映画紹介『ウィ、シェフ!』

ウィシェフの画像

 実在のシェフをモデルに、料理を通して少年たちとの交流を描いたフランス映画(22年)。

 主人公のカティは、一流レストランで副料理長を務める料理人。しかし、自分のレシピを勝手にアレンジしたオーナーシェフと大喧嘩し店を飛び出す。やっと見つけた再就職先は、移民の少年たちが暮らす「自立支援施設」の調理員。そこにはまともな食材も機材もなく缶詰の食材を出すだけ。

 ソースに手間をかけ、盛り付けにこだわるカティは、70人分の昼食を時間内に提供できず配膳が午後2時過ぎに。「腹を満たせばいい」と現実を突きつける施設長ロレンゾと、料理人の矜持を譲らない彼女は口論に。

 人付き合いが苦手で一匹狼のカティだが、施設長の提案により、少年たちを調理アシスタントとして育てることに。偏屈だがシェフの仕事に誇りを持つ彼女が教えたのは、料理の技術だけではなかった。毎日の清掃、徹底した衛生管理、食材を見極める目、そして食費を節約するために菜園づくりも。仕事に妥協しない彼女の姿勢は、過酷な境遇を生き抜いてきた少年たちに変化をもたらす。

 物語はテンポよく明るいコメディ調で進むが、他方で厳しい移民問題の現実も。密入国した少年たちは、18歳になるまでに職業訓練を受け、就職の内定を得なければ、国外退去に。しかし必死に努力しても職業訓練校に空きはなく彼らの前には厚い壁。カティは一計を案じ料理番組への出演を決意する…。

 劇中の少年たちは、実際に施設で暮らす本物の移民たちが演じた。カティの成長も描かれ、悪くない。

ちば合同労組ニュース 第187号 2026年2月1日発行より

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