結成なども進めます。スタッフがまったく足りません。学生や労働組合OBのみなさんもぜひ力を貸して下さい。詳しくはホットラインまでお願いいたします。

現役郵便局員の叫び「郵便局は日本一ブラック」

現役郵便局員の叫び「郵便局は日本一大きなブラック企業」

 ツィッターで「現役郵便局員の暴露」が大きな波紋を呼んでいます。ただのつぶやきがわずか半日で1万6千もリツイート。を紹介します。

◎ゆうパックがパンクしている。投稿者が勤める郵便局でも昨年の3割増。しかし、人手はガッツリ減っている

◎手が回らないゆうパックは集配バイクも担当するハメに。その数が最初は数個、この日は30個。もちろん通常業務をこなした上でゆうパックを手伝う。

◎ゆうパックは仲間なので手伝うのは当然だが管理職がヒドイ。「定時であがれ」「残業代は30分までしか出さない」の一点張り。なのに年賀状とお歳暮はノルマを達成できなければ自爆。

◎早く仕事を始めたいのに無駄に長い朝礼。この時期は昼ごはんも食べられないけどタイムカード的には昼食を取っていることにしないと部長から呼び出し。最繁忙期には8~21時のシフトが1週間以上。元公務員と言われながらも若者の給料は安い。

◎自爆もあるのになぜ誰も訴えないのだろうと不思議に思う。とにかく現状を知ってほしい。

 ――投稿者は「郵便局の腐敗を知ってほしい」「日本で一番大きなブラック企業は生活に欠かせない仕事です」と訴えている。
 ちば合同労組でも局前でビラ配りで話を聞くと職場ではケンカも絶えないとのこと。知り合いの配達員の話を聞いても本当に過酷な業務だ。特にゆうパックの配達はパンク状態。業務を担う労働者の大半が非正規だ。
 郵便職場では18年4月の無期転換に先だちすでに「アソシエイト社員」と呼ばれる無期雇用社員が全国で約8万人生み出された。退職金もなく、最低賃金スレスレの低賃金、業務の廃止・縮小や事業所の廃止で解雇できる。しかも今後は無期転換制度の対象者は4年半ばで選別制度がある。

郵政職場交流会

 ちば合同労組は18年2月、「なめんじゃねーぞ! 今こそ現場で反乱だ」と題して、郵政労働者交流会を企画しています。年末~元旦のチラシ配りに協力してくれる組合員も多いです。この現実にこそ職場を変える力もあるはずです。今年もよろしくお願いしま
す。(N)


労働学校へご参加を

 テーマ 帝国主義と戦争
 日時 1月20日(土)13時~
 講師 藤村一行
 ちば合同労組は団体受講しています。ぜひご参加ください。次回講座は、労働運動の歴史について。

ちば合同労組ニュース 第90号 2018年01月1日発行より

実践的に考える職場と労働法―無期転換/18年4月450万、全体1500万人

実践的に考える職場と労働法

労働契約法18条―無期転換

18年4月に450万人、全体1500万人が無期転換の対象に

 2012年8月に労働契約法が改定され、次の3つの規定ができました。

①無期労働契約への転換

②「雇い止め法理」の法定化

③不合理な労働条件の禁止

 

