千葉巡礼―土地の歴史と風土、産業を訪ねて―

地域ユニオンとして活動する上で、地域の歴史や風土、文化や産業を知ることは、そこで働く人々の労働と生活を理解する第一歩です。県外出身の筆者による学びの記録なので無知な点はご容赦を。まずは「房総半島編」として東金線の終着駅・成東から外房線・内房線へと筆を進めたい。
成東駅は千葉駅から直線距離で約25㌔に位置。太平洋側だが意外に近い。一帯は平野と海岸が帯状に広がり、九十九里浜は全長66㌔の日本有数の砂浜海岸。沖合では黒潮が岸に沿って北上し、銚子付近で太平洋へと離れていく。イワシ漁などの豊かな海の恵みが古くから地域の営みを支えてきた。
平野部は農業・林業も盛ん。山武市のネギは県内屈指の収穫量を誇り、東金市は「植木(盆栽)のまち」として知られる。一方で、天然ガスやヨウ素、砂鉄などの天然資源を産出し鉱工業の側面もあり、松尾台工業団地や千葉東テクノグリーンパークなどの工業団地も整備されている。
成東駅から大網駅を結ぶ東金線。かつての東金は宿場町・問屋街として栄え、61年まで海岸近くまでの九十九里鉄道も走っていた。途中の求名駅は難読。現在の東金線は、京葉線から成東駅までの直通列車が走る「東京通勤圏」としての顔も持つ。24年3月のダイ改で、東京〜蘇我間を最速33分で結び東金駅に至る「通勤快速」の全廃方針をJR東が打ち出したことで、乗客から批判が殺到。沿線自治体の首長も異例の陳情に動く事態に。結果として通常の「快速」が設定される形で維持されることになった。
次回は大網駅を起点に外房線へと足を延ばします。
ちば合同労組ニュース 第186号 2026年1月1日発行より
