衆院選挙―高市「一強」政権の登場をどうみるか

高市画像

改憲の危機 徴兵制・核武装を止めよう

圧勝の「裏側」にあるもの

 国論を二分する政策を実現する高市首相の切り出しから突如始まった衆院解散総選挙。2月8日、フタを空ければ、自民党が戦後最多の316議席を確保し、あっという間に高市「一強」体制がつくられた。
 そんなに国民は高市を支持したのだろうか? 有権者のうち小選挙区で自民候補に投票した絶対得票率は26・9%と約4分の1の得票だ。これで小選挙区の8割を超える議席を獲得できるのは、小選挙区制による「マジック」と言える。
 自民党の比例区の得票数(2103万票)は、05年小泉郵政解散の時よりも少なく、安倍・岸田政権時と同程度にすぎない。前回の参議院選挙から上積みした800万票は、参政党や日本保守党に流れた「岩盤保守層」が戻ってきた現象だけだという評価もある。票数やデータを厳密に見ていけば必ずしも「自民大勝」とは言えない現実が垣間見える。

高市人気の正体

 では、盛んに言われる「高市人気」とも呼ばれるもの何だろうか。マスコミの忖度とSNSでのネットバブルによることが大きい。1億5千万回再生されたという高市動画は、政党交付金約10億円を投入して人為的につくられたものだ。このネット空間が主戦場となった選挙戦に野党勢力は翻弄された。一昨年からのSNS選挙で注目された石丸伸二(再生への道)や立花孝志(N国党)は今や忘れ去られてしまっている。同様に今騒がれている「高市人気」も、一過性のものとなる可能性が高い。

求心力を失った野党

 しかし、時代への危機感、少しでも現実が変われば…との思いで、若者を中心に高市に入れた人は多いことは確かだ。やはり、高市圧勝は野党への失望感によるところが大きい。公明党と立憲民主党が「合体」した中道は完全に不発に終わった。安保も原発も容認した立憲民主党は支持者の4割が離反。連合などの労働組合の組織も機能しなかった。高市が勝ったというより野党の「自爆」したと言ってもいいだろう。
 半分の有権者は投票に行っていない。「入れるところがない」と選択肢が狭められている。

戦後史を画す大激動が始まる

 3分の2の議席を確保した高市首相は、改憲への意欲を明らかにし、勢いを増している。「国論を二分する政策」とは、改憲であり、大軍拡だ。同時に、米トランプが要請するGDP比5%化、約30兆円もの巨額な防衛費をねん出するものだ。これは一人当たり年24・8万円の税負担となる。大増税は不可避だ。そのうえで「積極財政」を掲げ、防衛国債も含む戦時型財政の確立に向かおうとしている。大政翼賛会とも言える国会で、核武装・徴兵制を含む戦争国家への一挙に進む可能性が高い。

労働者はいかに闘うか

 高市独裁への警戒感は日に日に広がっている。朝日新聞の世論調査によると、3分の2の議席を得たのが「多すぎる」が62%。「慎重に進めるほうがよい」が63%。有権者は必ずしも高市に「白紙委任」しているわけではない。
 では労働者はいかにこの体制に立ち向かっていくべきか。政治は議会内の「数合わせ」で決まるものではない。政治とは、投票日に「一票を投じる」「誰かを選ぶ」ものではなく、日々の生活の中で権利を行使し続けることだ。それは、自ら情報収集することから、SNSで意思すること、職場・地域で発言すること、デモなどに参加することだ。これはちば合同労組も同じです。80年代、300議席を擁した中曽根首相と対決し、動労千葉は分割・民営化のストを闘った。日本の労働者階級がいかに団結して闘っていくか? ここが試される。


 昨年末のニューヨーク市長選でマブダニ氏の勝利は、労働組合・市民団体・反戦団体・若者を中心とした約10万人の社会運動の存在が鍵を握りました。優れた政治家のスローガンや政策ではなく、地域に根差した大衆運動こそが勝利をもたらしたのです。
 ちば合同労組は、春闘をはじめとする労働運動、反戦の闘いを前進させ、高市の改憲・戦争情勢と立ち向かうために行動します。

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