無期契約への転換

 ①は同一使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えてくり返し更新された場合は、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換する制度です。13年4月1日からカウントが始まり18年4月1日に権利が発生します。
 権利が発生した労働者が申し込みすると、使用者は申込みを承諾したとみなされます。つまり使用者に拒否権はありません。
 例えば1年契約の場合、18年4月1日から19年3月31日までの間に申し込みをすれば、承諾とみなされ、無期に転換されるのは、その契約が終了する翌日の19年4月1日から無期に転換となります。
 無期転換を申し込まないことを契約更新の条件とすることは禁止されています。他方、契約期間が1年以上の場合では6か月以上の空白があるとカウントがリセットされます。1年以下の場合は概ねその半分以上の空白でリセットされます。いわゆるクーリング期間です。
 無期転換は18年4月1日の時点で約450万人が対象となります。全体で約1500万人が対象となると思われます。実に全労働者の4人に1人にあたる数です。
 無期転換後の労働条件については、契約期間が有期から期間の定めなしになるほかは法律上は従前と同一とされています。
 しかし無期転換によって雇い止めの心配が軽減されれば、残業代の請求や年次有給休暇の取得などの権利行使を容易にし、あるいは労働組合の結成・加入などによって職場環境・労働条件を変えていく出発点にできるはずです。
 少し前の調査ですが、無期転換制度についての認知度には、労働者側は、連合が17年4月に実施した調査では、内容まで知らない人は8割超。使用者側では労働政策研究・研修機構の調査によれば民間企業の半数が「よく分からない」と回答しています。
 国立大学や自動車メーカーではすでに大きな焦点となっていますが、中小企業やサービス産業などではこれからという面もあります。あるいはほとんど権利行使できずに社会的焦点にならない可能性もあります。

職場の仲間と共に

 ここでは詳しく展開できませんが無期転換制度は、限定社員化などの究極の雇用破壊の攻撃であり、他方で非正規労働者の現実と闘いを反映したものともいえる産物です。
 いずれにせよ資本の攻撃と闘いぬき、そして闘いの武器・契機にしていくことが必要です。無期転換を職場や地域の仲間で一緒に集団で申し込むことを呼びかけることを組合内外でも議論していきたいと思います。
 一つの理想型は、職場の仲間と一緒に無期転換をかちとる渦中で組合に加入したり、結成することです。
 ちば合同労組でも取り組みを開始します。まずは組合員の職場状況を把握し、議論し、方針を立てます。また地域のみんなでビラまきなどをやって呼びかけたいと思います。無期労働契約転換申込書のモデルも用意します。

雇い止めを許すな

 無期転換申込権が発生する前の雇い止めや試験制度、クーリング期間を悪用して、無期転換を妨害する企業に対しては、組合を結成・加入し、団体交渉やストライキで闘うことを呼びかけます。
 雇い止めと闘うためには、会社に対して契約更新や無期転換の意思表示(申し込み)を行い、団体交渉を申し入れるところから始めます。

転換後の労働条件

 無期転換後は60歳、65歳まで働ける職場環境・労働条件・賃金を実現する闘いを全力で追求します。有期労働契約では雇い止めの心配もありますが、無期転換後は公然と労働組合を結成・加入して、まず年次有給休暇や残業代など法律上当然の権利を行使できるようにしたいと思います。さらには一時金や退職金の制度化、大幅賃上げなど、長く安心して働ける職場環境・労働条件を目指します。

既存組合の取り組み

 地域合同労組やユニオンの取り組みだけではなくそれぞれの職場の労働組合の闘いとして、無条件の無期転換、さらには正社員化を要求しよう。JR千葉鉄道サービス(CTS)での就業規則改悪と無期転換をめぐる闘争の教訓を活かし、さらに地域合同労組の特質を活用して、広く闘いを呼びかけていきます。
 できればホットラインを設置し、チラシなどで訴え、講師などを招いて講演会や相談会も検討します。3月の春闘集会を結集軸に取り組みを開始します。(S)

