排外主義との闘いは労働組合の使命

外国人労働者との具体的な連帯と共闘を
7月に行われた参院選は、外国人労働者に関する政策が大きな争点となった。
選挙戦では参政党が「日本人ファースト」を掲げ、外国人労働者の受け入れが日本人の雇用や賃金を圧迫していると主張。自民党も「違法外国人ゼロ」を掲げ、制度の厳格化を訴えた。石橋首相は、外国人政策を一元的に管理するための新たな内閣官房組織の設置を表明した。
こうした排外的言説に対し、NGOや人権団体などが「ヘイトスピーチ」だと警鐘を鳴らし、排外主義的な街頭演説に対する抗議行動が展開された。

劣悪な労働環境
外国人労働者数は統計の取り方によるが160万~230万人。出身国ではベトナムが約30%、中国が約16%、フィリピン10%が続く。都市圏集中の傾向は続いているが、農業や介護を中心に地方での雇用も拡大している。
産業別では製造業が約26%(約60万人)で最も多く、卸売・小売業(13%)、宿泊・飲食業(11・9%)、建設業(7・7%)、医療・福祉(5・1%)などに分布。
外国人労働者の多くは、母国の送り出し機関や仲介会社を通じて来日しており、その過程で高額な手数料や保証金を支払わされるケースが少なくない。
特に問題視されているのが技能実習制度だ。
建前は「国際貢献」だが、実態は低賃金労働者の供給制度にほかならない。技能実習生の多くが最低賃金スレスレで、長時間労働や残業代の未払い、危険な業務への無資格従事など、劣悪な労働環境に置かれている。
中には、パスポートの取り上げや外泊禁止など自由の制限を強いられ、人権侵害にあたる状況も確認されている。
構造的背景として、送り出し機関による高額な仲介手数料や違約金制度があり、来日前から数十万円〜百万円単位の借金を背負わされる実習生も多い。借金の返済や家族の仕送りのために劣悪な労働環境に耐えるしかない。
強い批判を受け政府は27年度から技能実習制度に代わる「育成就労制度」を導入予定だ。制度の目的を「日本国内の人材育成と確保」に切り替え、1年以上の就労で転籍(転職)を認める。だが転職の自由は形式的な保障にとどまり、送り出し機関との契約や手数料、家族帯同の禁止など、根本的な問題が解決されたわけではない。

世界で連帯デモ
外国人労働者は、言語や文化の違い、制度に対する理解不足などの理由で自らの権利を十分に主張できない。間接雇用が多く、問題を指摘すると契約を打ち切られるリスクも高い。多くの外国人労働者が沈黙を強いられている。
こうした状況は日本だけに限らない。外国人労働者の連帯、排外主義との闘いは急務だ。ドイツでは、極右政党AfDの移民制限法案に対し、「移民にも人権を」と訴える30万人規模のデモが行われた。イギリスやポーランド、米国でも排外主義に抗議する行動が活発化している。
新自由主義的グローバリズムを背景とする現代資本主義の重大な問題として、排外主義に対する労働組合の立場表明と行動は大切な課題だ。
ちば合同労組ニュース 第181号 2025年8月1日発行より
