急増するスポットワーク。雇用責任回避の構造


スポットワーク(スキマバイト)は、アプリを通じたマッチングで、履歴書や事前面接も不要、「今日だけ」「数時間だけ」の仕事が仲介される。典型的な単発・短時間労働で、大手4社のサービス登録者数は今年7月時点で約3700万人(重複含む)に達している。
この働き方は多くの問題がある。1日/数時間単位の仕事で次の仕事は保証されず、安定収入は難しい。しかもアプリ事業者は「実際に働く直前まで労働契約は成立しない」と主張し、企業側が直前にキャンセルしても賃金が支払われない事例も多い。
労働基準法などの適用も不明確で、キャンセルや待機時間が賃金に反映されず、時給換算すると最低賃金を下回るケースもある。また、実際の仕事内容がアプリで示された内容と異なることや、闇バイト求人が含まれるケースも報告されている。
こうした労働は短期・単発であるため職場に定着できず、労働者は弱い立場に追い込まれる。長期的なスキルやキャリア形成も難しい。最大の問題は、実態は日雇い派遣と変わらないにもかかわらず、アプリ事業者は求人を紹介するだけで派遣はしていないという建前を取り雇用責任を回避している点だ。
厚生労働省は7月、「労使で特段の合意がない場合、マッチング時に労働契約が成立するのが一般的」との見解を初めて示した。しかし、これで問題が解決するわけではない。この問題については、労働組合がより大きな声で批判し、具体的なアクションを起こすことが強く求められている。
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東京新聞の連載記事より
ちば合同労組ニュース 第182号 2025年9月1日発行より