ちば合同労組ニュース 第90号 2018年01月1日発行より

連載・介護労働の現場から〈最新スペシャルレポート3〉人手不足下の職員

連載・介護労働の現場から〈最新スペシャルレポート3〉

人手不足下の職員

モノ扱い

 国の配置基準の60%しか人がいない超人手不足、ワンフロアに30人ほどの入居者がいるが、そのフロアの職員配置は、多くて1人、ゼロの日もよくある。入居者の緊急コールは、他の階の職員のPHS電話に受信するようになっているが、手が離せないことがほとんどなので無視する。その結果、事故が多い。
 入居者がベッドから転落してもいいように介護ベッドを一番低位置まで下げ、床にマットレスを敷く。この対象者が異常に多い。そして、マットレス転落は日常茶飯事。落ちた入居者はパニック状態だが、職員が少ないので、発見も遅く、マットレスからはい出し、さらに事故を起こすこともある。
 転落を発見し、看護師を呼ぶ。看護師が来るまでに10分近く、そしてドアの外からちらっと見て「大丈夫よ」。看護師の代わりにバイタルチェックをし、外傷チェックを済ませ、事故報告書を書いて提出したら、先輩に「マットレスの上に落ちたのは事故じゃないから、書かなくていいよ」。どうりで事故報告書件数が異常に少ない。
 過去に、ベッドから床に直接落ちて救急搬送された事故報告書の原因欄には「多動」の文字。寝返りができる人が、動くのは当たり前。それを「多動」とは言わない。むしろ、寝たきりにならないように起きて動いてもらうのが自立支援で、それが介護職の仕事なのだ。「多動」の入居者は、事故から2週間で亡くなった。
 職員は、身体を動かすことだけでなく、コールやおしゃべり、要求や表現も問題行動と捉える。「じっとして」「これをしてはダメ」「何度も言ってるでしょ」「がまんできないの!」の行動制限は、収容所並み。

カポ

 以前に他の施設での介護経験がある職員は、すぐにやめていく。 「こわくてやってられない」
 当然だ。この職場で仕事に慣れるということは、モノ扱いになれるということだ。施設長やリーダーは、そもそも人権感覚があるのかと思うくらい、介護への理解がない。
 でも人間が人間をモノ扱いして平気でいられるものだろうか? 一番長い職員で2年。それでもいつも辞めたいと思っているという。いつも疲れ切って、ストレスからイライラし、虐待まがいの言動がでるのを自覚していた。だからたまに、罪滅ぼしでていねいな介護をするのだそうだ。ナチスドイツの収容所看守、カポは、同郷やお気に入りの収容者にやさしくすることもあったという。
 同期で入った未経験の職員が辞めた。教育、知識、スキルがなくても、恐ろしい職場だ。
 業務過多。ストレス、周りの雰囲気…。そんな中にあっても、虐待を踏みとどまれる何か。そのようなことをいつも漠然と考えていた。(つづく)

ちば合同労組ニュース 第90号 2018年01月1日発行より

映画紹介 『学校』

映画紹介『学校』

 山田洋次監督の1993年の作品。東京下町の夜間中学を舞台とした教師と生徒たちの群像劇。焼肉店を営む在日朝鮮人のオモニや日本社会になじめない中国人、不登校や不良少女、昼間は働く勤労青年らと教師たちを描く。
 卒業式が近い冬の夜、国語の授業で生徒たちが卒業文集のための作文を書く。担任の黒井(西田敏行)は、生徒たちとの思い出を回想。療養のため故郷の山形に戻ったイノさん(田中邦衛)の「卒業式には出たい」という手紙を紹介する。
 イノさんは、父と妹が亡くなったことで幼い頃に家出し、以来、学校に通うことなく肉体労働の職を転々してきた50歳過ぎの初老男。ようやくメリヤス工場の社員となり、故郷の母の死を知って決心して夜間中学に通うことにしたのだ。
 競馬だけが楽しみで孤独に生きてきた初老男の初めての学校生活。字を書く喜びを実感し、修学旅行で級友とはしゃぐ。「ハガキを出す」という宿題では、1週間かけ、思いを寄せる中島先生(竹下景子)に恋文を送る。中島先生に相談を受けた黒井が間に入るが、2人に笑いものにされたと思い、酔って絡むイノさん。学校に登校しなくなった彼を心配して黒井はアパートを訪ねる。実はイノさんは長年の苦労で身体はボロボロ、すでに手の施しようのない状態だった。
 授業中に山形から訃報が入る。次の授業時間、教室では臨時のホームルーム、イノさんの死を通して「幸福とは何か」を問う。
 イノさんのモデルは実在の人物。映画のエピソードもほぼ事実。有馬記念のオグリキャップの勇姿を唾を飛ばしながら語る名場面、田中邦衛の芝居は唯一無比の存在感。お涙頂戴の映画とはひと味違うものにしている。

