最低賃金闘争 の現状と課題  

10月1日から千葉県は時給1140円に

約800万人に直接影響

 中央最低賃金審議会は、25年度の引き上げ目安を全国加重平均で+63円、全国平均1118円と答申した。千葉県は64円の引き上げで10月1日から時給1140円となる。率・額ともに過去最高水準であることは間違いない。

 しかし最低賃金は労働者が人間らしく生きるために不可欠な生活の基盤を守る制度である。生活費や教育費、住宅費、社会保障の負担を考慮すれば、今の水準では労働者の尊厳や権利を十分に守っているとは言えない。

 最低賃金水準(115%未満)で働く労働者は800万人に達し、全体に占める割合も決して小さくない。労働組合として春闘と並ぶもう一つの軸として最低賃金闘争を位置づけ直すことも必要だ。

 最低賃金は、貧困や所得格差の拡大、教育機会の不平等、社会保障の脆弱化、地域の疲弊など影響は大きい。特にこの数年の物価高騰は、労働者の実質賃金を大きく引き下げた。政府が「過去最大の引き上げ」と強調しても、実際には労働者の現実は厳しい。

 実際、東京や神奈川では時給が1200円を超えたが、フルタイムで働いても月収換算で20万円に満たない水準にとどまる。到底生活できる賃金には達していない。

 また地域間格差は依然として200円近い。労働者の権利保障という観点からすれば地域によって賃金の下限が異なること自体が不合理だ。全国一律最低賃金制度への転換は必須だ。

 近年は、正社員であっても最低賃金に近い層が増えており、従前の賃金カーブも崩壊しつつある。

 最低賃金をめぐる諸問題は労働組合運動の中で十分に検討され取り組まれてきたとは言い難い。だが社会的注目が高まっていることは明らかであり、同時にそこに労働組合の存在感がほとんどないのも現実だ。春闘の再検討・再構築と並ぶ闘争として位置づける必要があるのではないか。

 いずれにせよ最低賃金をめぐる課題を、労働組合の強化や非正規労働者の結集と結びつけることも重要だ。積極的に声を上げ、運動を広げていこう。

ちば合同労組ニュース 第182号 2025年9月1日発行より

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