歯止めなき世界の軍事化。今こそ反戦の行動を

トランプ再登場で混迷・軍事化する世界
中国・東アジアの戦争に向け統合司令部
 トランプ大統領の発言が世界で物議を醸し、戦後的な世界秩序の崩壊を印象付ける。
 ウクライナ戦争への終結をめぐり、トランプは鉱物資源開発を〝見返り〟にロシアへウクライナの領土分割を提言。トランプ政権は北大西洋条約機構(NATO)軍司令官ポストの放棄も検討。事実上のNATO脱退宣言だ。
 欧州ではロシアから防衛するために、欧州軍の強化、防衛費の倍増、徴兵制の導入、独自の核配備策などの検討が一挙に始まっている。敗戦国ドイツでも核武装論が沸騰している。
 こうした欧州情勢に対応して尹錫悦政権をめぐって世論が二分する韓国国内では、「北東アジアの平和のために日韓核武装が必要」という核武装論も高まっている。
ガザで再び大虐殺
 トランプは戦争を避けているわけではない。中東では戦争の火種を広げている。
 3月18日、イスラエル軍はガザ全域に空爆を強行。1日で400人以上を殺害し死者は5万人を超えた。西岸地区でも本格的な攻撃に踏み切り、アカデミー賞受賞映画監督もイスラエル軍に襲撃された。一時的な「休戦状態」は過去のものとなり、ガザ侵攻は「第2段階」に突入。トランプは攻撃再開を認め、74億㌦の支援を行った。
 米国内では、パレスチナ連帯デモ・キャンプを指揮した学生活動家マフムード・カリル氏を逮捕し、国外追放を決定。大規模デモの先頭に立ったコロンビア大学などへの助成金を打ち切ると発表。徹底した反戦運動弾圧に踏み出した。トランプ政権は、イエメンやイランへの攻勢を強め、バイデン政権以上に中東での戦争シフトが加速している。
米軍・自衛隊の一体化
 東アジアも緊張が高まる。3月24日、陸海空の3自衛隊を一元指揮する「統合作戦司令部」が発足した。宇宙・サイバー空間も含むハイブリット戦にも対応する。これまで憲法で制約されていた枠組みを突破し、長射程ミサイルなどを用いて他国領域を攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の運用を一元的に指揮するためのものだ。
 米軍も「統合軍司令部」を新設する。在日米軍を再編し、作戦指揮権を行使できる権限を持つ。自衛隊は事実上、米軍の指令下に入る。「日本の防衛費をGDP比3%に上げろ」と要求するコルビー国防次官は次のように語る。
 「私は、韓国軍との間で既に存在しているような統合のモデルへと(米軍と自衛隊との関係を)さらに深化させる必要があると考えている」
 いまも朝鮮半島は「休戦」の状態にあり、有事の際には、米軍の司令部は韓国軍も自衛隊も指揮することになる。統合作戦司令部発足は台湾を強奪し、中国侵略戦争の司令部に他ならない。
 国会では8兆7千億円の大軍事予算を決定。「能動的サイバー防御法案」が審議入りしている。令状なしで人びとを無限に常時監視・盗聴できる法律だ。「能動的」とは先手を打つとの意味で、他国に対するサイバー攻撃も可能になる。すでに戦争が始まっている。反戦の行動に立とう。
ちば合同労組ニュース 第177号 2025年4月1日発行より
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