ちば合同労組ニュース 第90号 2018年01月1日発行より

公務員総非正規化の制度/会計年度任用職員

公務員総非正規化の制度

20年4月実施 会計年度任用職員

       本年4月1日の無期転換問題と並んで焦点になるのが会計年度任用職員。2017年5月に地方公務員法・地方自治法が改定されて、2020年4月実施で「会計年度任用職員」という採用類型が新設され、「臨時職員」「特別職非常勤」「一般非常勤」などの非正規の事務職員を、これに統一することとなった。
 従来、臨時・非常勤職員は、臨時的・補助的にのみ用いられるという建前であったが、実際には全国の自治体職員の3割を超えるのが現実であり、その多くが自治体の基幹的業務を担っている。ある調査では、全国の自治体で事務補助職員が約10万、教員・講師が約9万人、保育士が約6万人など約64万人。
 「会計年度任用職員」の新設は、臨時・非常勤職員の雇用の安定や処遇改善にその目的があるのではなく、非正規公務員の身分のまま公然と恒常的・本格的な業務に充てることである。
 任用期間はその名の通り会計年度の末日までの最長1年。一般職なので人事評価の対象にもなる。
 フルタイム型とパート型に2区分され、所定時間が1分でも短ければパートに区分される。両者は給与体系がまったく違う。フルタイム型は生活給としての給料と扶養手当や退職手当など各種手当が支給できるとしている。パート型は、報酬と費用弁償に加えて6か月以上勤務者には期末手当のみを支給できる。手当は条例が必要。
 総務省は「任用の更新ではない」「新たな職に改めて任用された」というスタンスを強調している。総務省は、会計年度任用職員という名称は「新たな任用」と言いやすいと考えているだろう。
 だが、なぜ同じ労働者が何年も働き続けるのか。そこに恒常的な業務があり、その労働者が必要な経験や技術、知識が蓄積しているからである。「新たな任用」論は詭弁以外のなにものでもない。
 また公務員は雇用ではなく任用という理由で労働契約法やパート労働法も適用されない。だから無期転換や雇用期間を長くすることを規定する法律もない。パート労働法も非適用となる。
 会計年度任用職員は、毎回の任用のたびに、その採用はすべて条件付きとなる。その期間は1か月。つまり会計年度任用職員は、再度任用されるたびに1か月の試用期間が設定されるのである。初回の使用期間も不愉快だが、毎年4月に試用期間が設定されるというのだ。従前、一般職非常勤職員は更新すれば身分保障と審査請求ができた。実務上も気持ちの上でも本当に不条理だ。
 総務省は、会計年度任用職員は空白期間を置かない運用ができると説明している。しかし、常勤の会計年度任用職員が空白期間をおかずに6か月を超えて雇用されると退職手当請求権が発生する。だからあの手この手で空白期間をつくる動きは続く。
 パート型については兼業を自由化するという。低賃金なのでダブルジョブで稼げということなのだ。
 この重大な攻撃が「非正規にも一時金支給へ」とだけ報道されている。しかし、核心は公務員の総非正規化攻撃である。安倍政権が進める「非正規という言葉をなくす」=非正規の標準化の攻撃である。無期転換問題と合わせて本気で立ち向かなければならない課題だ。(組合員S)

ちば合同労組ニュース 第90号 2018年01月1日発行より

【編集後記】

【編集後記】
保育士・介護士の過酷な労働実態と深刻な要員不足が少なからぬ関心を集めている。年収300万円以下の保育士は全体の6割超。公立保育園は財政削減で人件費を抑えるため足りない人材を低賃金の非正規で補う。結果、県内の保育園も保育士や調理師がまったく足りない。待機児童の問題は深刻だ。「子どもの人生の土台をつくる大事な仕事でなぜこんなに社会的地位が低いのか。重い責任があるのになぜこんなに低賃金なのか」との声は切実だ。
 成長戦略で女性を労働力として動員したい安倍政権や経済界の思惑もあって保育士や介護士の処遇改善のかけ声が高まる。だがその柱は「キャリアアップ」の仕組みをつくり、技能や経験を積んだ労働者は賃上げするという政策だ。逆に言えば「キャリアアップ」されない低待遇の労働者が生み出される。さらに低賃金の介護助手の導入が拡大している。外国人技能実習制度に介護職種を追加する動きもある。
 結局、労働者を2層化、3層化する分断と差別をつくりだす政策なのではないのか。労働者の連帯と団結をつくりだして声を上げなければ本当の意味で状況は変わらないのではないか。差別と分断こそ労働者の地位を低下させる最大の武器なのだ。2018年こそは、保育・介護労働者の団結を職場と地域でつくりたいと思いながら働く年の瀬である。(A)
=*==*=*=*==*=*=*==*=*=*==*=*=*==*=*=*==*=*=*==*=*
保養スタッフ募集
 避難プロジェクト千葉は2018年1月3~6日、千葉県南房総市・民宿にて冬休み保養を行います。福島より保養家族を迎えます。ボランティアスタッフを募集しています。ぜひご参加ください。お問い合わせは組合まで。
ちば合同労組ニュース 第90号 2018年01月1日発行より

労働者の現実を労働運動の可能性に転ずるには

労働者の現実を労働運動の可能性に転ずるには

 11月5日、東京日比谷野外音楽堂で全国労働者総決起集会が開催されました。動労千葉などが呼びかける、闘う労働組合の全国ネットワークを目指す集会は20年を迎えました。一進一退の、なかなか困難な挑戦ではありますが、こうした努力が20年も続いてきたことは本当に素晴らしいと思います。
 開催あいさつで関西生コン支部の代表が「闘わない労働組合を非難するのではなく、自ら闘いを展開し、成果を示して結集させよう」と訴えました。私たちの課題を端的に表現しています。
 関生支部や動労千葉、港合同などの闘いの実態があるからこそ「闘う労組の全国ネットを」の呼びかけもリアリティと展望を持ちました。
 私たちの小さな経験から言っても、職場で闘って活性化し、具体的な運動の実態をつくった職場から多く結集しています。もちろん50人とか百人の結集を実現するには別次元の課題がありますがさしあたり5人、10人のレベルで職場で闘争と団結の主体をつくりだすことは十分に可能だと思います。9・30千葉集会から11・5集会を通して強く感じています。
 ちば合同労組は来年、これまでの努力に加えて地域的な横への拡大にも挑戦していきたいと思います。
 地域・産別・職場……それぞれ現状や課題も違います。それぞれの〝何か〟を捉え、自分たちの運動の地平をつくだすことが大切な課題だと思います。どんなに小さくとも労働者の置かれた現実に対抗し、労働者が団結して闘うことに展望があることを大衆的に感じることのできる運動をつくりだすことが必要だと思います。
 新自由主義の崩壊が、時代と社会のすべてを飲み込む状況にあります。「地方自治体消滅」「鉄道の選択と集中=ローカル線切り捨てと外注化」「医療介護の2025年問題」「労働法制の全面的改悪=働き方改革」「教育の民営化」など、私たち労働者をめぐる状況は2020年あたりを焦点に流動・再編は不可避な情勢です。
 これを労働運動の再生へと逆転させることはできるはずです。2017年も残りわずかですが、その辺りの議論を忘年会などで開始したいと思います。

*******************************

労働学校へご参加を

 テーマ 社会保障制度について
 日時 12月16日(土)13時~ 
 講師 山部明子
 ちば合同労組は団体受講しています。ぜひご参加ください。次回講座は、労働運動の歴史について。
ちば合同労組ニュース 第88号 2017年12月1日発行より

1 2 3 4 5 33